王子だって、一体どうなるのか?物語

矢野 零時

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4 無言の教え

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 サムソンのところにも、忠司は自分の方から話を聞きに行った。
 だが、サムソンは何も言わなかった。だが行動がすべてを語ってくれた。

 忠司が何もしていない間に、親衛隊員は獣人たちが支配をしている町や村に行き、昔の町や村に戻すために獣人たちと戦ってくれていた。
 だが親衛隊員も剣で切られ、矢でいられたりして、怪我を負う者もでてくる。
 
 それらの者たちはすべてサムソンの診療所に運ばれてくるのだ。
   顔を見ると俺のために戦っていると言ってくれる。だが、それを当然のこととしては受け入れられない。

 それに俺が戦う場合の戦いは違う。
 オリハルコンの剣の力を借り、ノラ様の守護を受けている。守られすぎて差がありすぎる。

 だから、診療所に運ばれてきた隊員の手当てをしてくれるサムソンに感謝するしかない。
 俺のすべきことは、すぐに分かりだした。余計なことを言わずに、サムソンの手伝いをする。
 
 怪我をした隊員たちに強い酒を使って消毒をし包帯をまいてやった。
 手術を必要としている場合には、立ち合い補佐を行い、傷を針で縫うことも手伝わせてもらい、その技術も習得していった。
 血が不足する場合には、自分の血を提供してやった。俺はO型だから、誰でも輸血が可能だったからだ。
  
 サムソンは俺よりも、もっと人を愛していた。
 獣人も人だった。それを考えると彼らをも助けるべきだと考えていた。
 救う方法は一つしかない。獣人を人に戻すことだ。
 魔人グールが人間を獣人に変える方法は単なる魔法ではなく、そもそも薬草から作った薬品を使っているとサムソンは考えていたのだ。だから、獣人を人間に変えることも薬草の力でできると考えたのだ。
 そこで診療所のそばの庭を使い、集めてきたいろいろな薬草を育て捕虜にできた獣人に飲ませていた。
 そして、効果があると思う薬草を見つけだしたのだ。

 俺のすることは、サムソンの見つけた薬草を増やしてあげることだ。
 薬草の生えている畑に水をまき、雑草を取り除いてやる。それを今は毎朝やっている。







 











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