詩・ニセたまねぎ

桐原まどか

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詩・ニセたまねぎ

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剥いても剥いても、中身がないの。
―おかしいじゃない?

えっ、たまねぎじゃないかって?
たまねぎなら、いいのよ。
影に日向に活躍してくれるわ。
だけど、これを見て。
剥いたそばからなくなっていくの。

何の痕跡も残さずに消えていくの。
涙もでやしないわ。

えっ?違うって?
…えっ?もう一度、言ってくれる…?

「それはたまねぎなんかじゃない、キミの心だよ」
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