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第8話 お土産と使い方
41 お土産の使い方⑵
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解体には最低でも4~5時間はかかるだろう。
全知から事前に、こんな説明を聞いている。
『猪の解体には、体重100kg程度のものでも、慣れた大人4人で4時間程度かかります。今回は280kgと大型ですので、それ以上の時間がかかるでしょう』
今は午後2時20分。終わった頃には周囲はもう暗いだろう。
それでも解体は、明日に持ち越すなんて事は出来ない。だからまあ、仕方ない。
差し当たって私は、焼き肉用のタレ作成とかもつ煮込みの準備をしておこう。
あとはハーブ代わりになりそうな野草の採取なんてのも。保存用のガチガチの塩漬けではなく、パンチェッタっぽいのを作りたいから。
あと細葉樫のスモークで、ベーコンも出来るかな。
焦ることはない。どうせ時間は山ほどある。
そう思った時だった。全知がこう知らせてきたのだ。
『猪の解体について訂正します。思ったより早く、2時間かからないうちに解体できそうです』
えっ、何故?
『ブルージュによって、現場で魔法を使用して洗ったことにより、体表についたダニ等が取り除かれていました。
また獲ってまだ2時間経っていないので、死後硬直が始まっていません。また冷却魔法で殺した為、内臓を含む全体が冷えています。ですから通常なら死後硬直が解けるまで冷やすところ、すぐに解体作業を開始する事が出来ました』
なるほど、通常はここまですぐに解体は始められないのか。
『その通りです。なお血抜きも、動かす魔法と脱水する魔法を使って、ごく短時間に終わらせています。
内臓を出して、内部の血を洗い流す作業についても、
① 見て認識した場所を力の魔法で切断
② 力の魔法で、内臓をごっそり取り出す
③ 認識した場所に水を出す魔法を使用して洗浄
という要領で、僅か5分程度で完了しました』
現場を見てみる。ちょうどロシュとブルージュが、ざっと洗った内臓の半分位を、うちの巨大寸胴鍋に入れたところだった。
なので即時回収。収納内で、魔法を使ってしっかりと洗っておく。
『内臓を取り出し腹腔内を洗ったら、皮を剥ぐ作業です。頭や尻尾、足先を切り落とし、皮を剥ぐ作業となります。ここでも切断には力の魔法を使用しています。
また皮を剥ぐのに、
① 皮の脂身部分に魔法で熱を加えて剥がれ易くして
② 皮部分と身部分をしっかり認識して力魔法を使うことにより、皮を剥がす
という方法を使用しています。
通常はこれだけで数時間はかかる作業ですが、この調子では30分かからずに完了しそうです』
なるほど。
それが終われば、あとは……
『一頭分の骨がついた状態を、部位毎にわけ、骨を取って肉にする作業です。この作業もいままでの様子からみると、かなり早く出来上がってしまうと思われます。
以上により、解体完了時刻を、午後4時頃に訂正します』
何というか……
魔法を与えたのは私だ。しかし、こういう使いこなし方をするとは思わなかった。
現場の、皮を剥ぐ作業をじっくり見てみる。
① 子供達3人が皮の端を持ってゆっくり引っ張って
② 大人男性2人が皮と身の間を見ながら、境目に熱の魔法をかけていく
③ その後ろからクエルチェが、力の魔法で皮を剥がす
