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決闘
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ユウキが抜刀と同時にクロスで攻撃する。
キクは大剣で防ぎ、冷静に動きを分析する。反撃に出ようとしたが、それよりも早くユウキの攻撃が来た。
「頑張れ~お兄ちゃん! 頑張れ~キクさーん!」
「どっちも応援してるよ」
サナは二人とも応援し、他の冒険者も酔っ払いながらも観戦し楽しむ。
一方闘いの方ではユウキがひたすら連撃を放っていた。
銀色の閃光が月明かりと人工の光に照らされる訓練場に火花に寄って寄り明るくしていた。
キクはその連撃の勢いに負け、ただ受ける事しか出来ず反撃に出れなかった。
「速っ!」
ミチカが驚愕し、アサシンの人も小さく驚いている。
しかし、サナの感想は違った。
「やっぱり刀には慣れて無いなー遅いぞーお兄ちゃん!」
「は、はいぃ? サナ何言ってんの? 刀が見えない程のスピードじゃん!」
「え? そうかな? お兄ちゃんの二刀流にしては遅いと思うけど⋯⋯それにキクさんも見えてるよ」
「まじか~ヒナミ見える?」
フルフルと横に顔を振るう。その目は必死に追える様に頑張っていた。
だが、ユウキの連撃を目で捉えているのはサナと等の本人、そして対戦相手のキクだけであった。
(一撃一撃が重い。それに速い。剣での攻撃は無理か)
キクは押されながらも冷静に考えていた。
魔物との戦いでは一手のミスだけでも大きく損害が出る可能性がある。
その為、戦闘では冷静に成れる様に特訓していたのだ。さらに、実践で鍛え上げられた集中力はユウキと並んでいた。
「サナ。あの人の攻撃避けれる?」
「私は一刀流だから、刀がめっちゃマッチしたから⋯⋯お兄ちゃんが刀を使うならギリギリかな? でも、お兄ちゃんって戦いの中で成長するからなぁ」
「あたんら、化け物過ぎでしょ」
「えーそんな事無いよ。まぁでもお兄ちゃんの初撃の連撃を突破した人はウチの部隊でも数人の上官達だけだったけど。主に師匠達だけど」
「弟子は師匠を越えれないのか⋯⋯」
「師匠達は越える事を望んでたけどね」
キクは大剣を右で手に持ち、左手側を大剣を挟んでユウキに向ける。
(こいつ⋯⋯目がガチなんだが)
ユウキの目は何かを殺す時の目だとキクは思う。
魔力を左手にも少し流し、それを外に出して固定する。
一定量溜まったらそれを大剣越しに放ち、衝撃波を放つ。
「がっ!」
吹き飛ばされるユウキはバク転して着地する。
すぐに肉薄して大剣を掲げるキク。そのまま空気を切り裂き電光石火の如き斬撃をユウキに向かって降ろす。
横にスライドステップして避けるが、それすらも想定済みかの様に大剣を横薙ぎに払う。
それを後ろに大きく跳んで躱した。
「え、何あれ! なんでお兄ちゃん飛ばされたの!」
「あれが魔力を使った技だよ。キクは魔法は苦手だけど、魔力操作では自分を上回るからね」
「ミチカを! まじか~」
互いに驚き、兄を仲間を自分のように自慢する。
そこでサナはとある事に気づいた。
「あれ? お兄ちゃんの刀⋯⋯やばいかも」
「どうしたの?」
「いや、大丈夫か。お兄ちゃん頑張れ~負けるなキクさん~」
「引き分け狙いか!」
キクは地を蹴って突き進み、それに寄って生み出されるベクトルを利用して大きく大剣をフルスイングで振るう。
対してユウキは大きくジャンプする事で躱すが、キクの大剣には光が纏われていた。
「吹き飛べ!」
そのまま大剣を振るい、光の斬撃を放つ。
躱す事は出来ないと判断したユウキは刀をクロスして防ぐ。
