4 / 9
婚約の理由
しおりを挟む
これ以上聞かれたくないとベラは思いエンゾに言った。
「そういえば言えてなかったのですが、ご婚約おめでとうございます。」
すると突然エンゾの表情が硬くなる。
「あぁ、ありがとう。本当は、、、」
エンゾは先ほどとは打って変わって言いよどむ。ベラは気になって聞く。
「どうかしましたか?」
「本当は婚約したくなかったんだ。」
想像がつく話だった。クレメンスの話を聞く限りではメフシィ家から婚約の話が来たと言っていた。エンゾが結婚したいといったわけではないのなら親が決めたことなのだろう。
そしてベラは気づいた。エンゾに直接、婚約を解消してもらえばいいのではないかと。いや、とベラは考え直す。めっぽう息子に甘いあの両親が聞き入れなかったのだからよっぽどの理由があるのだろう。
「それはどういうことでしょう?」
ベラは心底疑問そうに聞く。エンゾは伏目がちに答えた。
「父がどうしてもクレメンス譲と結婚してくれと言って、承諾せざる終えなかったんだ」
やはりそうだ。両親が決めたことなのだ。でもそれほどクレメンスとの結婚が大事なのはなぜなのだろうか。
「旦那様はなぜそのようにおっしゃるのでしょうか。」
ここでその理由が聞ければ婚約解消の大きな一歩になる。期待が声になりベラの声が少し声が大きくなる。
「父によるとクレメンス譲のオンドリィ家が所有している領地に珍しい植物が生える土地があるらしい。それがどうしても欲しいそうだ。」
「土地ですか?でもオンドリィ家は没落寸前ですよね。あまり有効に使えるとは思いませんが。」
珍しい植物が生えている土地を持っているとしてもオンドリィ家は没落寸前なのだ。それを見るとあまりお金にならないのではないだろうか。そんなものを喉から手が出るほど旦那様は欲しているのだろうか。
「それが、オンドリィ家は気づいていないみたいなんだ。本当なら没落なんてありえない。メフシィ家より繁栄しているかもしれない。」
ベラはなるほどと思った。そして、これでクレメンスを救えると内心で大喜びした。クレメンスにすぐに伝えよう。こんな重要なことを一介のメイドのベラに話してくれたエンゾに感謝しなくてはならない。
「気づいてない!?」
精一杯ばれないように驚いた声を上げる。エンゾはベラを見ながらうなずいた。ベラは早く部屋に帰り手紙を書かなければと話を切り上げた。
「そういうことだったんですね。お気持ちお察しいたします。メイドの私にはどうすることもできませんが、エンゾ様の幸せを祈っています。ではあまり長居するのも申し訳ないので失礼いたします。」
ベラはエンゾに頭を下げる。部屋を出ようとドアへと近づいた。すると突然後ろで椅子を引く音がした。真後ろにエンゾの気配がした。
「待ってくれ。」
エンゾはベラの腕をつかんだ。ベラは突然のことで驚き固まった。そして、これは何か嫌な予感がするとベラの直感が言っていた。
「そういえば言えてなかったのですが、ご婚約おめでとうございます。」
すると突然エンゾの表情が硬くなる。
「あぁ、ありがとう。本当は、、、」
エンゾは先ほどとは打って変わって言いよどむ。ベラは気になって聞く。
「どうかしましたか?」
「本当は婚約したくなかったんだ。」
想像がつく話だった。クレメンスの話を聞く限りではメフシィ家から婚約の話が来たと言っていた。エンゾが結婚したいといったわけではないのなら親が決めたことなのだろう。
そしてベラは気づいた。エンゾに直接、婚約を解消してもらえばいいのではないかと。いや、とベラは考え直す。めっぽう息子に甘いあの両親が聞き入れなかったのだからよっぽどの理由があるのだろう。
「それはどういうことでしょう?」
ベラは心底疑問そうに聞く。エンゾは伏目がちに答えた。
「父がどうしてもクレメンス譲と結婚してくれと言って、承諾せざる終えなかったんだ」
やはりそうだ。両親が決めたことなのだ。でもそれほどクレメンスとの結婚が大事なのはなぜなのだろうか。
「旦那様はなぜそのようにおっしゃるのでしょうか。」
ここでその理由が聞ければ婚約解消の大きな一歩になる。期待が声になりベラの声が少し声が大きくなる。
「父によるとクレメンス譲のオンドリィ家が所有している領地に珍しい植物が生える土地があるらしい。それがどうしても欲しいそうだ。」
「土地ですか?でもオンドリィ家は没落寸前ですよね。あまり有効に使えるとは思いませんが。」
珍しい植物が生えている土地を持っているとしてもオンドリィ家は没落寸前なのだ。それを見るとあまりお金にならないのではないだろうか。そんなものを喉から手が出るほど旦那様は欲しているのだろうか。
「それが、オンドリィ家は気づいていないみたいなんだ。本当なら没落なんてありえない。メフシィ家より繁栄しているかもしれない。」
ベラはなるほどと思った。そして、これでクレメンスを救えると内心で大喜びした。クレメンスにすぐに伝えよう。こんな重要なことを一介のメイドのベラに話してくれたエンゾに感謝しなくてはならない。
「気づいてない!?」
精一杯ばれないように驚いた声を上げる。エンゾはベラを見ながらうなずいた。ベラは早く部屋に帰り手紙を書かなければと話を切り上げた。
「そういうことだったんですね。お気持ちお察しいたします。メイドの私にはどうすることもできませんが、エンゾ様の幸せを祈っています。ではあまり長居するのも申し訳ないので失礼いたします。」
ベラはエンゾに頭を下げる。部屋を出ようとドアへと近づいた。すると突然後ろで椅子を引く音がした。真後ろにエンゾの気配がした。
「待ってくれ。」
エンゾはベラの腕をつかんだ。ベラは突然のことで驚き固まった。そして、これは何か嫌な予感がするとベラの直感が言っていた。
0
あなたにおすすめの小説
猫なので、もう働きません。
具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。
やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!?
しかもここは女性が極端に少ない世界。
イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。
「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。
これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。
※表紙はAI画像です
甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜
具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」
居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。
幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。
そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。
しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。
そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。
盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。
※表紙はAIです
能天気な私は今日も愛される
具なっしー
恋愛
日本でJKライフを謳歌していた凪紗は遅刻しそうになって全力疾走してたらトラックとバコーン衝突して死んじゃったー。そんで、神様とお話しして、目が覚めたら男女比50:1の世界に転生してたー!この世界では女性は宝物のように扱われ猿のようにやりたい放題の女性ばっかり!?そんな中、凪紗ことポピーは日本の常識があるから、天使だ!天使だ!と溺愛されている。この世界と日本のギャップに苦しみながらも、楽観的で能天気な性格で周りに心配される女の子のおはなし。
はじめて小説を書くので誤字とか色々拙いところが多いと思いますが優しく見てくれたら嬉しいです。自分で読みたいのをかいてみます。残酷な描写とかシリアスが苦手なのでかかないです。定番な展開が続きます。飽き性なので褒めてくれたら続くと思いますよろしくお願いします。
※表紙はAI画像です
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーレムです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
黒騎士団の娼婦
星森
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる