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一章 転生と心
ドラゴン戦
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陰の技術を頑張って覚えながら移動をして数日。陰の技術では無いが、一応近接や弓で戦える術をヒスイにも教えている。
そんな日の飛んでいる中、遠くに大きく飛ぶ生物が目視で確認出来た。
「なんだあれ?」
「何でしようかね」
俺は右手を双眼鏡に変えてその生物をきちんと確認する。
赤色の鱗をして、翼を大きく広げて飛んでいる。
鋭利で凶悪な爪に、羽毛ではなくリザードマンのような鱗を持っている。
長く太い尻尾が風の流れを表していた。
その事をヒスイに話したら、急に停止した。
「どうした?」
「それって、レッサーレッドドラゴンじゃないですか!」
「なんだそれ?」
「最弱のドラゴン種の一体ですよ!」
「最弱ならそんなに慌てる程じゃないくないか?」
「いやいや! それはドラゴン種の中で最弱なだけで、一匹でも村を壊滅に追い込める程の力を持っているんですよ!」
「⋯⋯そんなに強いの?」
俺はドラゴンに指を向けながらそう言う。
「強いですよ!」
「そうなんだな」
「と言うか、なんでこんな所にドラゴンが?」
「おかしいのか?」
「ドラゴンはその系統のドラゴン達と群れを成して特定の場所で静かに暮らすんですよ。確かに凶悪で人が住むこの場所に来るドラゴンは居ますが⋯⋯とっても稀で⋯⋯倒せる人も限られているし⋯⋯だから素材も高いんですよ。逃げましょう!」
「でも、あの方向は獣王国だよな?」
「大丈夫でしょう! 遠回りして行きましょう!」
「戦おうよ」
「いやいや。危険ですって」
ヒスイに向き直って親指を掲げる。
「危険なくて強くは成れない。目の前に強くなれるきっかけがあるなら、俺はそれに食らいつく!」
「なんでそんなドヤ顔で言うんですか! 危険ですよ!」
「大丈夫。勝算は一応ある。行くぞ!」
「危険です⋯⋯ってもう行ったし!」
飛びながら俺はドラゴンに付いて詳しく聞いた。
ドラゴンと言う種族は原初として三つ存在した。
空間龍、時間龍、反転龍である。その三体から溢れる魔力から他の属性を持ったドラゴンが現れ、そこからどんどん派生されて行った。
「ダイパ」
「へ?」
「いやなんでも」
そう言う原初は色んな所に存在する。
精霊では風などの現象が始まり。
悪魔はざっくり言えば大罪、天使は美徳が始まりだとされているらしい。
実際、“レッサーレッドドラゴン”の上のドラゴン種は多いらしい。
強くなるには一歩一歩進むしかない。
しかも、ドラゴンはリザードマンにも近い物がある。逆か?
つまり、亜種のあのリザードマンのダイアモンドのような鱗とドラゴンの鱗を組み合わせる事が可能な筈だ。
『レッサー』なら子供だろう、つまりは経験が少ない可能性がある。
「大丈夫だ。問題ない」
ただ、だんだんと近づいて、俺の目で完璧に捉える事が出来た。
そして、ドラゴンの姿に変身出来るようになり、様々な変身先が増えた。
自動四輪車に変身出来るように成った。小さめの奴だけどね。
チラッとドラゴンさんがこっちを向いて、目が見えた。それで目も変えられる。
したらやる事は決まってる。スキル確認じゃ!
右目をドラゴンのに変更!