だが、その勢いは衰える事無く天へと上昇して行く。
夜だがはっきりと雲の上に行く事が見えた。
それから数秒後、加速して落下し着地したユウキ。
足が少し痺れているが、無理矢理動かした。
刀は二本とも鞘に収めていた。
「はああああああああ!」
「⋯⋯ッ!」
キクが大剣を縦に一閃する様に振るい、ユウキは二本の刀に手を掛ける。
距離や抜刀の速度、対峙する二人はゆっくりな時間の流れを感じていた。
キクは刀と大剣が衝突するイメージを強く持ち、力負けしない様に両手に魔力を集中させる。
だが、その予想とは裏腹にユウキは刀を抜かなった。
ユウキは腕を伸ばす。キクの腹に手を当て、短く呼吸する。
ドンッと鳴りキクは吹き飛ぶ。
予想外の一撃に受け身が取れず、地面に衝突して少しの間痙攣する。
(おお、発勁だ)
「何あれ! なんで! 内部に魔力を流して内部から攻撃する技はあるけど⋯⋯キクなら無意識に外部の魔力を自分の魔力で防げる筈! なんで!」
焦るミチカ。
(ああ、発勁の認識無いのか。黙っとこ)
サナは悟りを開いたかのように目を閉じた。
「ゲホゲホ。痛てぇ。こんな痛み久しぶりだな」
大剣を支えにして座るキクの口元には少しばかり血が流れていた。自分が放った攻撃も少しばかり反動して受けたようである。
黒星のハンターが負けたその光景に唖然とする野次馬達。
そんな中でもユウキは歩き出し、回復薬を差し出した。
「助かる。内蔵が痛いんでね」
「すみません」
「いや。謝る必要は無い。アタシが弱かっただけだ。あーあー、村出る時に男には負けねぇーって誓ったのに。なんで魔力操作もロクに出来て無いし技も使ってない人に負けっかな~何もんだよ、お前」
「ただの滅んだ国の軍人ですよ」
大の字に倒れて涙を堪えるかのように月を眺める。
届かぬ月へと手を伸ばして過去を一瞬思い出し、敗北を噛み締めた笑みを浮かべる。
「なんでそんな強いんだよ」
「俺は対して強く無いですよ。先生が良かった様です」
「やっぱ教わった人が居るのか。なんで刀を抜かなかった? それが狙いか?」
「あー、まぁそれもあるんですが、そうするしか無かったんですよね」
「え?」
刀を抜き取るユウキ。そこには刀であって刀では無い物があった。
刀身がポッキリと折れた刀である。
「まさか攻撃を防ぐのと変わりに二本の刀がおじゃんに成るとは⋯⋯」
遠い目をするユウキ。
刀での攻撃は出来ないので慣れた武術を使ったのだ。その際に少しでも成功率を上げるためにフェイントを掛けた。
「お兄ちゃん~! 何してんのさ!」
「いやーあの飛来する斬撃を防いだら粉々に成っちゃった」
「成っちゃった⋯⋯じゃないよ! それ二日前に貰った物だよ?! すぐに壊し過ぎだよ!」
「違うんだ言い訳させてくれ! 俺はこれでも武器を大切にする方だぞ! サナだって知ってるだろ? 今回は手入れする前に色々と扱ってしまったから⋯⋯」
「もっと丁寧に扱いなよー」
「扱ったさ! ただ、アイランドタートルに使ったら相手を傷付ける事無く刃こぼれを始めまして⋯⋯」
「えー」
心底呆れた顔をするサナ。だが、すぐにキクに振り返る。
「キクさんの武器は大丈夫ですか?」
「ああ。アタシの武器は練習に行ったダンジョンからたまたま入手した過去の遺産、遺物だからな。壊れやしないよ」
「「何それずるい」」
「防御不可の攻撃して来た相手に言われたくないな!」
そして、寄り仲良く成ったユウキ達はキク達のダンジョンの話しや神々が創り出したと言われている武具の話を聞いた。
翌日、旅時を遅らせてウエイトレス家が推薦した鍛冶師に武器の修復等を頼んだ。
その時にアイランドタートルの魔石と甲羅を素材提供し、残りの素材費等を渡した。
