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そこで出会ってしまったのです。漆黒の翼を持つ男性に。
部屋に入ってきたのは5人。どの方も綺麗な男性でした。女性は1人もいませんでした。なんでも、数日前に気前のいい冒険者が女性を数人買っていったとか。そのため男性しか今はいないとのことでした。
最後に入室した男性に私は心を奪われてしまいました。綺麗な黒い翼。漆黒の髪・瞳。スラリと伸びた体。均整の取れた彫刻のようでした。動いていなければ、彫刻と思うほどだったのです。私は、自分の語彙力・表現力の少なさを呪ってしまうほどその方に見とれてしまいました。
彼の名前はアラン。翼を持つ貴重な種族。けれど・・同時に高い魔力も必要としているために生きることさえ難しいとされている種族だそうです。商人が差し出したプロフィールにはそう書かれていました。
印象的な瞳にはなにも映していない。自分の生死さえも関心がなさそうでした。
・・・まるで神様に拾われる前の私のよう。ただ息をしているだけ。
そんな瞳が他者に与える印象がこんなにも複雑だと初めて知りました。悲しくて・つらくて・もどかしい。何と名づけていいか分からない感情。
「アランをください。」
私はそう商人に伝えていました。
部屋に入ってきたのは5人。どの方も綺麗な男性でした。女性は1人もいませんでした。なんでも、数日前に気前のいい冒険者が女性を数人買っていったとか。そのため男性しか今はいないとのことでした。
最後に入室した男性に私は心を奪われてしまいました。綺麗な黒い翼。漆黒の髪・瞳。スラリと伸びた体。均整の取れた彫刻のようでした。動いていなければ、彫刻と思うほどだったのです。私は、自分の語彙力・表現力の少なさを呪ってしまうほどその方に見とれてしまいました。
彼の名前はアラン。翼を持つ貴重な種族。けれど・・同時に高い魔力も必要としているために生きることさえ難しいとされている種族だそうです。商人が差し出したプロフィールにはそう書かれていました。
印象的な瞳にはなにも映していない。自分の生死さえも関心がなさそうでした。
・・・まるで神様に拾われる前の私のよう。ただ息をしているだけ。
そんな瞳が他者に与える印象がこんなにも複雑だと初めて知りました。悲しくて・つらくて・もどかしい。何と名づけていいか分からない感情。
「アランをください。」
私はそう商人に伝えていました。
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