こんな感じで、いい感じの速さで進んでいる。
これなら確かに、かなり早く済みそうだ。
ならブルージェの期待に応える為にも、料理の準備をきっちりやっておこう。
取り敢えずは焼き肉風に焼くのと、味噌煮込みでいいだろか。
残念ながら豚のモツ煮込み、私は作った事がない。
遠く東の埼玉では、うどん屋でモツ煮込みを食べる事が出来ると聞いている。しかし讃岐にはそんな文化はない。うどん屋で一緒に頼むのはおでんだ。
ただモツ煮込み、一応は食べた経験がある。だから全知の力を借りれば調理には問題無いだろう。
『ショウガに近い野菜と、ネギに似た野菜が必要です。ケカハの南西側の山麓地帯にある……』
という事で、まずは材料採取から開始する。
◇◇◇
味噌味のモツ煮込みは、何とかいい感じに甘辛く仕上がった。
冷やして倒したからか、小麦粉や塩、更には焼酎で洗ったのが良かったのか、それとも香味野菜のおかげなのか、臭いはほとんどない。
これと豆腐と、あとビールがあれば、ご機嫌になれそうな味だ。
あとこの汁にうどんを突っ込んでも美味しい気がする。
そういう料理、名古屋あたりにありそうだけれど。
味噌だれに漬けた味付きホルモンっぽいのも作った。
これは食べる直前、自分で魔法で加熱して頂く。
ちゃんと鉄板も用意したので、焼き肉風に焼いてもいい。
鉄板では、後でロシュ達が持ってくるだろう、バラ肉というかハラミも焼く予定だ。
味醂の甘さが効いた焼き肉のタレも用意してある。
なら主食は御飯だろうと言われそうだけれど、此処はケカハ。
米が出来る環境にないから、やっぱりうどんで。
今日は釜揚げ状態で、あえて何もつけずに出すつもりだ。
モツ煮込みうどんにしようと、焼き肉&うどんにしようと、その辺はお任せという事で。
私はやっぱり、うどんには出汁醤油だけれど。
ロシュとブルージュが帰ってくるのが見える。
手に抱えているのは、村共用の素焼きの皿に載っかった肉の塊。
予定通りバラ肉、それもカルビっぽい肉だ。
なら焼いたりベーコンにしたりパンチェッタにしたり……角煮もいいな。
あとブルージュが、とにかく嬉しそうだ。
用意したモツ煮込みと焼き肉セットが、期待に応えてくれるといいけれど。
こっちの棟の入口までは、迎えに行こう。
私は立ち上がって、リビングを出る。
※ 埼玉には、うどん屋にモツ煮込みがある
代表的なのが『山田うどん』チェーン。でも埼玉県下ならそれ以外のうどん店(立ち食いそば店含む)でも、結構出していると思います。あくまで書き手の個人的な感覚ですけれど。
全知から事前に、こんな説明を聞いている。
『猪の解体には、体重100kg程度のものでも、慣れた大人4人で4時間程度かかります。今回は280kgと大型ですので、それ以上の時間がかかるでしょう』
今は午後2時20分。終わった頃には周囲はもう暗いだろう。
それでも解体は、明日に持ち越すなんて事は出来ない。だからまあ、仕方ない。
差し当たって私は、焼き肉用のタレ作成とかもつ煮込みの準備をしておこう。
あとはハーブ代わりになりそうな野草の採取なんてのも。保存用のガチガチの塩漬けではなく、パンチェッタっぽいのを作りたいから。
あと細葉樫のスモークで、ベーコンも出来るかな。
焦ることはない。どうせ時間は山ほどある。
そう思った時だった。全知がこう知らせてきたのだ。
『猪の解体について訂正します。思ったより早く、2時間かからないうちに解体できそうです』
えっ、何故?
