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隠居生活はじめます。

【閑話】勇者3

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   司祭に連れてこられた部屋は、簡素だけど清潔感のある応接室だった。

「どうぞ、お座りください」

   司祭に席を勧められ、ソファーに座る。よく見るとテーブルには水晶玉が置いてある。なんだろう?

「先程、シスターネロが言ったと思いますが…どうかこの世界を救っていただきたい…身勝手だと思いますが、どうか……」

「俺たちは、この世界を救って欲しいって願いで来ました。だから、そんなに頭を下げないでください」

「っ!ありがとうございます!!」

   必死に頭を下げて頼む司祭を風月が止める。風月の言葉に俺らも「うんうん」と頷く。

「では、まず勇者殿たちのステータス確認に入りましょう。申し訳ありませんがこの水晶玉に手をかざしていただいてもよろしいでしょうか?」

   司祭はテーブルの中央に置かれた水晶玉に手を向ける。この水晶はステータス?は確か能力値だっけ?を測る機械らしい。

「じゃあ、俺からいくわ」

   風月が最初に手をかざす。水晶玉から光が放ち水晶玉の真上にボードみたいなものが浮かぶ。


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【名前】 飯田 風月
【年齢】  16
【種族】人間
【レベル】1
【職業】勇者
【HP】 1000(+500)      
【MP】 740(+370)
【魔法適正】火、風、光

【スキル】 剣術、瞬足、気配察知、気配遮断、遠見、聴覚補助、思考加速

【固有スキル】 言語理解、聖なる裁き

【称号】異界に渡りし者、勇者

【加護】セピナル神の加護

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「じゃあ次は、私がいくね」

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【名前】 七瀬 紫織
【年齢】  16
【種族】人間
【レベル】1
【職業】賢者
【HP】  520(+260) 
【MP】1100 (+550)
【魔法適正】基本四属性、光、無

【スキル】 鑑定、気配察知、棒術、投擲、

【固有スキル】 言語理解、聖なる魔法

【称号】ツンデレっ子、異界に渡りし者、賢者

【加護】セピナル神の加護

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「次は…私かな?」

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【名前】 矢野 天羽
【年齢】  16
【種族】人間
【レベル】1
【職業】聖女
【HP】 680(+340)      
【MP】 940(+470)
【魔法適正】水、光、無

【スキル】 除霊、祈願、舞、双剣術

【固有スキル】 言語理解、聖なる浄化

【称号】巫女見習い、異界に渡りし者、聖女

【加護】セピナル神の加護

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「お、おぉぉ!!勇者様に賢者様、聖女様まで!!」

   感嘆する司祭はまだ鑑定していない晃輝と俺に期待の目を向けてくる。でも俺は、勇者パーティーに居そうなジョブを持っているのか分からない。てか、自分のジョブを知らない…

「はぁ…」

「綺月…大丈夫?」

   隣に座る、ガタイは良いが小心者の晃輝が心配そうに聞いてきた。
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