条件は死なないこと

雪椿

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 町が近づくにつれて人の列が見えてきました。最後尾に並んで順番を待つしかないようです。町に入ると時は特に手続きなどの必要はなく、ただ門をくぐるだけでいいそうです。なんでも、門に魔法が施してあり、罪人は詰所の一室に送還される仕組みになっているのだとか。魔法とはつくづく便利ですね。そんなことを1人で考えていると順番が来て、無事に町の中に入れました。まず目指すのは、宿屋です。早めに見つけなければ、1人部屋はすぐに埋まってしまいます。さすがに赤の他人と一緒の部屋は嫌です。慣れていないので、どこでぼろが出るか分かりません。落ち着ける空間を確保するのは最優先事項です。ということで、私は今この町で一番料金の高い宿の前に来ています。安全=金がかかる。これは、この世界の常識です。幸い、神様は私の手持ちのお金をたくさん用意してくれたので、しばらくは遊んでいても暮らせそうです。宿の最高級の客室を当面の宿泊場所に決めました。前金でしっかり払ったので、宿側も快く受け入れてくれました。怪しまれなくて何よりです。いくら神様からのお金があるとはいえ、”備えあれば憂いなし”とは、よく言ったものです。宿が決まれば収入の確保に努めなければ。

 次にやってきたのは、商人組合。ここで、ポーションの買い取りをしてもらいます。自分での販売も考えましたが、まずは組合で販売してもらい、安定して顧客がつくようになってから店を構えたほうがリスクが少ないようなので、組合に商品を卸ます。品質によって価格はばらつきが出るとのことですが、毎日150本のポーションをおろすことで、15.000マルの支払いという契約でまとまりました。1マル=1円と考えてもらえると分かりやすいはずです。たいてい人は、1日に5.000マルを稼ぐそうなので、良い契約を交わせたと思います。ポーションは薬なので高額で取引がされます。しかも作成できる人が限られるため、質がいいものはより高額となるようです。
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