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我と契約して勇者に成ってよ
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宝箱が無さ過ぎて途中途中でスライムを倒していたら、とあるモノを発見した。
それは下の階に続く階段。
「ダンジョンって平面だけじゃなかったのか?」
何故階段があるのか、とても気になる。
そもそもこれまで成果なんてなかった。時間はまだある。
それにヒノの移動スピードなら高低差もあまり関係ない。
「行くか」
ヒノにぶら下がりながら、下の階へと降りた。
見た目は一階とあまり変わらない。
モンスターも⋯⋯外の動物に近いモンスターに変わっていた。
ライオン、虎、ゴリラなどなど。
だが、飛行系のモンスターが居ないなら問題ない。
「見よ、モンスターがゴミの様だ! ちょ、壁走って来んな! 魔法使って来んな! ヒノ猛ダッシュううう!」
見た目は動物、中身は化け物。
私なんて攻撃スキル一つも無いのに、この卑怯者共が。
こちらと制空権握ってんぞ? なのに私の方がピンチって有り得んだろ。有り得ているのですがね。
「そう言えば、ヒノのレベルが3に上がってスキル増えたよね。今のうちに見ておくか。ヒノ、攻撃されたらきちんと避けてね」
【収納空間】と言うスキルが増えていた。
チャックの所から枕内部の亜空間に物を収納出来るらしい。後、中は時間が止まっているみたい。生きている生物は仕舞えない、ね。
そして、ヒノはサイズを自由に変える事が出来る為、あまり大きさ気にしなくても良い。
「便利に成ったねヒノ。頼りにしてるぞ」
撫でると喜ぶ様にぽわぽわ動く。やっぱりちょっと可愛い。
そのまま一直線に進んで行く。分かれ道とかは適当に左に進んで行く。帰りも分かりやすい。
ヒノの瞬間記憶能力があれば、わざわざ覚えておく必要も無いけど。
そして、私達は壁に当たった。何時もなら引き返しているのだが、その壁は異質だった。
人の顔のような模様があったのだ。
「キモッ。写メ撮っとこ」
バズるかな? 私SNSやってないわ。てか今スマホ無いわ。
これからやろうかな? 『枕育成日記』って感じで。流行るか?
「少女よ」
「高校生って少女なのか? ま、私しかいないか。何?」
「呑み込みが早いな」
「そろそろ制限時間なんだね。話は早く終わらせて欲しい」
目の前の模様の口が動く。正直、超キモかった。
今すぐに引き返したい気持ちを抑える。
あれだ、風呂場に湧いたゴキブリ的なキモさがある。
「ここに魔物はやってこん。地に立つが良い」
「無理」
「え?」
「その確信が持てるまで絶対に降りません。降りた先が落とし穴が出て来るトラップがあるかもしれないし。貴方の事を信用している訳では無い。降りてそのまま殺されるなんて嫌だ」
「そうか。うむ。分かった。まず、この世界の⋯⋯」
「興味無い。早くしろと言った。要件だけ手短に話して」
模様がとても複雑な表情をしている。結構色々と動く壁。気持ち悪いにも程がある。
にしても私、人間以外ならここまでハキハキ喋れるんだ。
これから人間イコール壁と思って生活しようかな。動く壁か、ナシだな。
「分かった。喜べ時代の勇者よ! 主は勇者として選ばれた! 我と契約し、来る『最悪』に備えるのだ!」
「知らんよ」
「え?」
「来る最悪だぁ? 興味無いね。帰るわ」
「ちょっと待て!」
止められたので止まる。ヒノがくるりと回って再び私は模様の顔面を見る。
「勇者は500年に一度、才能がある人が選ばれる。その一人が君だ。その神器が証拠だ」
「ふーん」
その一人⋯⋯他にも居るようだ。
「そして、来る時、この世界は滅ぶ。それを塞ぐ為、君達勇者の力が必要なのだ」
