3 / 6
3
しおりを挟む
次の日。
朝日が東の空に出てきて空を明るい青に変えていきました。
日の光に目をさましたカモメは、すぐに若者をさがしに南へ旅だちました。カモメは、海岸にそって南へ飛んでいきます。夜になると浜辺に下りてねむり、日が顔を出し始めると、すぐにカモメは飛びたちました。
港町にくると、その上を何度も飛んでカモメは若者をさがしました。でも若者の姿をみつけることはできません。町の人たちの話に耳をかたむけ、仲間のカモメたちにも聞いてまわりましたが、若者の話を聞くことはできませんでした。さらに、海につながっている大きな川の上を飛んで都市へも行って、若者をさがしまわったのです。でも、たくさんの人がいる都市の中にも若者の姿をみつけることはできませんでした。
ついに、陸はなくなり海ばかりになりました。それでも、カモメは飛び続けます。
やがて、小さな島がみえてきました。誰も人が住んでいない島です。その島の岸べの砂浜に船の一部、木へんが寄せられているのがみえました。カモメはさっそく木へんの上にとまりました。木へんには、黒潮丸と文字が書かれていました。
「みたことのない顔だね」と、しわがれた声がしました。
声のするほうにカモメが顔を向けると、年老いたカモメが浜そばの枯れ木の上にとまっていました。さっそく、カモメは飛んでとなりの木えだにとまり、この島にきたわけを話しました。
「木へんは南からの波にうちあげられたものだ。もうだいぶ前のことだが」
「じゃ、黒潮丸にのっていた人たちは?」
「さあ、わからない。とおっていく船はみかけるが、海に人影はみたことはないからね」
それを聞いたとたん、カモメは、白い顔をさらに白くしてしまいました。若者がみつからなかったことを聞いたときの娘の悲しみを考えたからです。
「さがしてみます」
「むだだと思うが」
「それでもいいんです」
そういうと、カモメは南の海に向かって飛び出していきました。
カモメがどれだけ飛んでも、ひろい海の上には白い波だけでした。やがて、遠くの空に黒い雲がみえだしました。東の海に嵐が起ころうとしています。若者をみつけるまでは、カモメは死ぬわけにはいきません。
カモメは、引き返すことにしました。太陽が水平線に沈みはじめたとき、カモメはやっと島に戻ってくることができました。
朝日が東の空に出てきて空を明るい青に変えていきました。
日の光に目をさましたカモメは、すぐに若者をさがしに南へ旅だちました。カモメは、海岸にそって南へ飛んでいきます。夜になると浜辺に下りてねむり、日が顔を出し始めると、すぐにカモメは飛びたちました。
港町にくると、その上を何度も飛んでカモメは若者をさがしました。でも若者の姿をみつけることはできません。町の人たちの話に耳をかたむけ、仲間のカモメたちにも聞いてまわりましたが、若者の話を聞くことはできませんでした。さらに、海につながっている大きな川の上を飛んで都市へも行って、若者をさがしまわったのです。でも、たくさんの人がいる都市の中にも若者の姿をみつけることはできませんでした。
ついに、陸はなくなり海ばかりになりました。それでも、カモメは飛び続けます。
やがて、小さな島がみえてきました。誰も人が住んでいない島です。その島の岸べの砂浜に船の一部、木へんが寄せられているのがみえました。カモメはさっそく木へんの上にとまりました。木へんには、黒潮丸と文字が書かれていました。
「みたことのない顔だね」と、しわがれた声がしました。
声のするほうにカモメが顔を向けると、年老いたカモメが浜そばの枯れ木の上にとまっていました。さっそく、カモメは飛んでとなりの木えだにとまり、この島にきたわけを話しました。
「木へんは南からの波にうちあげられたものだ。もうだいぶ前のことだが」
「じゃ、黒潮丸にのっていた人たちは?」
「さあ、わからない。とおっていく船はみかけるが、海に人影はみたことはないからね」
それを聞いたとたん、カモメは、白い顔をさらに白くしてしまいました。若者がみつからなかったことを聞いたときの娘の悲しみを考えたからです。
「さがしてみます」
「むだだと思うが」
「それでもいいんです」
そういうと、カモメは南の海に向かって飛び出していきました。
カモメがどれだけ飛んでも、ひろい海の上には白い波だけでした。やがて、遠くの空に黒い雲がみえだしました。東の海に嵐が起ころうとしています。若者をみつけるまでは、カモメは死ぬわけにはいきません。
カモメは、引き返すことにしました。太陽が水平線に沈みはじめたとき、カモメはやっと島に戻ってくることができました。
0
あなたにおすすめの小説
野良犬ぽちの冒険
KAORUwithAI
児童書・童話
――ぼくの名前、まだおぼえてる?
