その方は婚約者ではありませんよ、お姉様

夜桜

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第五話 復讐の炎 Side:ニーナ

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「……マリサ。マリサよくもこの私をこんな目に遭わせたわね!!」

 地下水路に逃げ延びた私は、落ちていたゴミを蹴り飛ばした。
 ここは百年前にある貴族が斬首刑を逃れる為に使った、ちょっとした隠し通路だった。普段は生活水路でしかなく、誰も通ることはない。
 ここなら見つかる心配もないけど……環境は最悪。

 どうして、私が不幸にならなきゃいけないのよ!
 不幸になるべきは妹のマリサよ!!

 こんなの絶対に認めない。

 このどん底から這いあがってマリサを地獄に落としてやる。


『――お~い、ニーナ。どこにいるんだい!?』


 ブレンディが私を追いかけてきたらしい。正直、あの男は信用ならない。


「……!」


 足元には斧があった。
 これであの男を惨殺して……そうよ。
 妹のマリサだって殺してしまえばいいのよ。
 今度は命を奪ってやるわ!

 復讐の炎を抱きながら、私はまずはブレンディを誘き寄せ、斧で殺害。次はマリサよ………。
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