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02.ズルい生徒*
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【良い意味でも悪い意味でも賢い高校生×巻き込まれてしまった教育実習生(軽い緊縛・無理やり表現アリ)】
指導教員からもらった情報では、彼は非常に優秀な生徒らしかった。学年トップを争えるくらいに頭がよく、生活態度もいい。周りからも信頼されていて、常にニコニコとしている。
だがそれは、彼の表の顔でしかない。
彼は「大人に何か言われるのはめんどくさいから」という理由でいい子を演じていただけで、実際はとんでもない生徒だった。
「せーんせ。今日終わったら俺の家来てよ」
実習生が生徒とプライベートな関係を持つことは禁止されているため、もちろん断ろうとする。しかし彼は、それを許してはくれなかった。
「断ったらせんせーが俺に暴言吐いたとか言っちゃおっかなー。暴力ふるわれたって言ったらもっと困る?」
彼は他の先生方からの信頼も厚く、そんなことをされては自分の立場が危うくなるのは容易に想像できた。
かと言って、彼の誘いに乗るのも危険だ。生徒と連絡先を交換しただけでもお咎めの対象になるというのに、家になんて行っていいわけがない。
もしバレたら危険なのは彼に従ったとしても同じだ。
「だいじょーぶ。俺、猫かぶり完璧でしょ? 俺の言う通りにしてたら絶対バレないよ」
たしかに彼の立ち回り方は完璧だ。それに暴力をふるったと言われるよりは、まだ特別扱いをしたせいで怒られるほうがこれからの人生に希望がある。
「わかったよ」
だから頷いてしまった。ズルい生徒の口車に、まんまと乗ってしまったのだ。
「なんだよ、これ」
彼の家に来たまでは覚えている。それから紅茶を出されて、倫理観がぶっ飛んだような奴にも常識はあるのかと妙な感心をして、そのお茶を一口飲んで……。そうだ、それから俺は眠ってしまったのだ。
「なにって見たまんまじゃん。俺、人縛るの好きなんだよね」
彼の言う通り、俺は赤い縄で縛られている。ご丁寧に手まできっちりと固定されていて、自由に動かせるのは首から上くらいしかない。SNSのエロ垢があげているような、そんなプレイ目的の縛り方だった。そういう対象として見られているのだとやっと気づいて、体から血の気が引いていく。
「もしかして」
「一目見た時からせんせーのこと縛ってみたかったんだよね。それに、気持ちよさそうな顔も見てみたいなって思った。ただお話するだけだと思ってた? 残念、家にまで呼んだ意味はこういうこと」
縛られた時に服も脱がされてしまったようで、男の急所へと彼が手を伸ばす。
「まだふにゃふにゃだ。せんせーの、可愛いちんこだね」
「っるせぇ。こんなの犯罪だぞ」
「バレなきゃ犯罪じゃないんです~。せんせーは他の誰かにこのこと言えないでしょ」
調子に乗った子どもに一泡吹かせてやりたいのに、手も足も出すことができない。自分にできるのは、彼に翻弄されることだけだった。
「んんっ、ふぅっ……」
「もう、せっかく猿轡はつけないようにしてあげたのに」
なけなしのプライドを守るため、せめて声だけは出ないようにと唇をぐっと噛んでこらえる。本当にこれくらいしか、彼に対抗する術がなかった。
「まぁいいや、ずっとそうしてはいられないだろうし」
しかしそれも彼を煽る材料にしかならなかったようで、彼は楽しそうにアダルトな玩具を取り出す。なんで未成年がそんなのを持っているのかと𠮟りたかったが、もう彼に何を言っても無駄な気もした。店員さんも、彼の大人っぽい雰囲気や丁寧な対応に騙されてしまったのだろう。
「これからいーっぱい遊ぼうね」
暴力沙汰になるのは嫌だと我が身可愛さについていったその日から、彼の手に囚われ続けている。
指導教員からもらった情報では、彼は非常に優秀な生徒らしかった。学年トップを争えるくらいに頭がよく、生活態度もいい。周りからも信頼されていて、常にニコニコとしている。
だがそれは、彼の表の顔でしかない。
彼は「大人に何か言われるのはめんどくさいから」という理由でいい子を演じていただけで、実際はとんでもない生徒だった。
「せーんせ。今日終わったら俺の家来てよ」
実習生が生徒とプライベートな関係を持つことは禁止されているため、もちろん断ろうとする。しかし彼は、それを許してはくれなかった。
「断ったらせんせーが俺に暴言吐いたとか言っちゃおっかなー。暴力ふるわれたって言ったらもっと困る?」
彼は他の先生方からの信頼も厚く、そんなことをされては自分の立場が危うくなるのは容易に想像できた。
かと言って、彼の誘いに乗るのも危険だ。生徒と連絡先を交換しただけでもお咎めの対象になるというのに、家になんて行っていいわけがない。
もしバレたら危険なのは彼に従ったとしても同じだ。
「だいじょーぶ。俺、猫かぶり完璧でしょ? 俺の言う通りにしてたら絶対バレないよ」
たしかに彼の立ち回り方は完璧だ。それに暴力をふるったと言われるよりは、まだ特別扱いをしたせいで怒られるほうがこれからの人生に希望がある。
「わかったよ」
だから頷いてしまった。ズルい生徒の口車に、まんまと乗ってしまったのだ。
「なんだよ、これ」
彼の家に来たまでは覚えている。それから紅茶を出されて、倫理観がぶっ飛んだような奴にも常識はあるのかと妙な感心をして、そのお茶を一口飲んで……。そうだ、それから俺は眠ってしまったのだ。
「なにって見たまんまじゃん。俺、人縛るの好きなんだよね」
彼の言う通り、俺は赤い縄で縛られている。ご丁寧に手まできっちりと固定されていて、自由に動かせるのは首から上くらいしかない。SNSのエロ垢があげているような、そんなプレイ目的の縛り方だった。そういう対象として見られているのだとやっと気づいて、体から血の気が引いていく。
「もしかして」
「一目見た時からせんせーのこと縛ってみたかったんだよね。それに、気持ちよさそうな顔も見てみたいなって思った。ただお話するだけだと思ってた? 残念、家にまで呼んだ意味はこういうこと」
縛られた時に服も脱がされてしまったようで、男の急所へと彼が手を伸ばす。
「まだふにゃふにゃだ。せんせーの、可愛いちんこだね」
「っるせぇ。こんなの犯罪だぞ」
「バレなきゃ犯罪じゃないんです~。せんせーは他の誰かにこのこと言えないでしょ」
調子に乗った子どもに一泡吹かせてやりたいのに、手も足も出すことができない。自分にできるのは、彼に翻弄されることだけだった。
「んんっ、ふぅっ……」
「もう、せっかく猿轡はつけないようにしてあげたのに」
なけなしのプライドを守るため、せめて声だけは出ないようにと唇をぐっと噛んでこらえる。本当にこれくらいしか、彼に対抗する術がなかった。
「まぁいいや、ずっとそうしてはいられないだろうし」
しかしそれも彼を煽る材料にしかならなかったようで、彼は楽しそうにアダルトな玩具を取り出す。なんで未成年がそんなのを持っているのかと𠮟りたかったが、もう彼に何を言っても無駄な気もした。店員さんも、彼の大人っぽい雰囲気や丁寧な対応に騙されてしまったのだろう。
「これからいーっぱい遊ぼうね」
暴力沙汰になるのは嫌だと我が身可愛さについていったその日から、彼の手に囚われ続けている。
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