ぽちは、むかし だれかに かわいがられていた犬。
だけど、ひっこしの日に うっかり わすれられてしまって、
気がついたら、ひとりぼっちの「のらいぬ」に なっていた。
やさしい人もいれば、こわい人もいる。
あめの日も、さむい夜も、ぽちは がんばって生きていく。
それでも、ぽちは 思っている。
──また だれかが「ぽち」ってよんでくれる日が、くるんじゃないかって。
すこし さみしくて、すこし あたたかい、
のらいぬ・ぽちの ぼうけんが はじまります。
まぼろしのミッドナイトスクール
木野もくば
児童書・童話
深夜0時ちょうどに突然あらわれる不思議な学校。そこには、不思議な先生と生徒たちがいました。飼い猫との最後に後悔がある青年……。深い森の中で道に迷う少女……。人間に恋をした水の神さま……。それぞれの道に迷い、そして誰かと誰かの想いがつながったとき、暗闇の空に光る星くずの方から学校のチャイムが鳴り響いてくるのでした。
笑いの授業
ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。
文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。
それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。
伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。
追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。
少年イシュタと夜空の少女 ~死なずの村 エリュシラーナ~
朔雲みう (さくもみう)
児童書・童話
イシュタは病の妹のため、誰も死なない村・エリュシラーナへと旅立つ。そして、夜空のような美しい少女・フェルルと出会い……
「昔話をしてあげるわ――」
フェルルの口から語られる、村に隠された秘密とは……?
☆…☆…☆
※ 大人でも楽しめる児童文学として書きました。明確な記述は避けておりますので、大人になって読み返してみると、また違った風に感じられる……そんな物語かもしれません……♪
※ イラストは、親友の朝美智晴さまに描いていただきました。
不幸でしあわせな子どもたち 「しあわせのふうせん」
山口かずなり
絵本
小説 不幸でしあわせな子どもたち
スピンオフ作品
・
ウルが友だちのメロウからもらったのは、
緑色のふうせん
だけどウルにとっては、いらないもの
いらないものは、誰かにとっては、
ほしいもの。
だけど、気づいて
ふうせんの正体に‥。
アリアさんの幽閉教室
柚月しずく
児童書・童話
この学校には、ある噂が広まっていた。
「黒い手紙が届いたら、それはアリアさんからの招待状」
招かれた人は、夜の学校に閉じ込められて「恐怖の時間」を過ごすことになる……と。
招待状を受け取った人は、アリアさんから絶対に逃れられないらしい。
『恋の以心伝心ゲーム』
私たちならこんなの楽勝!
夜の学校に閉じ込められた杏樹と星七くん。
アリアさんによって開催されたのは以心伝心ゲーム。
心が通じ合っていれば簡単なはずなのに、なぜかうまくいかなくて……??
『呪いの人形』
この人形、何度捨てても戻ってくる
体調が悪くなった陽菜は、原因が突然現れた人形のせいではないかと疑いはじめる。
人形の存在が恐ろしくなって捨てることにするが、ソレはまた家に現れた。
陽菜にずっと付き纏う理由とは――。
『恐怖の鬼ごっこ』
アリアさんに招待されたのは、美亜、梨々花、優斗。小さい頃から一緒にいる幼馴染の3人。
突如アリアさんに捕まってはいけない鬼ごっこがはじまるが、美亜が置いて行かれてしまう。
仲良し3人組の幼馴染に一体何があったのか。生き残るのは一体誰――?
『招かれざる人』
新聞部の七緒は、アリアさんの記事を書こうと自ら夜の学校に忍び込む。
アリアさんが見つからず意気消沈する中、代わりに現れたのは同じ新聞部の萌香だった。
強がっていたが、夜の学校に一人でいるのが怖かった七緒はホッと安心する。
しかしそこで待ち受けていたのは、予想しない出来事だった――。
ゾクッと怖くて、ハラハラドキドキ。
最後には、ゾッとするどんでん返しがあなたを待っている。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる