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公爵令嬢は愛が見えるようです
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「ノルン、婚約破棄してくれ」
「……そんな」
まただ。
また、わたくしは捨てられた。
彼は、キールは静かに去って行く。
理由は分からない。どうして、なぜ。わたくしの愛が足りなかったのか……それとも、向こうが本当は愛していなかった、とか。
何にしてもこれで三回目。
三回目の婚約破棄。
――もう疲れた。
どんなに尽くしても全員去ってしまう。お金と時間だけが減っていく……。このままでは浪費してしまうばかり。もう諦めるしかないのかなと、実家へ帰宅している最中だった。
三毛猫がわたくしの目の前に現れ、視線をジッと合わせてきた。お腹でも減っているのかなと思って抱き上げようとすると――。
「ノルン様、お悩みなのですね」
「へ……ね、猫が喋った!?」
「ええ、私は『アルヒ』と言います。昔は大賢者だったのですが、ある呪いでこのような姿に。それより、ノルン様には賢者の素養があるようですね……フムフム、その瞳に秘密がありそうです」
アルヒという喋る猫ちゃんは自分を抱き上げてと要求する。ので、わたくしは応えた。わぁ、体がもふもふで温かい。
「わたくしはどうすれば?」
「ノルン様の赤と緑のオッドアイは宝石のようにお美しい。特にその赤色の方は『賢者』の気配を漂わせております」
「ほ、本当に?」
「私でよければ、その力を解放して差し上げましょうか? もしかしたら、素晴らしい力を手に入れられるかもしれません」
素晴らしい、力?
もしそれが本当だとすれば、今の弱い自分を変えるチャンスかもしれない。わたくしは、藁にも縋る思いでアルヒに頼み込んだ。
「お願いです、アルヒさん」
「賢者を導くのが私の役目。承りました」
肉球をわたくしの右目にあてがうアルヒ。ぷにぷにしていて気持ちい……なんて思っていると、目が熱くなってきた。
え、なに……なにこれー!?
「きゃっ……」
「はい、処置完了です。これでノルン様は『相手の愛が見える』ようになったはずです」
「え! なにそれ! 相手の愛が見えるの?」
「ついでに調べたので間違いありません。異性であろうと同性であろうと分け隔てなく相手の『親愛度』を理解できます」
すごい!
親愛度が分かっちゃうとか、もうそれって相手の気持ちが分かるのと一緒じゃない。だったら、こっちからフれるし、傷付く心配もない。
「じゃ、じゃあ試してみていいですか?」
「いいですよ~。じゃあ、私はしばらくノルン様のお屋敷のお世話になりますね」
「場所は――」
「知っているのでご心配なく!」
え……そうなんだ?
ま、まあいいか。
それより、キールの愛を確かめてみよう。
――わたくしは踵を返し、彼のお屋敷へ。ちょうど庭にいたので、こっそり右目で確認する――すると。
「……あ! 彼の頭上に『親愛度:30』の数字が見える。……って、待って。『30』という事は、キールってば本当はわたくしを少しは愛していたの!?」
こっそり伺っていると、別の場所から女性が現れた。二人は抱き合っていた……。あ、数字が落ちていく。
今や『親愛度:0』となってしまった。
そういう仕組みなのね。
時間や行動、現れる相手次第では増えたり減ったりするみたい。どのみち彼は別の女性を取っていた最低男。それがハッキリしただけでも良かった。
それから、わたくしは婚約破棄された一人目のウォレス、二人目のクリフも確認した。一人目が『親愛度:1』、二人目も『親愛度:0』と最低のものだった。どちらも、わたくしの事なんてもう忘れているらしい。
そう、ならもういい。
――この力を手に入れて以来、わたくしは男性を赤い瞳で見続けた。
国中のあらゆる男達を見る日々。
伯爵ギルバート『親愛度:10』、侯爵イアン『親愛度:23』、騎士オーウェン『親愛度:60』、有名錬金術師カーチス『親愛度:37』、方伯ギャレン『親愛度:80』……。
やはり、地位が高いほどに親愛度は低いような気がする。対して地位の低い男性は、わたくしに好意を持っているようだ。
この中だと『ギャレン』が圧倒的だけれど……彼は不倫が絶えないと噂を聞く。そんな最低男、問答無用で却下ね。
やっぱり、わたくしを想ってくれる人なんてそうはいない。……いないわけではないけど、他の女性と関係を持っていたりなど真面な相手がいないと良く理解できた。
運命の人は何処に居るの?
賢者の瞳を使う毎日。
必死に必死に男性を探しては諦める日々。
枕を濡らす夜が続いたけれど、ある日、わたくしは気づいた。国のお城は男性の出入りが多い事に。だから、お城へ入浸ればきっと運命の人と出逢える。そう思った。
「隣国やその周辺地域から交渉や相談にくる貴族が多いですから、可能性はありそうですね」
それからも毎日続け――半年。
ようやく気になる男性に出逢えた。
「あ! 彼、金髪の彼はエドワード様。背が高く、あの優美なお顔……間違いなく隣国の王子様ですね」
物陰に隠れ、彼の動向を探る。
エドワード様はちょうど用事を済まされたようで、こちらに向かっていた。いつものように相手の親愛度を確認する。
すると……
驚くべき事に『親愛度:10』と彼の頭上に出ていた。……って、『10』かぁ。どうやら、わたくしの存在くらいは知っているようだけれど。
はぁ~と溜息を吐いてやり過ごそうと思ったのだけど、何かに背中を押された。……あ、猫のアルヒちゃん……!
おかげでわたくしは体を投げ出され、エドワード様の目の前に姿を出してしまった。
「……いったぁっ」
「……! 君! 大丈夫かい!?」
「ええ、大丈夫です……ちょっと足を擦りむいただけですから」
「美しいそこの君、もしかして公爵令嬢のノルンではないかな。……あ、ケガしているじゃないか」
「わたくしを御存知なのですか」
「うん、君の事で城を訪ねて来たんだ。僕は賢者の血筋を探していた……でも、今はそれよりも君のケガだ。動けるかい?」
立とうとすると痛みで無理だった。
「……っ」
「僕が家までおんぶしあげるよ」
「そ、そんな……王子様に背負って戴くなんて」
「いいからいいから」
「……分かりました」
頼れる人もいなかったし、おんぶをお願いした。彼の背中に乗って、偶然にも数値が見えてしまった。
あら……『親愛度:70』!?
というか、わたくし自身も彼に対して好意が芽生えていた。こんな気持ちになるの、いつ振り以来だろう。
そうして彼に運んでもらい、お屋敷に辿り着く頃には『親愛度:100』になっていた。これが上限。限界値。つまり、100%の片想い……いえ、両想いね。
だから今が告白のチャンス。
「さあ、着いたよ、ノルン」
「あの、エドワード様」
「ん、なんだい」
「……わ、わたくし……助けて戴いて嬉しかったです。だから、その……お屋敷に泊まっていきませんか」
「……ノルン。いいのかい、僕なんかで……」
「い、良いんです。その、このままでよろしければ」
「分かった。君をおんぶしたまま向かうよ」
返事が嬉しくて、わたくしは彼に身を委ねた。
エドワード王子は元々、賢者について調べ回っていたようで、それでわたくしの元を訪ねられたのだとか。でも、まさかの運命の出逢い。彼は、本当は結婚とかそういうつもりもなかったみたいだけど、この出会いが全てを変えたようだ。……良かった、諦めなくて。
今までの苦労がなんだったのだろうと思うくらいに急接近を果たし、わたくしと彼は親密な関係に。三日も経たない内に婚約を交わした。
「幸せになろう、ノルン」
「嬉しいです、エドワード様」
彼からぎゅっと優しく抱かれ、わたくしは本当の愛を感じた。やっと手に入れられたんだ、真の愛を、幸せを――。
「……そんな」
まただ。
また、わたくしは捨てられた。
彼は、キールは静かに去って行く。
理由は分からない。どうして、なぜ。わたくしの愛が足りなかったのか……それとも、向こうが本当は愛していなかった、とか。
何にしてもこれで三回目。
三回目の婚約破棄。
――もう疲れた。
どんなに尽くしても全員去ってしまう。お金と時間だけが減っていく……。このままでは浪費してしまうばかり。もう諦めるしかないのかなと、実家へ帰宅している最中だった。
