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笑顔と涙と
しおりを挟む私が好きで笑ってると思って?
笑ってないといけないから、笑ってるだけよ?
笑顔の仮面ですべて隠して、上っ面だけ、見せてるの。
あなたたちが望んだことよ!
それなのに、それなのに!
どうして、涙のひとつもこぼさない、可愛げがない、なんて言うのよ!
彼女は膝から崩れ落ち、わっと泣き出した。
涙が次から次から溢れてくる。
いままで我慢していた分のように。
最後まで、そばにいてくれたのは、婚約者だった。
何で、いるのよ?
彼女の問いに、彼は答えた。
僕はね、ずっと君の笑顔以外も見たい、と思っていたんだ。
君にとっては不愉快かもしれないけど、僕は嬉しいよ。
彼は指先で、涙を優しく拭ってくれた。
彼女は、ふいと身体が軽くなった気がした。いままで、ずっとずっと我慢してきていた…。
「わたくしでいいのですか?」言葉が唇から零れ落ちた。
「もちろんですよ、僕の婚約者様」
二人は立ち上がった。
手に手を取り、ゆっくりと歩いていった。
数ヶ月後。二人は無事、婚姻の運びとなった。
笑顔と涙と…様々な想いを抱えて、二人は歩んでいく。
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