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第2章 猫の餌付け? あるいは比較的平和な釣りと採取の日々
第20話 それなりに収穫があった一日
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昨日は行かなかったし、今日は冒険者ギルドに依頼を探しに行こうか。
そう思ったけれど、お金はまだまだある。
そして俺はこの世界の常識をまだ知らない。
なら勉強を優先した方がいいだろう。C級冒険者の試験に受かるまでは。
なので、
〇 昨日余った野菜を使ったスープ
〇 ミーニャさんから貰った舌平目の干物を焼いたもの
〇 パン
という朝食を作って食べた後、勉強に取りかかる。
教本を読んで、重要そうなところはノートにメモして。
それを3時間くらいやったところで流石に疲れて休憩。
とりあえず今の3時間でこの国の基本的な地理は理解した。
この国は南大陸とよばれる陸地の北西部に位置する。
今いるドーソンはその中でも西側。
そしてこの国の栄えている部分は北側と東北側だ。
西南部はこの辺以上に田舎で、中部から南、東は沙漠地帯。
つまり今俺がいるドーソンとか生まれ育ったキヌル村は『一応開発されてはいるけれど、結構田舎』という場所だ。
さて、この国の地理、地形と主な街、地域についてひととおり読んだところで腹が減った。
さっき11時半の鐘が鳴ったから、そろそろ昼食でいいだろう。
朝の残りを食べながら、午後はどうしようかと考える。
一日中机にしがみついているのも身体に悪そうだ。
少し外へ出てみよう。そう思って思いつく。
そうだ。時間的にはそろそろ干潮だ。
なら干潮時の海の様子を確認しに行こう。
パンをかじってスープで流して昼食完了。
一応釣り道具を魔法収納に入れて、梯子から海へ。
思ったより潮が引いている。
大体40m程度、海が後退している感じだ。
ならば潮干狩りなんてのは可能だろうか。
靴を脱いで裸足で浅い辺りに入ってみる。
足で砂を軽く掘って貝を探す作戦だ。
かかとを中心にひねる形で砂を掘り貝を探す。いなければその横、そして横……
うん、いる。アサリかヒラガイかわからないけれど、そこここに。
30個位拾って、そして思いついた。そうだ、貝を餌にして釣りが出来そうだと。
ならという事で真剣に貝採りモードに突入。
勿論魔法を使えば簡単だ。
砂底のある程度の領域を意識し、貝だけを収納すると意識してやればいい。
ただし漁業組合のバラモさんが言っていた。
『魔法で全部根こそぎとるとかなら話は別だがよ』
となると魔法で一気に、はまずい気がする。
なので原始的に足で探す方法で挑戦。
この方法でもこの場所でなら結構捕れるようだから。
30分位掘って収納してを繰り返して、ふと思った。
此処以外の場所はどんな感じだろうと。
ここは砂浜だけれど、東側へ行けば岩場があるし、河口部直近の沖側は干潟っぽくなっている。
岩場か干潟か。10秒程悩んだ末に決めた。今日は干潟だ。大潮で目一杯引いている干潟なんてチャンスは、滅多にない。
そう決めたら少しでも潮が満ちる前に移動。ステータスシートにあった、前世では使った事がない魔法を起動してみる。
『水上歩行魔法』
すっと視界が上がった。足の裏が砂底とは違う感触を感じる。
なるほど、水面を踏む事が出来る魔法という訳か。
それも波で始終上下する訳で無い。波がある時と無い時の平均的な高さを維持出来るようだ。
最初は歩いて、そのうち早足、そして小走り程度の速さで水上を走る。
魔法無しで砂浜を走るよりよっぽど走りやすい。魔力をじりじり消費している感じがするけれど。
河口部へ。どうやら川の向こう側、川沿い部分がいい感じの気がする。
なので川を小走りで渡って、泥っぽい砂の上に着地。
この水上歩行魔法、便利だけれど魔力消費が激しいようだ。
なのでここからは普通に歩くとしよう。
さて、ちょうどいい感じに砂泥底が出ている。
こういう場所は確か、マテ貝とかアナジャコとかが捕れると前世の本に書いてあった。
大潮の時の干潮時に海に行く、なんて事が出来る生活では無かったので試していないけれど。
確か必要な道具は、
○ 砂を掘るための鍬
○ 穴に突き刺す筆(アナジャコ用)
○ 穴に振り入れるための塩(マテ貝用)
といった感じだったと思う。
鍬は魔法収納内の鉄と流木で作れる。
筆そのものを作るのは面倒だ。しかし今回必要な代用品くらいなら流木で何とか作れる。
塩は海水を脱水すればいいだけだ。
食用の塩を作る場合は二段階に脱水してにがり成分を除く必要がある。しかし今回はそこまでしなくても大丈夫だろう。
魔法収納内で瞬時に作った鍬で、泥を5cm位の深さで掘る。
この時に大きめの丸い穴が出現すればアナジャコの穴。
それより小さく菱形または楕円形の穴があればマテ貝の穴。
穴が小さいのはゴカイとかその辺。
細長かったり歪なのはカニあたり。
勿論この辺は書物で読んだ知識だ。
実際に現場に行って、穴を掘るのは初めて。
だから少しずるをさせて貰おう。具体的には透視魔法で土中を確認。
此処よりもう少し沖寄りの方がそれらしい穴が多いようだ。
という事で移動。穴を崩さないように土をかき分けると、あるある、幾つもの穴が。
大きい丸い穴に、流木を筆くらいの太さに切って、片側を細い繊維状態にしたものを突っ込む。
残った小さめの穴には魔法収納で作った塩を小さじ一杯程度ずつ入れまくる。
おっと、筆代用の流木片が動き始めた。かかったな。
ゆっくり引き上げて、ここぞと思ったところで穴に指を入れアナジャコを押さえ込む。
人差し指で押さえ込んで、親指で穴を広げて、そして一気に引っ張り出す。
よし、アナジャコ、ゲットだ!