刀を二本折った事実を聞いたウエイトレス家の現当主は口をパクパクさせ、ミリアはポカーンとするのだった。
キクは大剣で防ぎ、冷静に動きを分析する。反撃に出ようとしたが、それよりも早くユウキの攻撃が来た。
「頑張れ~お兄ちゃん! 頑張れ~キクさーん!」
「どっちも応援してるよ」
サナは二人とも応援し、他の冒険者も酔っ払いながらも観戦し楽しむ。
一方闘いの方ではユウキがひたすら連撃を放っていた。
銀色の閃光が月明かりと人工の光に照らされる訓練場に火花に寄って寄り明るくしていた。
キクはその連撃の勢いに負け、ただ受ける事しか出来ず反撃に出れなかった。
「速っ!」
ミチカが驚愕し、アサシンの人も小さく驚いている。
しかし、サナの感想は違った。
「やっぱり刀には慣れて無いなー遅いぞーお兄ちゃん!」
「は、はいぃ? サナ何言ってんの? 刀が見えない程のスピードじゃん!」
「え? そうかな? お兄ちゃんの二刀流にしては遅いと思うけど⋯⋯それにキクさんも見えてるよ」
「まじか~ヒナミ見える?」
フルフルと横に顔を振るう。その目は必死に追える様に頑張っていた。
だが、ユウキの連撃を目で捉えているのはサナと等の本人、そして対戦相手のキクだけであった。
(一撃一撃が重い。それに速い。剣での攻撃は無理か)
キクは押されながらも冷静に考えていた。
魔物との戦いでは一手のミスだけでも大きく損害が出る可能性がある。
その為、戦闘では冷静に成れる様に特訓していたのだ。さらに、実践で鍛え上げられた集中力はユウキと並んでいた。
「サナ。あの人の攻撃避けれる?」
「私は一刀流だから、刀がめっちゃマッチしたから⋯⋯お兄ちゃんが刀を使うならギリギリかな? でも、お兄ちゃんって戦いの中で成長するからなぁ」
「あたんら、化け物過ぎでしょ」
「えーそんな事無いよ。まぁでもお兄ちゃんの初撃の連撃を突破した人はウチの部隊でも数人の上官達だけだったけど。主に師匠達だけど」
「弟子は師匠を越えれないのか⋯⋯」
「師匠達は越える事を望んでたけどね」
キクは大剣を右で手に持ち、左手側を大剣を挟んでユウキに向ける。
(こいつ⋯⋯目がガチなんだが)
ユウキの目は何かを殺す時の目だとキクは思う。
魔力を左手にも少し流し、それを外に出して固定する。
一定量溜まったらそれを大剣越しに放ち、衝撃波を放つ。
「がっ!」
吹き飛ばされるユウキはバク転して着地する。
すぐに肉薄して大剣を掲げるキク。そのまま空気を切り裂き電光石火の如き斬撃をユウキに向かって降ろす。
横にスライドステップして避けるが、それすらも想定済みかの様に大剣を横薙ぎに払う。
それを後ろに大きく跳んで躱した。
「え、何あれ! なんでお兄ちゃん飛ばされたの!」
「あれが魔力を使った技だよ。キクは魔法は苦手だけど、魔力操作では自分を上回るからね」
「ミチカを! まじか~」
互いに驚き、兄を仲間を自分のように自慢する。
そこでサナはとある事に気づいた。
「あれ? お兄ちゃんの刀⋯⋯やばいかも」
「どうしたの?」
「いや、大丈夫か。お兄ちゃん頑張れ~負けるなキクさん~」
「引き分け狙いか!」
キクは地を蹴って突き進み、それに寄って生み出されるベクトルを利用して大きく大剣をフルスイングで振るう。
対してユウキは大きくジャンプする事で躱すが、キクの大剣には光が纏われていた。
「吹き飛べ!」
そのまま大剣を振るい、光の斬撃を放つ。
躱す事は出来ないと判断したユウキは刀をクロスして防ぐ。
だが、その勢いは衰える事無く天へと上昇して行く。
夜だがはっきりと雲の上に行く事が見えた。
それから数秒後、加速して落下し着地したユウキ。