「なんで? 貴方は私達よりも高次元の存在ですよね? だったら貴方がやれば良くないですか? 効率や安全性も考えてそっちの方が確実ですよね?」
「それは無理だ。我々はこの世に干渉してはダメなのだ」
「契約と言っていた時点で干渉する気ありますよね? わざわざ人を介す必要ありますか?」
「そこは複雑なのだ。人間には分からない程にな!」
「人間を軽視するくらいならこんな世界滅んでも問題ないですよね? わざわざ滅ぶのに努力する必要ありますか? 滅んだら皆、無に返しますよね? 一人で死ぬのは嫌ですが、皆まとめてなら納得出来ます」
「奴隷にされるかもだぞ!」
「その時は戦います。勇者だの興味無いです。わざわざ危険を犯してまで戦いたくないです。以上です」
そのまま踵を返した。
「我はこの迷宮を知り尽くしている! 必要なら、この中にある道具の情報を与えよう!」
「そんな話に耳を貸すのは馬鹿のする事」
「そ、そうか」
「そして! 私はそんな馬鹿な子です」
「⋯⋯」
相手は少しイライラした雰囲気を醸し出している。
私がダンジョンに来ているのは戦いたいから、強くないりたいからでは無い。金が欲しいのだ。
何よりも金が欲しいのだ。後は、自分が変われるきっかけが欲しかったのだ。
だからと言って勇者と成って世界平和の為に戦って欲しい。そう言われても困る。
契約なんて怪しいにも程がある。
「まずは勇者に選ばれておめでとう。ここは勇者に対してのサポート契約と最初の武器を与える場所だ」
「ん? 待って。なら、全然アイテムも武器も見つから無いのって」
「あぁ。ここに来てからが本番、道具などは更に奥から用意されている。武器は専用のしかない」
「⋯⋯なんで、モンスターは人を襲うの」
「そう言う習性だ」
「もしもその勇者ってのが、ここのモンスターで殺られたら?」
「それまでの存在だ」
なーるほど。分かった分かった。
よーく分かりました。
「この世界について記した本だ。それをやろう」
受け取り、そのままヒノに食べさせる。
収納空間があるので後からでも取り出し可能。読むとは言ってない。
「そして、この三つの中から君の武器を選ぶが良い! 神器と共に育て、来る最悪に備えよ! ちなみに武器のベースは使用者に最も合う形だ」
出て来たのは剣。
私に合った武器なんてあるのだろうか? だけど、剣では無いだろ。
もっとリーチが長い武器とかさ、遠距離武器が良かったな。連射可能な対物ライフとか。ダンジョン内では銃の使用が不可能らしいけど。
遠距離の安全圏からちまちま攻撃して倒したい。
ウィンドウ画面が出て来て、詳細確認が出来た。
◆
正義の聖剣
レベル:1
スキル:【破壊不可能】【聖属性魔法Lv1】【腐属性特攻Lv1】【回復魔法Lv1】【成長加速】
正義を司る聖剣。意志を持つ。腐属性に対して特攻を持っている。悪を罰せし、正義を守り、他者を癒す剣。成長する。
◆
◇
血飢えた魔剣
レベル:1
スキル:【破壊不可能】【血液保存】【吸血Lv1】【自己再生Lv1】【成長加速】
血を好み血を吸う魔剣。意志を持つ。血に飢えており、少しでも飢餓を迎えると耐えれず使用者の血を吸おうとする。血を吸い、いくらでも内部に保存出来る。保存した血を使って使用者を回復させる事が出来る。成長する。
◆
◇
時空の剣
レベル:1
スキル:【破壊不可能】【分裂分離】【時間切断Lv1】【空間切断Lv1】【成長加速】
時間と空間を斬る事を可能にした剣。本来は一本だが、分裂して二本の剣として扱える。紅く時計の模様がある剣は時間を斬り、蒼く歪んだ模様がある剣は空間を斬る。
◆
「(ま、誰がどう見ても選ぶのは時空の剣。歴代もその剣を選んでいた。いやーこの剣が来るとは。我は安泰だな。良い相手が来たモノだ)」