なんて思ったら今度は塩を撒いた穴の一つからひゅっと茶色い棒状の物がでてきた。
一瞬何だと思って、そしてすぐ気づく。
マテ貝だ。
穴に戻る前に捕まえる。後はゆっくり引っこ抜けばいい。
しかしマテ貝、案外抵抗する。
無理矢理引っ張るとちぎれると本には書いてあった。だから無理は出来ない。
しかし俺には魔法がある。魔法収納。泥だらけのままだけれど、何とかゲットだ。
なんて思ったら他の穴からマテ貝が……
◇◇◇
午後2時半の鐘が鳴った少し後。潮が満ちて作業続行が不可能な状態になった。
しかし掘って捕ってを繰り返しまくった結果、
〇 アナジャコ 8匹
〇 マテ貝 18本
〇 シジミっぽい貝 100個くらい?
〇 大きい二枚貝(ホンビノス?)28個
と、本命以外も含めて結構採る事に成功。
最初の潮干狩りで捕ったアサリかヒラガイか71個とあわせ、釣り餌には充分な数を確保出来たと思う。
明日はこの辺を餌にして釣りだ。
明日は朝6時が満潮だから、7時くらいがいい感じで潮が動く時間だろう。
その辺を目安に、今日は行かなかった岩場の方へ行ってみよう。
そう思ったけれど、お金はまだまだある。
そして俺はこの世界の常識をまだ知らない。
なら勉強を優先した方がいいだろう。C級冒険者の試験に受かるまでは。
なので、
〇 昨日余った野菜を使ったスープ
〇 ミーニャさんから貰った舌平目の干物を焼いたもの
〇 パン
という朝食を作って食べた後、勉強に取りかかる。
教本を読んで、重要そうなところはノートにメモして。
それを3時間くらいやったところで流石に疲れて休憩。
とりあえず今の3時間でこの国の基本的な地理は理解した。
この国は南大陸とよばれる陸地の北西部に位置する。
今いるドーソンはその中でも西側。
そしてこの国の栄えている部分は北側と東北側だ。
西南部はこの辺以上に田舎で、中部から南、東は沙漠地帯。
つまり今俺がいるドーソンとか生まれ育ったキヌル村は『一応開発されてはいるけれど、結構田舎』という場所だ。
さて、この国の地理、地形と主な街、地域についてひととおり読んだところで腹が減った。
さっき11時半の鐘が鳴ったから、そろそろ昼食でいいだろう。
朝の残りを食べながら、午後はどうしようかと考える。
一日中机にしがみついているのも身体に悪そうだ。
少し外へ出てみよう。そう思って思いつく。
そうだ。時間的にはそろそろ干潮だ。
なら干潮時の海の様子を確認しに行こう。
パンをかじってスープで流して昼食完了。
一応釣り道具を魔法収納に入れて、梯子から海へ。
思ったより潮が引いている。
大体40m程度、海が後退している感じだ。
ならば潮干狩りなんてのは可能だろうか。
靴を脱いで裸足で浅い辺りに入ってみる。
足で砂を軽く掘って貝を探す作戦だ。
かかとを中心にひねる形で砂を掘り貝を探す。いなければその横、そして横……
うん、いる。アサリかヒラガイかわからないけれど、そこここに。
30個位拾って、そして思いついた。そうだ、貝を餌にして釣りが出来そうだと。
ならという事で真剣に貝採りモードに突入。
勿論魔法を使えば簡単だ。
砂底のある程度の領域を意識し、貝だけを収納すると意識してやればいい。
ただし漁業組合のバラモさんが言っていた。
『魔法で全部根こそぎとるとかなら話は別だがよ』
となると魔法で一気に、はまずい気がする。
なので原始的に足で探す方法で挑戦。
この方法でもこの場所でなら結構捕れるようだから。
30分位掘って収納してを繰り返して、ふと思った。
此処以外の場所はどんな感じだろうと。
ここは砂浜だけれど、東側へ行けば岩場があるし、河口部直近の沖側は干潟っぽくなっている。
岩場か干潟か。10秒程悩んだ末に決めた。今日は干潟だ。大潮で目一杯引いている干潟なんてチャンスは、滅多にない。
