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8. 待ち人来たらず
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意中の令嬢の元へ求愛もしくは求婚を目的として訪問するならば、手土産を持参しようと思う紳士は多いだろう。実際、ハーティグ公爵邸での舞踏会の翌日にエヴァンジェリン嬢の滞在先へと訪問した殿方の多くが、手土産を持参した。
しかしながら、令嬢の心を掴めない手土産は、むしろ逆効果になってしまうものである。特に、紳士同士がお互いの巨勢を張り合うためだけに持参した手土産などは、むしろ令嬢の心を遠ざけてしまう。
公爵邸での舞踏会の翌朝、エヴは浮かない表情のまま自室で何かを見つめている。昨晩の舞踏会のダンスカードである。彼女はカードにあるイアンの名前を、そっと指でなぞる。彼が自ら書いた文字には、彼らしさが現れているように思えた。
母親に大声で名前を呼ばれ、仕方なくエヴは下の階へと向かった。応接室で彼女を待ち構えていたのは、色とりどりの巨大な花束を携えた紳士たちであった。
最初の舞踏会の翌日とは打って変わっての大盛況に、バックマン夫人は大喜びだ。満面の笑みを浮かべる母の隣で、エヴは部屋中に視線を走らせる。
イアンの姿は、ない。
エヴは気落ちしているのを誰にも悟られないように、無理矢理に微笑みを見せた。紳士たちの群れの中にチェイスの顔を見つけ、ようやく安堵のため息を漏らした。
興奮した様子のバックマン夫人が立ち去り、部屋にはエヴと紳士たち、そして侍女だけが残った。部屋の隅で息をひそめる侍女を困ったように見つめるも、助けてくれそうにない。仕方ない、とエヴは自ら目の前の紳士たちへと向き直った。
何か、良い言葉をかけなければ。そう思うのに、エヴの頭には一向に何も浮かばない。花のお礼を言おうかと思っても、なんといえばよいのか分からない。そもそも彼女は花への関心が低い。心の底から感謝しているわけではないとき、人は何と言えば良いのだろうか。困惑をごまかすかのように、エヴはただ微笑みを浮かべた。
困り果てたエヴに助け舟を出したのは、チェイスだった。
「あまり花がお好きではないようですね?」
チェイスの問いかけに、申し訳ないと思いつつもエヴは素直に頷いた。そんな彼女の素直さに、チェイスは納得したようにうなずいた。
「それは残念。もったいないですよ。花も実は興味深いものですよ。花の種類によって、異なる意味を持つって知っていましたか? 例えば私が持ってきたこの花、ユリは、香りが強く、そのスッとした立ち姿から意志が強そうな花だと思われがちかもしれません。でも、『あなたの色に私は染まります』などという奥ゆかしい花言葉を持っているんですよ」
チェイスの言葉を聞きながら、エヴの顔に生き生きとした表情が戻ってくる。
「それは、意外ですね」
「そうでしょう?」
二人が微笑みあった途端、部屋の中にうんざりとしたような唸り声が充満する。またアルバーティンにやられた、と紳士たちは小声でつぶやく。敗戦ムードが漂う中、チェイスはそれを無視して言葉をつづけた。
「周り思う姿と、実際の姿は違うんですよ」
「確かに」
「人間にも、同じことが言えます」
その瞬間、エヴの表情が曇る。彼女がなぜそんな表情を見せるのか、彼にはその理由がよく分かっていた。むしろ、自ら引き出したといっても良いかもしれない。
他の紳士たちがすでにエヴから距離を取り、帰り支度を始めたのを確認してから、チェイスは再びエヴへと視線を戻した。
「イアンが来なくて、気落ちなさいましたか?」
少し寂しそうに微笑みかけながら、チェイスは問いかける。
「どうでしょう? もしかしたら、そうかもしれませんね。……こんな気持ちになるなんて、自分でも想像していませんでした」
エヴの素直な言葉に、彼はほんの少し残念そうな表情を見せた。それでもすぐ、気を取り直して彼は微笑み続けた。
「あまり考えすぎないでください。彼が姿を見せなかったのには、きっと大した理由なんてありませんよ。今日は偶然、他に用事があったのかもしれません」
「……それは、あまり良い知らせには聞こえませんけど」
「えっと、じゃあ、その、事故に遭ったのかも」
そう言った途端、エヴの顔から血の気が引くのが見えて、チェイスは慌てて自分の言葉を否定した。
「事故といっても、すごく些細なものです。大きなものではなくて、その、ほら、花を買おうとして蜂に刺されたとか、家を出ようとして転んだとか、馬車に乗ろうとして泥を踏んづけてズボンを台無しにしてしまったとか」
チェイスが必死になるのを見て、エヴは表情を緩める。
「ありがとうございます、励まそうとしてくれて」
落ち着き払った彼女の声音が、チェイスの胸をざわつかせた。
