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第10話
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カリンの放つ青炎の魔法が飛んでくる。
けれど、エドウィン様は笑い、ただ右手を掲げられた。え……それで対処できる程、妹の魔法は甘くないと思う。このままでは彼が危ない、どうにかして止めなきゃ――そう、思ったのだけど。
「大丈夫。僕を信じてくれないか、ルシア」
「え……でも。……分かりました、エドウィン様なら信じられます」
「ありがとう。それでね、僕には何も力が無いと言ったけど、確かにその通りだ。魔力を他人に供給するくらいしか能のない男さ。でも、その供給の力にはもうひとつ効果があるんだ」
青炎が襲い掛かってくるけれど、エドウィン様はその炎を右手で吸った。その状況にカリンは驚き、喚いた。
「ウソ!? 私の魔法を無力化? いえ、魔力を吸い取っているのね……! キーッ!! こんなの聞いてないわよ!! もういい!」
諦めたカリンは炎を止め、悔しそうに唸った後、怒って帝国の外へ向かって行った。……ふぅ、助かったのね。良かった。
「エドウィン様、助けて戴きありがとうございました」
「いや、僕は本来戦闘に不向きなんだけど、相手が魔法使いとかなら話は別でね。こうして魔力を奪うくらいは出来るのさ。だから、この力は言うなれば『魔力ドレイン』って所かな」
充分凄い。エドウィン様は謙遜しているけれど、わたしをその力で守ってくれた。まったく怯まず威風堂々で……素敵な人だなって感じた。
わたし、彼が……好きになりつつあった。いえ、もう既に――。
けれど、エドウィン様は笑い、ただ右手を掲げられた。え……それで対処できる程、妹の魔法は甘くないと思う。このままでは彼が危ない、どうにかして止めなきゃ――そう、思ったのだけど。
「大丈夫。僕を信じてくれないか、ルシア」
「え……でも。……分かりました、エドウィン様なら信じられます」
「ありがとう。それでね、僕には何も力が無いと言ったけど、確かにその通りだ。魔力を他人に供給するくらいしか能のない男さ。でも、その供給の力にはもうひとつ効果があるんだ」
青炎が襲い掛かってくるけれど、エドウィン様はその炎を右手で吸った。その状況にカリンは驚き、喚いた。
「ウソ!? 私の魔法を無力化? いえ、魔力を吸い取っているのね……! キーッ!! こんなの聞いてないわよ!! もういい!」
諦めたカリンは炎を止め、悔しそうに唸った後、怒って帝国の外へ向かって行った。……ふぅ、助かったのね。良かった。
「エドウィン様、助けて戴きありがとうございました」
「いや、僕は本来戦闘に不向きなんだけど、相手が魔法使いとかなら話は別でね。こうして魔力を奪うくらいは出来るのさ。だから、この力は言うなれば『魔力ドレイン』って所かな」
充分凄い。エドウィン様は謙遜しているけれど、わたしをその力で守ってくれた。まったく怯まず威風堂々で……素敵な人だなって感じた。
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