何か誇らしげな模様を置いて、私は禍々しい赤黒のブラッド・シュヴェールトと言う厨二満開の剣を手に取った。
「私にはこれが良いよね」
「なんでぇぇぇぇぇえええ!」
それは下の階に続く階段。
「ダンジョンって平面だけじゃなかったのか?」
何故階段があるのか、とても気になる。
そもそもこれまで成果なんてなかった。時間はまだある。
それにヒノの移動スピードなら高低差もあまり関係ない。
「行くか」
ヒノにぶら下がりながら、下の階へと降りた。
見た目は一階とあまり変わらない。
モンスターも⋯⋯外の動物に近いモンスターに変わっていた。
ライオン、虎、ゴリラなどなど。
だが、飛行系のモンスターが居ないなら問題ない。
「見よ、モンスターがゴミの様だ! ちょ、壁走って来んな! 魔法使って来んな! ヒノ猛ダッシュううう!」
見た目は動物、中身は化け物。
私なんて攻撃スキル一つも無いのに、この卑怯者共が。
こちらと制空権握ってんぞ? なのに私の方がピンチって有り得んだろ。有り得ているのですがね。
「そう言えば、ヒノのレベルが3に上がってスキル増えたよね。今のうちに見ておくか。ヒノ、攻撃されたらきちんと避けてね」
【収納空間】と言うスキルが増えていた。
チャックの所から枕内部の亜空間に物を収納出来るらしい。後、中は時間が止まっているみたい。生きている生物は仕舞えない、ね。
そして、ヒノはサイズを自由に変える事が出来る為、あまり大きさ気にしなくても良い。
「便利に成ったねヒノ。頼りにしてるぞ」
撫でると喜ぶ様にぽわぽわ動く。やっぱりちょっと可愛い。
そのまま一直線に進んで行く。分かれ道とかは適当に左に進んで行く。帰りも分かりやすい。
ヒノの瞬間記憶能力があれば、わざわざ覚えておく必要も無いけど。
そして、私達は壁に当たった。何時もなら引き返しているのだが、その壁は異質だった。
人の顔のような模様があったのだ。
「キモッ。写メ撮っとこ」
バズるかな? 私SNSやってないわ。てか今スマホ無いわ。
これからやろうかな? 『枕育成日記』って感じで。流行るか?
「少女よ」
「高校生って少女なのか? ま、私しかいないか。何?」
「呑み込みが早いな」
「そろそろ制限時間なんだね。話は早く終わらせて欲しい」
目の前の模様の口が動く。正直、超キモかった。
今すぐに引き返したい気持ちを抑える。
あれだ、風呂場に湧いたゴキブリ的なキモさがある。
「ここに魔物はやってこん。地に立つが良い」
「無理」
「え?」
「その確信が持てるまで絶対に降りません。降りた先が落とし穴が出て来るトラップがあるかもしれないし。貴方の事を信用している訳では無い。降りてそのまま殺されるなんて嫌だ」
「そうか。うむ。分かった。まず、この世界の⋯⋯」
「興味無い。早くしろと言った。要件だけ手短に話して」
模様がとても複雑な表情をしている。結構色々と動く壁。気持ち悪いにも程がある。
にしても私、人間以外ならここまでハキハキ喋れるんだ。
これから人間イコール壁と思って生活しようかな。動く壁か、ナシだな。
「分かった。喜べ時代の勇者よ! 主は勇者として選ばれた! 我と契約し、来る『最悪』に備えるのだ!」
「知らんよ」
「え?」
「来る最悪だぁ? 興味無いね。帰るわ」
「ちょっと待て!」
止められたので止まる。ヒノがくるりと回って再び私は模様の顔面を見る。
「勇者は500年に一度、才能がある人が選ばれる。その一人が君だ。その神器が証拠だ」
「ふーん」
その一人⋯⋯他にも居るようだ。
「そして、来る時、この世界は滅ぶ。それを塞ぐ為、君達勇者の力が必要なのだ」
「なんで? 貴方は私達よりも高次元の存在ですよね? だったら貴方がやれば良くないですか? 効率や安全性も考えてそっちの方が確実ですよね?」