「あぅ」
「大丈夫ですか!」
飛んでいるけど、立ちくらみを起こして少し落ちる。
ヒスイが体を支えてくれたので、感謝を述べてドラゴンを見る。
「ドラゴンの視力良すぎ」
一気に視界がクリアになり、集中していた事もあり、ドラゴンの鱗一枚一枚が見えて酔ったのだ。
もう慣れたので問題は無いが、こんな事が起こるなんてびっくりだ。
「スキルも多いな。ヒスイ、援護よろしく」
「え、ちょっと! ま、魔法で頑張りますよ! 短剣とか、弓矢とか、意味無いと思うので! きーてますか! 聞いてないなありゃ」
俺は素早く飛んでドラゴンの前に踊り立つ。
体躯の関係でなかなか前に出れなかったが、空気抵抗も少ない俺がなんとか前に出れた。
前に出た事により、ドラゴンの動きが止まった。
「と言うかコイツ、“レッドフレアドラゴン”らしいぞ。全く」
レッサーじゃない。
『ガアアアアアアアアア』
「パッシブも多いし、なかなか良いな」
まぁ別に倒す必要は無い。スキルを出させて、住処に返せば良いのだ。
俺が欲しいのはスキルと技術だ。
俺に敵意が無い事を察しているのか、ドラゴンも攻撃を仕掛けて来ない。
『⋯⋯ガアアア』
「くっ!」
頭にメッセージが流れて来た。こいつのスキルに【念話】は無かった。これは魔法だ。
つまり、相手の脳内に直接言葉を流せる魔法が使える程の技術者。
戦ってみたい感じがする。まぁ、そうなるようだが。
俺の頭に流れて来たのは、簡潔な一言。
『殺せ』
その中に含まれている感情は『懇願』である。
どんな理由かは不明だが、徐々に相手の目から殺意が出ているので戦うのだが。
と言うか、本当にこのまま行けば獣王国に向かう事になる。
『ガアアアアアア!!』
「全力で戦おう。ドラゴンさんよ!」
口に溜めた火を一気に放って来る。火炎放射ではなく、火のブレスだ。
俺の右の掌に穴が出現する。
「消火剤、強化液、霧状、【放水】!」
消火器とホースを利用した武器的な何かだ。
俺はスライムに無限の可能性を感じた。液体プラススライムでやると色々なスライムに変わる。
それにより手に入れたスキル【放水】。
さらに、スキルを軸に変身先を配合する事も可能だった。
それによって出来たのがこれである。
多分、骨があったらホースのような骨が出来、掌には放射する部分がある。
体の奥底から魔力が消える感じがし、それが消火剤に変わる。
ドラゴンのブレスと衝突して、火を俺にへと向けさせない。
ブレスが意味無いと分かったドラゴンは、殺気しか込められてない瞳を向けて迫って来る。
さっきまでの自我も知性も何も感じない。暴れん坊のドラゴン。
「さっきのはなんだったんだよ」
純粋な疑問を口にして、ドラゴンは魔力で伸ばした炎の爪を振るう。
こんなスキルは無かった。魔法のような雰囲気もない。
そもそも知性のある気配も無い奴が高度な技術の魔法が使えるのだろうか?
予想だが、こいつがやったのは【炎の鎧】と【龍の爪】を組み合わせたモノだろう。
スキルとスキルを組み合わせる⋯⋯なかなかに良い。
「おっと」
しかも、魔力で伸ばした爪は【風斬り】のように放って使えるらしい。
しかし、火の耐性は目の前のドラゴンのパッシブによりかなり高い。
ギリギリで避けたが、全く火のダメージを感じない。
【炎の鎧】は色々な所で使えそうだ。
『ガアアアアアア!』
再びのブレス。これもスキルの一部だろう。
しかし、どのスキルか判断が付かない。
何故なら、ブレスのスキルは複数あるからだ。
【ファイヤーブレス】【フレアブレス】【バーニングブレス】の三種類だ。
理解度を確認出来たら一発なのだが、それも今は余裕が無い。
「これはどうだ? ガソリン【放水】」
目の前で大爆発が起き、吹き飛ばされる。