足が少し痺れているが、無理矢理動かした。
刀は二本とも鞘に収めていた。
「はああああああああ!」
「⋯⋯ッ!」
キクが大剣を縦に一閃する様に振るい、ユウキは二本の刀に手を掛ける。
距離や抜刀の速度、対峙する二人はゆっくりな時間の流れを感じていた。
キクは刀と大剣が衝突するイメージを強く持ち、力負けしない様に両手に魔力を集中させる。
だが、その予想とは裏腹にユウキは刀を抜かなった。
ユウキは腕を伸ばす。キクの腹に手を当て、短く呼吸する。
ドンッと鳴りキクは吹き飛ぶ。
予想外の一撃に受け身が取れず、地面に衝突して少しの間痙攣する。
(おお、発勁だ)
「何あれ! なんで! 内部に魔力を流して内部から攻撃する技はあるけど⋯⋯キクなら無意識に外部の魔力を自分の魔力で防げる筈! なんで!」
焦るミチカ。
(ああ、発勁の認識無いのか。黙っとこ)
サナは悟りを開いたかのように目を閉じた。
「ゲホゲホ。痛てぇ。こんな痛み久しぶりだな」
大剣を支えにして座るキクの口元には少しばかり血が流れていた。自分が放った攻撃も少しばかり反動して受けたようである。
黒星のハンターが負けたその光景に唖然とする野次馬達。
そんな中でもユウキは歩き出し、回復薬を差し出した。
「助かる。内蔵が痛いんでね」
「すみません」
「いや。謝る必要は無い。アタシが弱かっただけだ。あーあー、村出る時に男には負けねぇーって誓ったのに。なんで魔力操作もロクに出来て無いし技も使ってない人に負けっかな~何もんだよ、お前」
「ただの滅んだ国の軍人ですよ」
大の字に倒れて涙を堪えるかのように月を眺める。
届かぬ月へと手を伸ばして過去を一瞬思い出し、敗北を噛み締めた笑みを浮かべる。
「なんでそんな強いんだよ」
「俺は対して強く無いですよ。先生が良かった様です」
「やっぱ教わった人が居るのか。なんで刀を抜かなかった? それが狙いか?」
「あー、まぁそれもあるんですが、そうするしか無かったんですよね」
「え?」
刀を抜き取るユウキ。そこには刀であって刀では無い物があった。
刀身がポッキリと折れた刀である。
「まさか攻撃を防ぐのと変わりに二本の刀がおじゃんに成るとは⋯⋯」
遠い目をするユウキ。
刀での攻撃は出来ないので慣れた武術を使ったのだ。その際に少しでも成功率を上げるためにフェイントを掛けた。
「お兄ちゃん~! 何してんのさ!」
「いやーあの飛来する斬撃を防いだら粉々に成っちゃった」
「成っちゃった⋯⋯じゃないよ! それ二日前に貰った物だよ?! すぐに壊し過ぎだよ!」
「違うんだ言い訳させてくれ! 俺はこれでも武器を大切にする方だぞ! サナだって知ってるだろ? 今回は手入れする前に色々と扱ってしまったから⋯⋯」
「もっと丁寧に扱いなよー」
「扱ったさ! ただ、アイランドタートルに使ったら相手を傷付ける事無く刃こぼれを始めまして⋯⋯」
「えー」
心底呆れた顔をするサナ。だが、すぐにキクに振り返る。
「キクさんの武器は大丈夫ですか?」
「ああ。アタシの武器は練習に行ったダンジョンからたまたま入手した過去の遺産、遺物だからな。壊れやしないよ」
「「何それずるい」」
「防御不可の攻撃して来た相手に言われたくないな!」
そして、寄り仲良く成ったユウキ達はキク達のダンジョンの話しや神々が創り出したと言われている武具の話を聞いた。
翌日、旅時を遅らせてウエイトレス家が推薦した鍛冶師に武器の修復等を頼んだ。
その時にアイランドタートルの魔石と甲羅を素材提供し、残りの素材費等を渡した。
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