伯爵サマは大嘘をついている

夜桜

文字の大きさ
1 / 1

婚約破棄

しおりを挟む
「ルーン、君にもう魅力はない。婚約破棄してくれッ」
「み、魅力がないって……そんな一方的すぎです!」

「仕方ないだろう。こればかりは……」


 冷たい言葉だけ残し、背を向けるエディ。玄関へ向かってしまう。……そんな、行かないで! あんなに愛し合った仲だったのに!


 追いかけていくと、彼は玄関で立ち尽くしていた。


 そこには、わたしと同じくらいの金髪の少女がいた。あの子は……誰?


「エディ、その子は誰なの?」
「……ルーン、まだいたのか。大丈夫、ライカ。この女性は他人だ」
「そうなの?」

 た、他人って……酷い。
 そんな一瞬でわたしを忘れてしまうほど嫌だったって事なの!? そんなのって……。

「他人ではありません! わたしと伯爵サマは婚約を交わしているんですよ!? 大体、その子はなんですか!」

「……うるさいな。ルーン、君は関係のない事だ」


 そう舌打ちされる伯爵サマは、ライカという少女の肩に手を置き、連れて行こうとする。けれど、その瞬間――。


『グシャッ……』


 と、そんな肉を切る音が響いた。


「…………なッ! 何を……する、ライカ」


 ナイフで右肩を刺される伯爵サマ。
 ライカが刺したのだ。


「……エディ。あなたはお姉様を悲しませた……当然の報いよ」
「ど、どういう事だ……ライカ」
「ルーンは、私のお姉様」


「ま、まさか……そんな」


「よくやったわ、ライカ。で、調べたはついたのね?」
「ええ、お姉様。伯爵サマは、お姉様と私の他に七人の女性と関係を持っていた。全員を誘惑し、中には殺された人もいたわ」

「そうだったの。最近怪しい行動が多いから、何かあると思ったけど……ライカに調べさせて良かったわ。そういうわけで、ごめんなさい、伯爵サマ。死んで」


 地面でジタバタ暴れ回る伯爵サマ。無様ね。


「……かぁっ! ルーン、ライカ……おまえたち………くそぉぉぉおぉ……」


 気絶する伯爵。
 肩を刺されたショックね。
 死にはしない。

 彼には一生牢に入って貰う。



 ~数日後~



 伯爵は殺人罪で捕まって牢に放り込まれた。その噂を聞きつけてやってきた公爵サマに拾われ、わたしはソユーズ公爵サマと婚約を交わす。


「伯爵の件はすまなかったね」
「いいんです。彼は罪もない女性を殺していたんですから……当然の報いなのです」
「ああ、そうだな。これから、私と共に幸せに暮らそう」
「……はい。それがわたしの望みです」


 妹のライカも迎え、公爵サマの下で幸せに暮らした――。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

酔って婚約破棄されましたが本望です!

神々廻
恋愛
「こ...んやく破棄する..........」 偶然、婚約者が友達と一緒にお酒を飲んでいる所に偶然居合わせると何と、私と婚約破棄するなどと言っているではありませんか! それなら婚約破棄してやりますよ!!

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

感情の無い聖女様は、公爵への生贄にされてしまいました

九条 雛
恋愛
「――私など、ただの〝祈り人形〟でございます。人形に感情はありませぬ……」 悪逆非道の公爵の元へと生贄として捧げられてしまった聖女は、格子の付いた窓を見上げてそう呟く。 公爵は嗜虐に満ちた笑みを浮かべ言い放つ。 「これからは、三食きちんと食べてもらおう。こうして俺のモノとなったからには、今までのような生活を送れるとは思わぬことだな」 ――これは、不幸な境遇で心を閉ざしてしまった少女と、その笑顔を取り戻そうとする男の物語。

拝啓~私に婚約破棄を宣告した公爵様へ~

岡暁舟
恋愛
公爵様に宣言された婚約破棄……。あなたは正気ですか?そうですか。ならば、私も全力で行きましょう。全力で!!!

わざわざ証拠まで用意してくれたみたいなのですが、それ、私じゃないですよね?

ここあ
恋愛
「ヴァレリアン!この場をもって、宣言しようではないか!俺はお前と婚約破棄をさせていただく!」 ダンスパーティの途中、伯爵令嬢の私・ヴァレリアンは、侯爵家のオランジェレス様に婚約破棄を言い渡されてしまった。 一体どういう理由でなのかしらね? あるいは、きちんと証拠もお揃いなのかしら。 そう思っていたヴァレリアンだが…。 ※誤字脱字等あるかもしれません! ※設定はゆるふわです。 ※題名やサブタイトルの言葉がそのまま出てくるとは限りません。 ※現代の文明のようなものが混じっていますが、ファンタジーの物語なのでご了承ください。

失礼な人のことはさすがに許せません

四季
恋愛
「パッとしないなぁ、ははは」 それが、初めて会った時に婚約者が発した言葉。 ただ、婚約者アルタイルの失礼な発言はそれだけでは終わらず、まだまだ続いていって……。

私は人形ではありません

藍田ひびき
恋愛
伯爵令嬢アリシアには誰にも逆らわず、自分の意志を示さない。そのあまりにも大人しい様子から”人形姫”と揶揄され、頭の弱い令嬢と思われていた。 そんな彼女はダンスパーティの場でクライヴ・アシュリー侯爵令息から婚約破棄を告げられる。人形姫のことだ、大人しく従うだろう――そんな予想を裏切るように、彼女は告げる。「その婚約破棄、お受けすることはできません」 ※なろうにも投稿しています。 ※ 3/7 誤字修正しました。

最後の婚約破棄

こうやさい
恋愛
 その日、殿下は婚約者である令嬢に皆の前で婚約破棄を言い渡した。  そして予想外の事が起こる。  ……殿下の婚約破棄のというより、語り手が令嬢に対して失恋したという話になってる気が読み返したらしてきたんだけどどうだろう?(おい)  本編以外はセルフパロディです。本編のイメージ及び設定を著しく損なう可能性があります。ご了承ください。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。

処理中です...