『ブルージュによって、現場で魔法を使用して洗ったことにより、体表についたダニ等が取り除かれていました。
また獲ってまだ2時間経っていないので、死後硬直が始まっていません。また冷却魔法で殺した為、内臓を含む全体が冷えています。ですから通常なら死後硬直が解けるまで冷やすところ、すぐに解体作業を開始する事が出来ました』
なるほど、通常はここまですぐに解体は始められないのか。
『その通りです。なお血抜きも、動かす魔法と脱水する魔法を使って、ごく短時間に終わらせています。
内臓を出して、内部の血を洗い流す作業についても、
① 見て認識した場所を力の魔法で切断
② 力の魔法で、内臓をごっそり取り出す
③ 認識した場所に水を出す魔法を使用して洗浄
という要領で、僅か5分程度で完了しました』
現場を見てみる。ちょうどロシュとブルージュが、ざっと洗った内臓の半分位を、うちの巨大寸胴鍋に入れたところだった。
なので即時回収。収納内で、魔法を使ってしっかりと洗っておく。
『内臓を取り出し腹腔内を洗ったら、皮を剥ぐ作業です。頭や尻尾、足先を切り落とし、皮を剥ぐ作業となります。ここでも切断には力の魔法を使用しています。
また皮を剥ぐのに、
① 皮の脂身部分に魔法で熱を加えて剥がれ易くして
② 皮部分と身部分をしっかり認識して力魔法を使うことにより、皮を剥がす
という方法を使用しています。
通常はこれだけで数時間はかかる作業ですが、この調子では30分かからずに完了しそうです』
なるほど。
それが終われば、あとは……
『一頭分の骨がついた状態を、部位毎にわけ、骨を取って肉にする作業です。この作業もいままでの様子からみると、かなり早く出来上がってしまうと思われます。
以上により、解体完了時刻を、午後4時頃に訂正します』
何というか……
魔法を与えたのは私だ。しかし、こういう使いこなし方をするとは思わなかった。
現場の、皮を剥ぐ作業をじっくり見てみる。
① 子供達3人が皮の端を持ってゆっくり引っ張って
② 大人男性2人が皮と身の間を見ながら、境目に熱の魔法をかけていく
③ その後ろからクエルチェが、力の魔法で皮を剥がす
こんな感じで、いい感じの速さで進んでいる。
これなら確かに、かなり早く済みそうだ。
ならブルージェの期待に応える為にも、料理の準備をきっちりやっておこう。
取り敢えずは焼き肉風に焼くのと、味噌煮込みでいいだろか。
残念ながら豚のモツ煮込み、私は作った事がない。
遠く東の埼玉では、うどん屋でモツ煮込みを食べる事が出来ると聞いている。しかし讃岐にはそんな文化はない。うどん屋で一緒に頼むのはおでんだ。
ただモツ煮込み、一応は食べた経験がある。だから全知の力を借りれば調理には問題無いだろう。
『ショウガに近い野菜と、ネギに似た野菜が必要です。ケカハの南西側の山麓地帯にある……』
という事で、まずは材料採取から開始する。
◇◇◇
味噌味のモツ煮込みは、何とかいい感じに甘辛く仕上がった。
冷やして倒したからか、小麦粉や塩、更には焼酎で洗ったのが良かったのか、それとも香味野菜のおかげなのか、臭いはほとんどない。
これと豆腐と、あとビールがあれば、ご機嫌になれそうな味だ。
あとこの汁にうどんを突っ込んでも美味しい気がする。
そういう料理、名古屋あたりにありそうだけれど。
味噌だれに漬けた味付きホルモンっぽいのも作った。
これは食べる直前、自分で魔法で加熱して頂く。
ちゃんと鉄板も用意したので、焼き肉風に焼いてもいい。
鉄板では、後でロシュ達が持ってくるだろう、バラ肉というかハラミも焼く予定だ。
味醂の甘さが効いた焼き肉のタレも用意してある。
なら主食は御飯だろうと言われそうだけれど、此処はケカハ。
米が出来る環境にないから、やっぱりうどんで。
今日は釜揚げ状態で、あえて何もつけずに出すつもりだ。
モツ煮込みうどんにしようと、焼き肉&うどんにしようと、その辺はお任せという事で。
私はやっぱり、うどんには出汁醤油だけれど。
ロシュとブルージュが帰ってくるのが見える。
手に抱えているのは、村共用の素焼きの皿に載っかった肉の塊。
予定通りバラ肉、それもカルビっぽい肉だ。
なら焼いたりベーコンにしたりパンチェッタにしたり……角煮もいいな。
あとブルージュが、とにかく嬉しそうだ。
用意したモツ煮込みと焼き肉セットが、期待に応えてくれるといいけれど。
こっちの棟の入口までは、迎えに行こう。
私は立ち上がって、リビングを出る。
※ 埼玉には、うどん屋にモツ煮込みがある
代表的なのが『山田うどん』チェーン。でも埼玉県下ならそれ以外のうどん店(立ち食いそば店含む)でも、結構出していると思います。あくまで書き手の個人的な感覚ですけれど。
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