ヒスイは離れた場所で詠唱をしているので、巻き込まれないように考えて行動する。
「ワオ」
あいつ、自分の放った魔力の火とガソリンで増えた爆炎を吸ってやがる。
【火炎喰らい】と言うスキルだろう。本当に多彩だ。
しかも、爆破に寄って与えた微々たるダメージも回復してやがる。
その場所には火が少しだけ灯っていた。
【火再生】と言う奴だろう。
爪の攻撃や尻尾の攻撃にもスキルがあり、補正がある筈だ。
「これは⋯⋯面白いね!」
あぁ、本当に感情豊かだな。戦闘で簡単に笑みが顔に浮かんで来る。
笑みを浮かべる度に子供達の顔がチラつく。
あの傭兵との戦い以来、ゾーン的なモノには入ってない。
あの最速の動きを出すのは難しいようだ。
そんな日の飛んでいる中、遠くに大きく飛ぶ生物が目視で確認出来た。
「なんだあれ?」
「何でしようかね」
俺は右手を双眼鏡に変えてその生物をきちんと確認する。
赤色の鱗をして、翼を大きく広げて飛んでいる。
鋭利で凶悪な爪に、羽毛ではなくリザードマンのような鱗を持っている。
長く太い尻尾が風の流れを表していた。
その事をヒスイに話したら、急に停止した。
「どうした?」
「それって、レッサーレッドドラゴンじゃないですか!」
「なんだそれ?」
「最弱のドラゴン種の一体ですよ!」
「最弱ならそんなに慌てる程じゃないくないか?」
「いやいや! それはドラゴン種の中で最弱なだけで、一匹でも村を壊滅に追い込める程の力を持っているんですよ!」
「⋯⋯そんなに強いの?」
俺はドラゴンに指を向けながらそう言う。
「強いですよ!」
「そうなんだな」
「と言うか、なんでこんな所にドラゴンが?」
「おかしいのか?」
「ドラゴンはその系統のドラゴン達と群れを成して特定の場所で静かに暮らすんですよ。確かに凶悪で人が住むこの場所に来るドラゴンは居ますが⋯⋯とっても稀で⋯⋯倒せる人も限られているし⋯⋯だから素材も高いんですよ。逃げましょう!」
「でも、あの方向は獣王国だよな?」
「大丈夫でしょう! 遠回りして行きましょう!」
「戦おうよ」
「いやいや。危険ですって」
ヒスイに向き直って親指を掲げる。
「危険なくて強くは成れない。目の前に強くなれるきっかけがあるなら、俺はそれに食らいつく!」
「なんでそんなドヤ顔で言うんですか! 危険ですよ!」
「大丈夫。勝算は一応ある。行くぞ!」
「危険です⋯⋯ってもう行ったし!」
飛びながら俺はドラゴンに付いて詳しく聞いた。
ドラゴンと言う種族は原初として三つ存在した。
空間龍、時間龍、反転龍である。その三体から溢れる魔力から他の属性を持ったドラゴンが現れ、そこからどんどん派生されて行った。
「ダイパ」
「へ?」
「いやなんでも」
そう言う原初は色んな所に存在する。
精霊では風などの現象が始まり。
悪魔はざっくり言えば大罪、天使は美徳が始まりだとされているらしい。
実際、“レッサーレッドドラゴン”の上のドラゴン種は多いらしい。
強くなるには一歩一歩進むしかない。
しかも、ドラゴンはリザードマンにも近い物がある。逆か?
つまり、亜種のあのリザードマンのダイアモンドのような鱗とドラゴンの鱗を組み合わせる事が可能な筈だ。
『レッサー』なら子供だろう、つまりは経験が少ない可能性がある。
「大丈夫だ。問題ない」
ただ、だんだんと近づいて、俺の目で完璧に捉える事が出来た。
そして、ドラゴンの姿に変身出来るようになり、様々な変身先が増えた。
自動四輪車に変身出来るように成った。小さめの奴だけどね。
チラッとドラゴンさんがこっちを向いて、目が見えた。それで目も変えられる。
したらやる事は決まってる。スキル確認じゃ!
右目をドラゴンのに変更!