そう決めたら少しでも潮が満ちる前に移動。ステータスシートにあった、前世では使った事がない魔法を起動してみる。
『水上歩行魔法』
すっと視界が上がった。足の裏が砂底とは違う感触を感じる。
なるほど、水面を踏む事が出来る魔法という訳か。
それも波で始終上下する訳で無い。波がある時と無い時の平均的な高さを維持出来るようだ。
最初は歩いて、そのうち早足、そして小走り程度の速さで水上を走る。
魔法無しで砂浜を走るよりよっぽど走りやすい。魔力をじりじり消費している感じがするけれど。
河口部へ。どうやら川の向こう側、川沿い部分がいい感じの気がする。
なので川を小走りで渡って、泥っぽい砂の上に着地。
この水上歩行魔法、便利だけれど魔力消費が激しいようだ。
なのでここからは普通に歩くとしよう。
さて、ちょうどいい感じに砂泥底が出ている。
こういう場所は確か、マテ貝とかアナジャコとかが捕れると前世の本に書いてあった。
大潮の時の干潮時に海に行く、なんて事が出来る生活では無かったので試していないけれど。
確か必要な道具は、
○ 砂を掘るための鍬
○ 穴に突き刺す筆(アナジャコ用)
○ 穴に振り入れるための塩(マテ貝用)
といった感じだったと思う。
鍬は魔法収納内の鉄と流木で作れる。
筆そのものを作るのは面倒だ。しかし今回必要な代用品くらいなら流木で何とか作れる。
塩は海水を脱水すればいいだけだ。
食用の塩を作る場合は二段階に脱水してにがり成分を除く必要がある。しかし今回はそこまでしなくても大丈夫だろう。
魔法収納内で瞬時に作った鍬で、泥を5cm位の深さで掘る。
この時に大きめの丸い穴が出現すればアナジャコの穴。
それより小さく菱形または楕円形の穴があればマテ貝の穴。
穴が小さいのはゴカイとかその辺。
細長かったり歪なのはカニあたり。
勿論この辺は書物で読んだ知識だ。
実際に現場に行って、穴を掘るのは初めて。
だから少しずるをさせて貰おう。具体的には透視魔法で土中を確認。
此処よりもう少し沖寄りの方がそれらしい穴が多いようだ。
という事で移動。穴を崩さないように土をかき分けると、あるある、幾つもの穴が。
大きい丸い穴に、流木を筆くらいの太さに切って、片側を細い繊維状態にしたものを突っ込む。
残った小さめの穴には魔法収納で作った塩を小さじ一杯程度ずつ入れまくる。
おっと、筆代用の流木片が動き始めた。かかったな。
ゆっくり引き上げて、ここぞと思ったところで穴に指を入れアナジャコを押さえ込む。
人差し指で押さえ込んで、親指で穴を広げて、そして一気に引っ張り出す。
よし、アナジャコ、ゲットだ!
なんて思ったら今度は塩を撒いた穴の一つからひゅっと茶色い棒状の物がでてきた。
一瞬何だと思って、そしてすぐ気づく。
マテ貝だ。
穴に戻る前に捕まえる。後はゆっくり引っこ抜けばいい。
しかしマテ貝、案外抵抗する。
無理矢理引っ張るとちぎれると本には書いてあった。だから無理は出来ない。
しかし俺には魔法がある。魔法収納。泥だらけのままだけれど、何とかゲットだ。
なんて思ったら他の穴からマテ貝が……
◇◇◇
午後2時半の鐘が鳴った少し後。潮が満ちて作業続行が不可能な状態になった。
しかし掘って捕ってを繰り返しまくった結果、
〇 アナジャコ 8匹
〇 マテ貝 18本
〇 シジミっぽい貝 100個くらい?
〇 大きい二枚貝(ホンビノス?)28個
と、本命以外も含めて結構採る事に成功。
最初の潮干狩りで捕ったアサリかヒラガイか71個とあわせ、釣り餌には充分な数を確保出来たと思う。
明日はこの辺を餌にして釣りだ。
明日は朝6時が満潮だから、7時くらいがいい感じで潮が動く時間だろう。
その辺を目安に、今日は行かなかった岩場の方へ行ってみよう。
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