「それは無理だ。我々はこの世に干渉してはダメなのだ」
「契約と言っていた時点で干渉する気ありますよね? わざわざ人を介す必要ありますか?」
「そこは複雑なのだ。人間には分からない程にな!」
「人間を軽視するくらいならこんな世界滅んでも問題ないですよね? わざわざ滅ぶのに努力する必要ありますか? 滅んだら皆、無に返しますよね? 一人で死ぬのは嫌ですが、皆まとめてなら納得出来ます」
「奴隷にされるかもだぞ!」
「その時は戦います。勇者だの興味無いです。わざわざ危険を犯してまで戦いたくないです。以上です」
そのまま踵を返した。
「我はこの迷宮を知り尽くしている! 必要なら、この中にある道具の情報を与えよう!」
「そんな話に耳を貸すのは馬鹿のする事」
「そ、そうか」
「そして! 私はそんな馬鹿な子です」
「⋯⋯」
相手は少しイライラした雰囲気を醸し出している。
私がダンジョンに来ているのは戦いたいから、強くないりたいからでは無い。金が欲しいのだ。
何よりも金が欲しいのだ。後は、自分が変われるきっかけが欲しかったのだ。
だからと言って勇者と成って世界平和の為に戦って欲しい。そう言われても困る。
契約なんて怪しいにも程がある。
「まずは勇者に選ばれておめでとう。ここは勇者に対してのサポート契約と最初の武器を与える場所だ」
「ん? 待って。なら、全然アイテムも武器も見つから無いのって」
「あぁ。ここに来てからが本番、道具などは更に奥から用意されている。武器は専用のしかない」
「⋯⋯なんで、モンスターは人を襲うの」
「そう言う習性だ」
「もしもその勇者ってのが、ここのモンスターで殺られたら?」
「それまでの存在だ」
なーるほど。分かった分かった。
よーく分かりました。
「この世界について記した本だ。それをやろう」
受け取り、そのままヒノに食べさせる。
収納空間があるので後からでも取り出し可能。読むとは言ってない。
「そして、この三つの中から君の武器を選ぶが良い! 神器と共に育て、来る最悪に備えよ! ちなみに武器のベースは使用者に最も合う形だ」
出て来たのは剣。
私に合った武器なんてあるのだろうか? だけど、剣では無いだろ。
もっとリーチが長い武器とかさ、遠距離武器が良かったな。連射可能な対物ライフとか。ダンジョン内では銃の使用が不可能らしいけど。
遠距離の安全圏からちまちま攻撃して倒したい。
ウィンドウ画面が出て来て、詳細確認が出来た。
◆
正義の聖剣
レベル:1
スキル:【破壊不可能】【聖属性魔法Lv1】【腐属性特攻Lv1】【回復魔法Lv1】【成長加速】
正義を司る聖剣。意志を持つ。腐属性に対して特攻を持っている。悪を罰せし、正義を守り、他者を癒す剣。成長する。
◆
◇
血飢えた魔剣
レベル:1
スキル:【破壊不可能】【血液保存】【吸血Lv1】【自己再生Lv1】【成長加速】
血を好み血を吸う魔剣。意志を持つ。血に飢えており、少しでも飢餓を迎えると耐えれず使用者の血を吸おうとする。血を吸い、いくらでも内部に保存出来る。保存した血を使って使用者を回復させる事が出来る。成長する。
◆
◇
時空の剣
レベル:1
スキル:【破壊不可能】【分裂分離】【時間切断Lv1】【空間切断Lv1】【成長加速】
時間と空間を斬る事を可能にした剣。本来は一本だが、分裂して二本の剣として扱える。紅く時計の模様がある剣は時間を斬り、蒼く歪んだ模様がある剣は空間を斬る。
◆
「(ま、誰がどう見ても選ぶのは時空の剣。歴代もその剣を選んでいた。いやーこの剣が来るとは。我は安泰だな。良い相手が来たモノだ)」
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