面倒見のいい魔王さま

たじょう鹿

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絶体絶命

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声を聴いてベラは絶望した。エンゾの妹であるスリーズはいわゆるブラコンである。すべてにおいて兄第一主義なのだ。そんなスリーズにこの状況を見られたのだからどうなってしまうかなんて容易に想像できる。

「何をしているの!!!お兄様から離れなさい!!!!」

耳をつんざくような声を上げる。離れなさいと言われてもベラが抑えつけられているのだからどうにもできない。そうするとベラの上からエンゾが下りた。スリーズがズンズンと足音を立てながらベラのいるベッドに近づいてくる。スリーズにエンゾが声をかける。

「スリーズこれは――――」

「これはどういうことなの!!お兄様と何をしていたの!!!」

エンゾの声にかぶせてスリーズがすごい勢いで言った。ベラは身を縮込めて、被害者なのだと訴えようとした。

「いえ、その、エ、エンゾ様に、襲われ―――」

「だまらっしゃい!!人に罪を押し付けるなんて、なんて卑しい!!!メイドでありながらその愚行、恥を知りなさい!!!そのあさましい考えを改めるためにも罪を償いなさい!!」

本当のことを言っても信じてもらうことはないとわかっていた。スリーズも内心、真実はわかっているのだろう。でもベラをこの家から追い出したいため、罪を着せようとしているのではないだろうか。ベラは否定しようと口を開こうとするが、スリーズにさえぎられる。

「お兄様、それでよろしいですよね。」

ベラに言い募る声が嘘のように、優しい声でエンゾに言った。ベラもエンゾを見る。べらはその答えに目を見開いた。

「もちろん。さあ、お父様たちに言いに行ってもらえるか。」

かばってもらえるものだと思っていた。そのため耳を疑い、エンゾの顔を見つめた。だがエンゾはベラのほうを見ることはない。スリーズは了承し、部屋から出て行った。部屋に沈黙が支配する。少したって、ベラの小さい声が部屋に響いた。

「どういうことですか。どういうつもりなんですか...」

エンゾがベラのことを好きだということは嘘だったのだろうか。最初からベラをだまそうとしていたのだろうか。ふつふつと怒りがわいてくる。エンゾはベラに近づき、両手を握ってきた。

「ベラ、ごめんね。本当は、かばってあげたかったんだけど、もっといい方法を思いついたんだよ。ベラのことを愛しているのは本当だよ。信じてもらえないと思うけど。絶対に迎えに行くから待ってて」

そんなことを言われてもしんじられるわけがない。言い返そうと思ったが、言う間もなく扉の前までエンゾは行ってしまう。

「ベラはここから出ないように。」

そう言い残し部屋からでていった。エンゾが出ていてからは早かった。狭い個室に軟禁され、その部屋から出ることはかなわない。食事はパンとスープという質素なご飯が出てくる。部屋にはベッドとテーブルと椅子があり、小さなバスルームもついている。ベラが部屋から出てこられない間、メフシィ家はベラの処分を決めているのだろう。3日ほどたった時部屋の鍵が外される音が聞こえた。




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