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6日目:寂しい深夜はワンチャンある
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やっと家に帰ってきた。
(どこも人手不足だな…)
他店舗へのヘルプは緊張するけど、新鮮でもある。
ただ、閉店後に自分の店舗に戻ってメールチェックやら報告書の提出やらをしてるうちに日付が変わってしまった。
疲れたけど、ご飯もシャワーも面倒くさいし、寝るまでの道のりが長くてソファに根っこが生えてしまった。
付けるのが癖になったテレビをさっきからボーっと眺めるうちに、バラエティ番組がまた一つ終わった。
無意識にLINEを確認した。羽場からの連絡は…「マジで!おめでとー!」以来、来ていなかった。
(てか羽場を一番上に固定してんのもやめよ)
「ん?」
企業公式アカウントに交じって、向井君からのLINEがあった。
(あぶなっ、これ、どうぶつ島のIDかな?何かのサイトと思って消すとこだった…)
早速見てみようと思ったものの、どうやったらテレビがゲーム画面に変わるのか分からなかった。
「わっ」
コントローラーをいじっていたら音が出た。
(ゲームは起動してるっぽいのに、これは…?副音声、これは…変なワクが出て来た)
「押せるボタンもう無いよな?」
諦めて一旦リモコンを置いた。とりあえず先にLINEを返すことにした。
『どうぶつ島のIDだよね?今ゲーム画面探してるとこなんで、見れたら行ってみます!』
「よし、1回風呂入ってこよう」
-----
そろそろ寝ようと思ったところで、織さんからLINEが来た。
「ゲーム画面を探すって何だ?」
(電話…は遅いか。何て返したもんか…)
とりあえず検索してみるか?とスマホの画面を切り替えようとしたら、何をどう間違ったのか発信してしまった。
「あ」
(落ち着け、すぐ切ったらそれはそれできもい。しかし今、織さんの部屋で俺が織さんのスマホを震わせてるのか…)
「ごめんっもしもし?どしたの?」
(織さんだ!)
「ゲーム画面を探すって何すか?」
「あぁ、ゲームは起動してるっぽいんだけど、テレビのどこ押してもゲームの画面に行けなくてさ、いったんシャワー浴びて出て来たとこ」
「スゥー」
俺はいったん息を吸った。今は湯上りの織さんを思い出す時じゃない。
「…リモコンに入力切替みたいなボタンあります?」
「ん?うん」
「それ押したあと、下ボタン押してHDMIってやつで決定してください」
「あ、選ぶんだこれ…おぉ!あった!やっぱすごいね、見てないのに分かるなんて」
「ゲーム画面に行けない方がすごいっすよ」
「すいませんでした」
そのままゲーム上で織さんとフレンドになった。
(よく考えなくても、ゲームも始めらんない人がフレンド申請できるはずも無かったな)
織さんは仕事への意識が高くて基本的には尊敬しているが、こういう所が徹底的にポンコツで非常に好ましい。電話の向こうで操作に悪戦苦闘している様子が目に浮かんだ。
「あぁ、今は向井君の島には行けないんだ」
「そうっすね、近くにいれば入れるんで、また家に行って良ければ」
「あー、通信ケーブルみたいな感じ?」
「(通信ケーブル?)はい、多分」
「いつでも来ていいよ、同棲中の恋人なんだから」
「…」
(こいつ…!)
普通に絶句してしまった。逆ならともかく、俺が織さんに黙らされるなんて。許せない。
「ちょっとごめんって!黙んのが一番辛いんだけど」
「明日行きますから」
「え?」
「寂しかったら今からでも行きますよ、愛する織さんのためなら」
「…」
織さんが黙った。
「黙んないでくださいよ」
「だって!こんな恥ずかしいと思わなかったんだよ!ごめんって!」
(よしよし)
手ごたえを感じたので満足だ。ついでに言いたいことを言えてデトックスになった。
「で、明日行っても大丈夫すか」
「…あぁ、うん。それは全然いいよ」
(全然いいんだ)
俺は胸に手を当てて、織さんの「全然いいよ」を噛み締めた。
「じゃ、また明日。ってか俺、明日は昼からなんで、また後でっすね」
「確かに。遅くにごめんね。おやすみ」
「…LINEも電話も、いつでも大丈夫っすよ。出れないかもしれないけど。…お疲れ様です」
反応を聞く前に通話を切った。
手近にあったクッションに人知れず叫んだ。
「しゃあああーーーーーーーーーーーーーー!」
(ギリ起きてて良かったあーーーーーーーー!)