三毛猫がわたくしの目の前に現れ、視線をジッと合わせてきた。お腹でも減っているのかなと思って抱き上げようとすると――。
「ノルン様、お悩みなのですね」
「へ……ね、猫が喋った!?」
「ええ、私は『アルヒ』と言います。昔は大賢者だったのですが、ある呪いでこのような姿に。それより、ノルン様には賢者の素養があるようですね……フムフム、その瞳に秘密がありそうです」
アルヒという喋る猫ちゃんは自分を抱き上げてと要求する。ので、わたくしは応えた。わぁ、体がもふもふで温かい。
「わたくしはどうすれば?」
「ノルン様の赤と緑のオッドアイは宝石のようにお美しい。特にその赤色の方は『賢者』の気配を漂わせております」
「ほ、本当に?」
「私でよければ、その力を解放して差し上げましょうか? もしかしたら、素晴らしい力を手に入れられるかもしれません」
素晴らしい、力?
もしそれが本当だとすれば、今の弱い自分を変えるチャンスかもしれない。わたくしは、藁にも縋る思いでアルヒに頼み込んだ。
「お願いです、アルヒさん」
「賢者を導くのが私の役目。承りました」
肉球をわたくしの右目にあてがうアルヒ。ぷにぷにしていて気持ちい……なんて思っていると、目が熱くなってきた。
え、なに……なにこれー!?
「きゃっ……」
「はい、処置完了です。これでノルン様は『相手の愛が見える』ようになったはずです」
「え! なにそれ! 相手の愛が見えるの?」
「ついでに調べたので間違いありません。異性であろうと同性であろうと分け隔てなく相手の『親愛度』を理解できます」
すごい!
親愛度が分かっちゃうとか、もうそれって相手の気持ちが分かるのと一緒じゃない。だったら、こっちからフれるし、傷付く心配もない。
「じゃ、じゃあ試してみていいですか?」
「いいですよ~。じゃあ、私はしばらくノルン様のお屋敷のお世話になりますね」
「場所は――」
「知っているのでご心配なく!」
え……そうなんだ?
ま、まあいいか。
それより、キールの愛を確かめてみよう。
――わたくしは踵を返し、彼のお屋敷へ。ちょうど庭にいたので、こっそり右目で確認する――すると。
「……あ! 彼の頭上に『親愛度:30』の数字が見える。……って、待って。『30』という事は、キールってば本当はわたくしを少しは愛していたの!?」
こっそり伺っていると、別の場所から女性が現れた。二人は抱き合っていた……。あ、数字が落ちていく。
今や『親愛度:0』となってしまった。
そういう仕組みなのね。
時間や行動、現れる相手次第では増えたり減ったりするみたい。どのみち彼は別の女性を取っていた最低男。それがハッキリしただけでも良かった。
それから、わたくしは婚約破棄された一人目のウォレス、二人目のクリフも確認した。一人目が『親愛度:1』、二人目も『親愛度:0』と最低のものだった。どちらも、わたくしの事なんてもう忘れているらしい。
そう、ならもういい。
――この力を手に入れて以来、わたくしは男性を赤い瞳で見続けた。
国中のあらゆる男達を見る日々。
伯爵ギルバート『親愛度:10』、侯爵イアン『親愛度:23』、騎士オーウェン『親愛度:60』、有名錬金術師カーチス『親愛度:37』、方伯ギャレン『親愛度:80』……。
やはり、地位が高いほどに親愛度は低いような気がする。対して地位の低い男性は、わたくしに好意を持っているようだ。
この中だと『ギャレン』が圧倒的だけれど……彼は不倫が絶えないと噂を聞く。そんな最低男、問答無用で却下ね。
やっぱり、わたくしを想ってくれる人なんてそうはいない。……いないわけではないけど、他の女性と関係を持っていたりなど真面な相手がいないと良く理解できた。
運命の人は何処に居るの?