「きっと、真実はこんなところじゃないでしょうか。彼が私のところを訪問するだなんて、変な期待をした私が愚かだったんです。彼のことなんて、私はほとんど知らないわけだし」
視線を足元に落とし、エヴはキュッと固く唇を結んだ。その横顔を眺めながら、チェイスはついつい口を開いてしまう。
「確かに、貴女はイアンのことをほとんど知らないかもしれない。でも、私は違います。私はアイツのことを知っている。とてもよく知っている。だからこそ、断言しましょう。アイツは貴女に関心を抱いている。とても強い関心です。貴女に惹かれている。アイツのあんな言動を、私は今まで見たことがない。特に、人々がしきりにアイツの噂をするようになってからは、想像すらつかない」
チェイスは一度口をつぐんでから、エヴが顔を上げるのをじっくりと待った。そしてようやく彼女が顔を上げると、朗らかに微笑みかけた。
「だから、諦めないでください。アイツは、いい奴です。私が保証します」
エヴはじっと、チェイスの瞳を見つめた。彼の瞳が微動だにしないのを見て、それが彼の心からの言葉であると、確信する。それでも、彼の言葉を鵜呑みにすることはできない。
彼女は再び感謝の言葉を述べながら、そっとチェイスから視線を外した。
「さあ、紳士の皆さん方」
唐突に部屋に入って来たかと思えば、ピーターは紳士たちに呼びかけた。
「もう十分な時間をここで過ごしたことでしょう。続いては、私がこの家の素晴らしい出口をお教えいたします。なんとそれは、あなたたちが家に侵入するときに使ったのと、同じ扉なんですよ」
ピーターの言葉を合図に、紳士たちは立ち上がり、ゾロゾロと入口へと歩き始めた。簡単な別れの挨拶と共に、チェイスもその後に続く。
「あの男が来なくて良かったよ」
自分の言葉の硬貨に満足したのだろうか。胸を張ってそう話すピーターを、エヴは不思議そうに見上げた。
「ほら、あのイアンとかいう男さ。私がこのあいだ話した、伯爵家の長男の噂、覚えているか? 驚くことに、奴がその噂の主だったよ。奴は悪評の塊だ。近づくべきじゃない」
「……そうかもね」
気のない返事をしながら、エヴの視線は空を彷徨う。彼女の頭の中はもうすっかり、別のことで埋まっていた。
「ピーター!」
玄関の方から、バックマン夫人の声が轟く。珍しく怒りに燃えた母の表情に、ピーターがにわかに体を宙に浮かせる。求婚者たちの訪問という、妹にとっての大切な場面をぶち壊した兄を、彼女が見逃すはずはなかった。恐怖に震え上がる彼の頭を夫人は走り、と叩くと、そのまま彼を応接室から連れ出した。
その光景をただボーっと見つめるエヴを、侍女は優しく自室へと戻らせたのだった。
しかしながら、令嬢の心を掴めない手土産は、むしろ逆効果になってしまうものである。特に、紳士同士がお互いの巨勢を張り合うためだけに持参した手土産などは、むしろ令嬢の心を遠ざけてしまう。
公爵邸での舞踏会の翌朝、エヴは浮かない表情のまま自室で何かを見つめている。昨晩の舞踏会のダンスカードである。彼女はカードにあるイアンの名前を、そっと指でなぞる。彼が自ら書いた文字には、彼らしさが現れているように思えた。
母親に大声で名前を呼ばれ、仕方なくエヴは下の階へと向かった。応接室で彼女を待ち構えていたのは、色とりどりの巨大な花束を携えた紳士たちであった。
最初の舞踏会の翌日とは打って変わっての大盛況に、バックマン夫人は大喜びだ。満面の笑みを浮かべる母の隣で、エヴは部屋中に視線を走らせる。
イアンの姿は、ない。
エヴは気落ちしているのを誰にも悟られないように、無理矢理に微笑みを見せた。紳士たちの群れの中にチェイスの顔を見つけ、ようやく安堵のため息を漏らした。
興奮した様子のバックマン夫人が立ち去り、部屋にはエヴと紳士たち、そして侍女だけが残った。部屋の隅で息をひそめる侍女を困ったように見つめるも、助けてくれそうにない。仕方ない、とエヴは自ら目の前の紳士たちへと向き直った。
何か、良い言葉をかけなければ。そう思うのに、エヴの頭には一向に何も浮かばない。花のお礼を言おうかと思っても、なんといえばよいのか分からない。そもそも彼女は花への関心が低い。心の底から感謝しているわけではないとき、人は何と言えば良いのだろうか。困惑をごまかすかのように、エヴはただ微笑みを浮かべた。
困り果てたエヴに助け舟を出したのは、チェイスだった。
「あまり花がお好きではないようですね?」
チェイスの問いかけに、申し訳ないと思いつつもエヴは素直に頷いた。そんな彼女の素直さに、チェイスは納得したようにうなずいた。
「それは残念。もったいないですよ。花も実は興味深いものですよ。花の種類によって、異なる意味を持つって知っていましたか? 例えば私が持ってきたこの花、ユリは、香りが強く、そのスッとした立ち姿から意志が強そうな花だと思われがちかもしれません。でも、『あなたの色に私は染まります』などという奥ゆかしい花言葉を持っているんですよ」