ここ最近の幸運っぷりは、もはや奇跡を超えて運命の域まで達してるんじゃないか。会話の内容は思い返したくも無いくらい恥ずかしいが。
「はぁ、やばい。俺、恋できてる」
怖いくらい幸せだった。
(どこも人手不足だな…)
他店舗へのヘルプは緊張するけど、新鮮でもある。
ただ、閉店後に自分の店舗に戻ってメールチェックやら報告書の提出やらをしてるうちに日付が変わってしまった。
疲れたけど、ご飯もシャワーも面倒くさいし、寝るまでの道のりが長くてソファに根っこが生えてしまった。
付けるのが癖になったテレビをさっきからボーっと眺めるうちに、バラエティ番組がまた一つ終わった。
無意識にLINEを確認した。羽場からの連絡は…「マジで!おめでとー!」以来、来ていなかった。
(てか羽場を一番上に固定してんのもやめよ)
「ん?」
企業公式アカウントに交じって、向井君からのLINEがあった。
(あぶなっ、これ、どうぶつ島のIDかな?何かのサイトと思って消すとこだった…)
早速見てみようと思ったものの、どうやったらテレビがゲーム画面に変わるのか分からなかった。
「わっ」
コントローラーをいじっていたら音が出た。
(ゲームは起動してるっぽいのに、これは…?副音声、これは…変なワクが出て来た)
「押せるボタンもう無いよな?」
諦めて一旦リモコンを置いた。とりあえず先にLINEを返すことにした。
『どうぶつ島のIDだよね?今ゲーム画面探してるとこなんで、見れたら行ってみます!』
「よし、1回風呂入ってこよう」
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そろそろ寝ようと思ったところで、織さんからLINEが来た。
「ゲーム画面を探すって何だ?」
(電話…は遅いか。何て返したもんか…)
とりあえず検索してみるか?とスマホの画面を切り替えようとしたら、何をどう間違ったのか発信してしまった。
「あ」
(落ち着け、すぐ切ったらそれはそれできもい。しかし今、織さんの部屋で俺が織さんのスマホを震わせてるのか…)
「ごめんっもしもし?どしたの?」
(織さんだ!)
「ゲーム画面を探すって何すか?」
「あぁ、ゲームは起動してるっぽいんだけど、テレビのどこ押してもゲームの画面に行けなくてさ、いったんシャワー浴びて出て来たとこ」
「スゥー」
俺はいったん息を吸った。今は湯上りの織さんを思い出す時じゃない。
「…リモコンに入力切替みたいなボタンあります?」
「ん?うん」
「それ押したあと、下ボタン押してHDMIってやつで決定してください」
「あ、選ぶんだこれ…おぉ!あった!やっぱすごいね、見てないのに分かるなんて」
「ゲーム画面に行けない方がすごいっすよ」
「すいませんでした」
そのままゲーム上で織さんとフレンドになった。
(よく考えなくても、ゲームも始めらんない人がフレンド申請できるはずも無かったな)
織さんは仕事への意識が高くて基本的には尊敬しているが、こういう所が徹底的にポンコツで非常に好ましい。電話の向こうで操作に悪戦苦闘している様子が目に浮かんだ。
「あぁ、今は向井君の島には行けないんだ」
「そうっすね、近くにいれば入れるんで、また家に行って良ければ」
「あー、通信ケーブルみたいな感じ?」
「(通信ケーブル?)はい、多分」
「いつでも来ていいよ、同棲中の恋人なんだから」
「…」
(こいつ…!)
普通に絶句してしまった。逆ならともかく、俺が織さんに黙らされるなんて。許せない。
「ちょっとごめんって!黙んのが一番辛いんだけど」
「明日行きますから」
「え?」
「寂しかったら今からでも行きますよ、愛する織さんのためなら」
「…」
織さんが黙った。
「黙んないでくださいよ」
「だって!こんな恥ずかしいと思わなかったんだよ!ごめんって!」
(よしよし)
手ごたえを感じたので満足だ。ついでに言いたいことを言えてデトックスになった。
「で、明日行っても大丈夫すか」
「…あぁ、うん。それは全然いいよ」
(全然いいんだ)
俺は胸に手を当てて、織さんの「全然いいよ」を噛み締めた。
「じゃ、また明日。ってか俺、明日は昼からなんで、また後でっすね」
「確かに。遅くにごめんね。おやすみ」
「…LINEも電話も、いつでも大丈夫っすよ。出れないかもしれないけど。…お疲れ様です」
反応を聞く前に通話を切った。
手近にあったクッションに人知れず叫んだ。
「しゃあああーーーーーーーーーーーーーー!」
(ギリ起きてて良かったあーーーーーーーー!)
ここ最近の幸運っぷりは、もはや奇跡を超えて運命の域まで達してるんじゃないか。会話の内容は思い返したくも無いくらい恥ずかしいが。
「はぁ、やばい。俺、恋できてる」
怖いくらい幸せだった。
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