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皇女と治癒
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少年を助けてから数日経ったけど、治癒の方法が見つからない。
ユシルのように、熱があるわけでもないし。
トラウマのせいだろうな。
精神用の薬や魔法は危ないから、使っちゃダメだし。
どうしよう。
どんどん弱ってきてる。
「狼くん、おはよう。って、あれ?狼くん!?」
ある日、朝起きると、狼の姿がどこにもなかった。
死ぬほど反抗しておいて、断食のようなものを初めて、飢えたままもりの奥に入ったら…
「まずい!助けなくちゃ!」
まだ眠っているユシルをコアに任せて、私は急いで着替えて家を飛び出した。
まだ遠くに行ってないはず。
走りながら、私は目を瞑った。
【感知】
新しい技、感知。
目を瞑れば、森の中で何がどこにいるのかがわかるようになる。
幼い狼、幼い狼。
見つけた!
箒を取り出し、私は少年の元に向かった。
感知を使いながら高速で飛んでいると、狼少年の周りに何かいるのを感じた。
熊の魔物。
やばいやばいやばい!!
目的地に飛び降りると、私は地面を撫でた。
地から光が溢れ出し、揺れ始めた。
【ダスト】
熊は一瞬は散り散りになった。
「大丈夫?家出はだめよ。」
震えている細い体を持ち上げると、私は家に帰った。
その日から少年はご飯を食べてくれるようになった。
すこしずつ、すこしずつ。
「生きてね。」
私は狼少年の頭を撫でながらぼそっと呟いた。
「さな!外行こう!」
「いいよ。」
少しだけ歩けるようになったユシルは、前よりも元気になった。
狼を頭に乗せて、ユシルの小さな手を握りながら、庭で遊ぶ。
あぁ。めっちゃ平和だなあ。
『助けて!』
にこやかに微笑んでいると、また声が聞こえた。
オオカミも聞こえたみたいで、一瞬固まった。
あれ、空耳じゃなかったんだ。
狼は不安そうな顔でユシルの頭から降りると、私の目の前まで走ってきた。
そして、「クゥーン」と鳴くと、煙に包まれた。
目を一瞬だけ閉じて、もう一度開けると、狼はそこにはいなかった。
その代わりに、6歳くらいの少年が私の手を握っていた。
「マシロを、助けて…」
泣きそうな顔で少年は頼んできた。
マシロ?マシロって誰?
この子は、あの狼だよね?
「えっと、マシロちゃんのことを助けて欲しいのね。あなたの名前は?」
目線を合わせて聞いてみると、少年は泣いてしまった。
「ううっ。うわーん!」
「さな!その子泣かせたの?」
後ろからよちよちと歩いてきたユシルがショックを受けたような顔で見てきた。
「ち、違うよ。この子、あの狼なんだけど、とりあえず家に帰ろう。」
少年を片手に、ユシルを片手に抱き上げ、家に帰ると、二人をソファーの上に座らせた。
「怖かったのかな?大丈夫だよ。」
「うっ、ううっ。ぐすっ。」
どうしよう。泣き止まないよー!
ユシルのように、熱があるわけでもないし。
トラウマのせいだろうな。
精神用の薬や魔法は危ないから、使っちゃダメだし。
どうしよう。
どんどん弱ってきてる。
「狼くん、おはよう。って、あれ?狼くん!?」
ある日、朝起きると、狼の姿がどこにもなかった。
死ぬほど反抗しておいて、断食のようなものを初めて、飢えたままもりの奥に入ったら…
「まずい!助けなくちゃ!」
まだ眠っているユシルをコアに任せて、私は急いで着替えて家を飛び出した。
まだ遠くに行ってないはず。
走りながら、私は目を瞑った。
【感知】
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目を瞑れば、森の中で何がどこにいるのかがわかるようになる。
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見つけた!
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感知を使いながら高速で飛んでいると、狼少年の周りに何かいるのを感じた。
熊の魔物。
やばいやばいやばい!!
目的地に飛び降りると、私は地面を撫でた。
地から光が溢れ出し、揺れ始めた。
【ダスト】
熊は一瞬は散り散りになった。
「大丈夫?家出はだめよ。」
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その日から少年はご飯を食べてくれるようになった。
すこしずつ、すこしずつ。
「生きてね。」
私は狼少年の頭を撫でながらぼそっと呟いた。
「さな!外行こう!」
「いいよ。」
少しだけ歩けるようになったユシルは、前よりも元気になった。
狼を頭に乗せて、ユシルの小さな手を握りながら、庭で遊ぶ。
あぁ。めっちゃ平和だなあ。
『助けて!』
にこやかに微笑んでいると、また声が聞こえた。
オオカミも聞こえたみたいで、一瞬固まった。
あれ、空耳じゃなかったんだ。
狼は不安そうな顔でユシルの頭から降りると、私の目の前まで走ってきた。
そして、「クゥーン」と鳴くと、煙に包まれた。
目を一瞬だけ閉じて、もう一度開けると、狼はそこにはいなかった。
その代わりに、6歳くらいの少年が私の手を握っていた。
「マシロを、助けて…」
泣きそうな顔で少年は頼んできた。
マシロ?マシロって誰?
この子は、あの狼だよね?
「えっと、マシロちゃんのことを助けて欲しいのね。あなたの名前は?」
目線を合わせて聞いてみると、少年は泣いてしまった。
「ううっ。うわーん!」
「さな!その子泣かせたの?」
後ろからよちよちと歩いてきたユシルがショックを受けたような顔で見てきた。
「ち、違うよ。この子、あの狼なんだけど、とりあえず家に帰ろう。」
少年を片手に、ユシルを片手に抱き上げ、家に帰ると、二人をソファーの上に座らせた。
「怖かったのかな?大丈夫だよ。」
「うっ、ううっ。ぐすっ。」
どうしよう。泣き止まないよー!
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