ねがい星、かない星

矢野 零時

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 その晩は、夜なのに昼のように明るい晩でした。
 まるいお月さまが空の真ん中に出ていたからです。お月さまは、いつもの倍の大きさになったかのように大きく見えました。でも、やさしい光はいつもと同じでした。その光を海にも港町にもふり注いでいました。
 さみしさを忘れるために、若者は飲めない酒を飲んで酔っぱらい、坂道をゆっくりと街から港に向かっておりていきました。月の光に若者の影は長くのびて、時々羽がついて鳥の姿に変わる時がありました。
 港に出た若者は、なつかしい海を見続けていました。人になってしまった今は、もう海の上を飛ぶことも、波の上に浮かぶこともできません。
 埠頭にたった若者に一人の少女が近づいてきました。気配を感じた若者は少女のほうに顔をむけました。若者はどこかで少女とであっていることに気づきました。
 でも、どこであったのか? 
 若者は思い出すことができません。
「そばにいてもいいですか?いえ、いさせてください」と、少女はいいました。
 若者は、少女の腕に、星に似たアザがついているのに気づきました。
 この少女は、カモメに助けてもらった小さなヒトデだったのです。ヒトデは、ヒトデのねがい星にねがいをかけ、かない星にしていたのでした。
 カモメの側にいたい、カモメといっしょに暮らしたいと・・。

 そして今、若者と少女は、みつめあっていました。






 
 
 
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感想 1

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みんなの感想(1件)

四方北男
2016.12.17 四方北男

優しい、優しい、優しすぎるカモメのお話ですね。ちょっと「幸福の王子とツバメ」のお話を思い出しました。これから佳境に入るところかと思います。TK

2016.12.23 矢野 零時

ここまで読んでいただき、有難うございます。
冬でクリスマスの時期なのに、夏のイメージの話を書いてしまいました。
後一話で、この物語は終わることにしておりますので、
さっそく、書いて公開をいたしたいと思います。

解除

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