賢者の瞳を使う毎日。
必死に必死に男性を探しては諦める日々。
枕を濡らす夜が続いたけれど、ある日、わたくしは気づいた。国のお城は男性の出入りが多い事に。だから、お城へ入浸ればきっと運命の人と出逢える。そう思った。
「隣国やその周辺地域から交渉や相談にくる貴族が多いですから、可能性はありそうですね」
それからも毎日続け――半年。
ようやく気になる男性に出逢えた。
「あ! 彼、金髪の彼はエドワード様。背が高く、あの優美なお顔……間違いなく隣国の王子様ですね」
物陰に隠れ、彼の動向を探る。
エドワード様はちょうど用事を済まされたようで、こちらに向かっていた。いつものように相手の親愛度を確認する。
すると……
驚くべき事に『親愛度:10』と彼の頭上に出ていた。……って、『10』かぁ。どうやら、わたくしの存在くらいは知っているようだけれど。
はぁ~と溜息を吐いてやり過ごそうと思ったのだけど、何かに背中を押された。……あ、猫のアルヒちゃん……!
おかげでわたくしは体を投げ出され、エドワード様の目の前に姿を出してしまった。
「……いったぁっ」
「……! 君! 大丈夫かい!?」
「ええ、大丈夫です……ちょっと足を擦りむいただけですから」
「美しいそこの君、もしかして公爵令嬢のノルンではないかな。……あ、ケガしているじゃないか」
「わたくしを御存知なのですか」
「うん、君の事で城を訪ねて来たんだ。僕は賢者の血筋を探していた……でも、今はそれよりも君のケガだ。動けるかい?」
立とうとすると痛みで無理だった。
「……っ」
「僕が家までおんぶしあげるよ」
「そ、そんな……王子様に背負って戴くなんて」
「いいからいいから」
「……分かりました」
頼れる人もいなかったし、おんぶをお願いした。彼の背中に乗って、偶然にも数値が見えてしまった。
あら……『親愛度:70』!?
というか、わたくし自身も彼に対して好意が芽生えていた。こんな気持ちになるの、いつ振り以来だろう。
そうして彼に運んでもらい、お屋敷に辿り着く頃には『親愛度:100』になっていた。これが上限。限界値。つまり、100%の片想い……いえ、両想いね。
だから今が告白のチャンス。
「さあ、着いたよ、ノルン」
「あの、エドワード様」
「ん、なんだい」
「……わ、わたくし……助けて戴いて嬉しかったです。だから、その……お屋敷に泊まっていきませんか」
「……ノルン。いいのかい、僕なんかで……」
「い、良いんです。その、このままでよろしければ」
「分かった。君をおんぶしたまま向かうよ」
返事が嬉しくて、わたくしは彼に身を委ねた。
エドワード王子は元々、賢者について調べ回っていたようで、それでわたくしの元を訪ねられたのだとか。でも、まさかの運命の出逢い。彼は、本当は結婚とかそういうつもりもなかったみたいだけど、この出会いが全てを変えたようだ。……良かった、諦めなくて。
今までの苦労がなんだったのだろうと思うくらいに急接近を果たし、わたくしと彼は親密な関係に。三日も経たない内に婚約を交わした。
「幸せになろう、ノルン」
「嬉しいです、エドワード様」
彼からぎゅっと優しく抱かれ、わたくしは本当の愛を感じた。やっと手に入れられたんだ、真の愛を、幸せを――。
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