カオル、白魔女になります!

矢野 零時

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イバラの森大戦

24 昼前に

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「ごくろうだったね。これでしばらくの間、オードリが襲ってくることはないよ」と言って、おばあさんは集まってきたみんなに笑顔を向けていました。
 そんなおばあさんを見て、カオルも笑顔を浮かべました。
 やれることは、すべてやったと思っていたからです。
「おばあさん、もう家に戻ってもいいかしら?」
「そうだね。カオルは夏休みにしなければならない事があるんだろう。ここに来た時と同じ時間に戻ることができるから、それらをかたずけるのには十分な時間はあるよ」

「そうだ。お母さん、お昼におにぎりを作ってくれていたんだわ。お母さんの作ったおにぎり美味しいのよ」
「そうかい。それはよかった」
 そう言ったおばあさんは腰につけていたバッグからドアノブをとりだすと、城の壁におしつけました。すると、そこにドアができあがっていました。
「ここからカオルの部屋にいけるよ」と言って、おばあさんはドアを開けました。
 カオルはドアの中を覗き込んで、にっこりと笑いました。間違いなく、そこはカオルの部屋だったからです。
 
 氷の塊と化していたクマは、いまはカオルに抱かれ、氷からとけた水をしたたらせています。
「おばあさん、クマさん、私、もらってもいい? クマさんが私を助けてくれたのよ。だから、お守りにしたいの!」
「ああ~いいよ。白魔女として頑張ってくれたカオルに何かお礼をしたいと思っていたからね」

 ぬいぐるみのクマをリュックに入れて背負いなおすとカオルは自分の部屋に飛び込んでいきました。


(付記)
 ここまで、読んでくださった方、ありがとうございます。
 この後、カオルは新しい学校で頑張り、魔法使いとして新たな事件に向かっていきます。
 
 なお、
 アルファポリスの中に次のような作品もありますので、もしよろしければ、お読みいただければ
 幸いに存じます。

     「お兄ちゃんの部屋」
     
     「千年目の竜」
     
     「子ギツネ、くださいな」

    











                         












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