チェイスの言葉を聞きながら、エヴの顔に生き生きとした表情が戻ってくる。
「それは、意外ですね」
「そうでしょう?」
二人が微笑みあった途端、部屋の中にうんざりとしたような唸り声が充満する。またアルバーティンにやられた、と紳士たちは小声でつぶやく。敗戦ムードが漂う中、チェイスはそれを無視して言葉をつづけた。
「周り思う姿と、実際の姿は違うんですよ」
「確かに」
「人間にも、同じことが言えます」
その瞬間、エヴの表情が曇る。彼女がなぜそんな表情を見せるのか、彼にはその理由がよく分かっていた。むしろ、自ら引き出したといっても良いかもしれない。
他の紳士たちがすでにエヴから距離を取り、帰り支度を始めたのを確認してから、チェイスは再びエヴへと視線を戻した。
「イアンが来なくて、気落ちなさいましたか?」
少し寂しそうに微笑みかけながら、チェイスは問いかける。
「どうでしょう? もしかしたら、そうかもしれませんね。……こんな気持ちになるなんて、自分でも想像していませんでした」
エヴの素直な言葉に、彼はほんの少し残念そうな表情を見せた。それでもすぐ、気を取り直して彼は微笑み続けた。
「あまり考えすぎないでください。彼が姿を見せなかったのには、きっと大した理由なんてありませんよ。今日は偶然、他に用事があったのかもしれません」
「……それは、あまり良い知らせには聞こえませんけど」
「えっと、じゃあ、その、事故に遭ったのかも」
そう言った途端、エヴの顔から血の気が引くのが見えて、チェイスは慌てて自分の言葉を否定した。
「事故といっても、すごく些細なものです。大きなものではなくて、その、ほら、花を買おうとして蜂に刺されたとか、家を出ようとして転んだとか、馬車に乗ろうとして泥を踏んづけてズボンを台無しにしてしまったとか」
チェイスが必死になるのを見て、エヴは表情を緩める。
「ありがとうございます、励まそうとしてくれて」
落ち着き払った彼女の声音が、チェイスの胸をざわつかせた。
「きっと、真実はこんなところじゃないでしょうか。彼が私のところを訪問するだなんて、変な期待をした私が愚かだったんです。彼のことなんて、私はほとんど知らないわけだし」
視線を足元に落とし、エヴはキュッと固く唇を結んだ。その横顔を眺めながら、チェイスはついつい口を開いてしまう。
「確かに、貴女はイアンのことをほとんど知らないかもしれない。でも、私は違います。私はアイツのことを知っている。とてもよく知っている。だからこそ、断言しましょう。アイツは貴女に関心を抱いている。とても強い関心です。貴女に惹かれている。アイツのあんな言動を、私は今まで見たことがない。特に、人々がしきりにアイツの噂をするようになってからは、想像すらつかない」
チェイスは一度口をつぐんでから、エヴが顔を上げるのをじっくりと待った。そしてようやく彼女が顔を上げると、朗らかに微笑みかけた。
「だから、諦めないでください。アイツは、いい奴です。私が保証します」
エヴはじっと、チェイスの瞳を見つめた。彼の瞳が微動だにしないのを見て、それが彼の心からの言葉であると、確信する。それでも、彼の言葉を鵜呑みにすることはできない。
彼女は再び感謝の言葉を述べながら、そっとチェイスから視線を外した。
「さあ、紳士の皆さん方」
唐突に部屋に入って来たかと思えば、ピーターは紳士たちに呼びかけた。
「もう十分な時間をここで過ごしたことでしょう。続いては、私がこの家の素晴らしい出口をお教えいたします。なんとそれは、あなたたちが家に侵入するときに使ったのと、同じ扉なんですよ」
ピーターの言葉を合図に、紳士たちは立ち上がり、ゾロゾロと入口へと歩き始めた。簡単な別れの挨拶と共に、チェイスもその後に続く。
「あの男が来なくて良かったよ」
自分の言葉の硬貨に満足したのだろうか。胸を張ってそう話すピーターを、エヴは不思議そうに見上げた。
「ほら、あのイアンとかいう男さ。私がこのあいだ話した、伯爵家の長男の噂、覚えているか? 驚くことに、奴がその噂の主だったよ。奴は悪評の塊だ。近づくべきじゃない」
「……そうかもね」
気のない返事をしながら、エヴの視線は空を彷徨う。彼女の頭の中はもうすっかり、別のことで埋まっていた。
「ピーター!」
玄関の方から、バックマン夫人の声が轟く。珍しく怒りに燃えた母の表情に、ピーターがにわかに体を宙に浮かせる。求婚者たちの訪問という、妹にとっての大切な場面をぶち壊した兄を、彼女が見逃すはずはなかった。恐怖に震え上がる彼の頭を夫人は走り、と叩くと、そのまま彼を応接室から連れ出した。
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