裏切られた人生に

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第2章

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「始め!」

 合図とともに2つの剣の音が鳴り響く。すると突然視界が霧に覆われた。

「ラウル!ずるいぞ!」

 ジェイが大声でそう叫ぶと、背後に気配を感じすぐに振り向いて剣を振り下ろす。しかしそこには誰もいない。するとすぐにラウルが後ろから現れてジェイの首に短剣が当たると思ったその時、剣を持っていた方の手をジェイに蹴られて短剣を落としてしまい、気づくとラウルは馬乗りにされていた。

「早くどけ」

 ラウルは冷たく言ったが、ジェイはニヤニヤと笑みを浮かべていた。

「最初に会った時から4年も経ったのに釣れないなぁ。それに魔法使うの反則だろ」

「・・・・・・・・俺が本気で魔法を使えば勝てた。だから、魔法は使ってない」

 ラウルはそういうとさっと顔を横に向けた。

「なんだその暴論」

(くそッ。絶対に今回は勝てたと思ったのに・・・・・・・・剣を振り下ろしたら普通攻撃できないだろ。なんだよあの足蹴り)

 すると横でずっと見ていたエトムントが手をパンパンっと叩いて近づいて来た。

「ジェイ。さっさとよけろ」

 エトムントにそう言われてジェイは立ち上がり、寝転んでいたラウルの手を引いた。

「ラウル君今回は惜しかったね。タイミングや判断はとても優れている。が、まだスピードが足りない。それに相手の動きをしっかり見ないとな」

「はい。・・・・・・・・気をつけます」

 そしてエトムントはジェイの方を見て息を吐いた。

「ジェイ。お前は気配がしたからといって安易に剣を振るな。それに霧の中でも必ず相手の気配を探るように」

「じゃあ少し休憩を取る」

 エトムントはそう言って屋敷へと戻って行った。


「ラウルはなかなか筋肉がつかないな。さっき触ったとき細くて折れそうだったぞ」
 
 そう言われたラウルはジェイの体つきをじっと見てそっけなく言葉を返した。

「うるさい」 

(なんで同じトレーニングをしててコイツは俺よりもでかいんだ。それにもう筋肉も結構ついてるし)

 するとジェイはラウルの右手をそっと取り、優しく撫でた。

「俺が蹴ったとこ怪我してないか?」

 ラウルは触れられた手をすぐに引っ込めてジェイから距離を取る。

「前から言ってるが気安く触るな。あと俺はそんなにか弱くない」

「心配しただけだ。そんな威嚇した猫みたいに気を張らなくてもいいだろ」

 そう言ってジェイは優しい目でラウルを見つめていた。





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