「あぅ」
「大丈夫ですか!」
飛んでいるけど、立ちくらみを起こして少し落ちる。
ヒスイが体を支えてくれたので、感謝を述べてドラゴンを見る。
「ドラゴンの視力良すぎ」
一気に視界がクリアになり、集中していた事もあり、ドラゴンの鱗一枚一枚が見えて酔ったのだ。
もう慣れたので問題は無いが、こんな事が起こるなんてびっくりだ。
「スキルも多いな。ヒスイ、援護よろしく」
「え、ちょっと! ま、魔法で頑張りますよ! 短剣とか、弓矢とか、意味無いと思うので! きーてますか! 聞いてないなありゃ」
俺は素早く飛んでドラゴンの前に踊り立つ。
体躯の関係でなかなか前に出れなかったが、空気抵抗も少ない俺がなんとか前に出れた。
前に出た事により、ドラゴンの動きが止まった。
「と言うかコイツ、“レッドフレアドラゴン”らしいぞ。全く」
レッサーじゃない。
『ガアアアアアアアアア』
「パッシブも多いし、なかなか良いな」
まぁ別に倒す必要は無い。スキルを出させて、住処に返せば良いのだ。
俺が欲しいのはスキルと技術だ。
俺に敵意が無い事を察しているのか、ドラゴンも攻撃を仕掛けて来ない。
『⋯⋯ガアアア』
「くっ!」
頭にメッセージが流れて来た。こいつのスキルに【念話】は無かった。これは魔法だ。
つまり、相手の脳内に直接言葉を流せる魔法が使える程の技術者。
戦ってみたい感じがする。まぁ、そうなるようだが。
俺の頭に流れて来たのは、簡潔な一言。
『殺せ』
その中に含まれている感情は『懇願』である。
どんな理由かは不明だが、徐々に相手の目から殺意が出ているので戦うのだが。
と言うか、本当にこのまま行けば獣王国に向かう事になる。
『ガアアアアアア!!』
「全力で戦おう。ドラゴンさんよ!」
口に溜めた火を一気に放って来る。火炎放射ではなく、火のブレスだ。
俺の右の掌に穴が出現する。
「消火剤、強化液、霧状、【放水】!」
消火器とホースを利用した武器的な何かだ。
俺はスライムに無限の可能性を感じた。液体プラススライムでやると色々なスライムに変わる。
それにより手に入れたスキル【放水】。
さらに、スキルを軸に変身先を配合する事も可能だった。
それによって出来たのがこれである。
多分、骨があったらホースのような骨が出来、掌には放射する部分がある。
体の奥底から魔力が消える感じがし、それが消火剤に変わる。
ドラゴンのブレスと衝突して、火を俺にへと向けさせない。
ブレスが意味無いと分かったドラゴンは、殺気しか込められてない瞳を向けて迫って来る。
さっきまでの自我も知性も何も感じない。暴れん坊のドラゴン。
「さっきのはなんだったんだよ」
純粋な疑問を口にして、ドラゴンは魔力で伸ばした炎の爪を振るう。
こんなスキルは無かった。魔法のような雰囲気もない。
そもそも知性のある気配も無い奴が高度な技術の魔法が使えるのだろうか?
予想だが、こいつがやったのは【炎の鎧】と【龍の爪】を組み合わせたモノだろう。
スキルとスキルを組み合わせる⋯⋯なかなかに良い。
「おっと」
しかも、魔力で伸ばした爪は【風斬り】のように放って使えるらしい。
しかし、火の耐性は目の前のドラゴンのパッシブによりかなり高い。
ギリギリで避けたが、全く火のダメージを感じない。
【炎の鎧】は色々な所で使えそうだ。
『ガアアアアアア!』
再びのブレス。これもスキルの一部だろう。
しかし、どのスキルか判断が付かない。
何故なら、ブレスのスキルは複数あるからだ。
【ファイヤーブレス】【フレアブレス】【バーニングブレス】の三種類だ。
理解度を確認出来たら一発なのだが、それも今は余裕が無い。
「これはどうだ? ガソリン【放水】」
目の前で大爆発が起き、吹き飛ばされる。
ヒスイは離れた場所で詠唱をしているので、巻き込まれないように考えて行動する。
「ワオ」
あいつ、自分の放った魔力の火とガソリンで増えた爆炎を吸ってやがる。
【火炎喰らい】と言うスキルだろう。本当に多彩だ。
しかも、爆破に寄って与えた微々たるダメージも回復してやがる。
その場所には火が少しだけ灯っていた。
【火再生】と言う奴だろう。
爪の攻撃や尻尾の攻撃にもスキルがあり、補正がある筈だ。
「これは⋯⋯面白いね!」
あぁ、本当に感情豊かだな。戦闘で簡単に笑みが顔に浮かんで来る。
笑みを浮かべる度に子供達の顔がチラつく。
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(7/15追記
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