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ユーリの記憶を取り戻せ!5
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玄関で物音がする。
ユーリが帰って来たんだ‥。
シリルもリチャードも、私の顔を見て様子を確認してくる。
「私は大丈夫、上手くやるよ。」
2人に心配を掛けている事が分かって申し訳なくなるが、私はきっと大丈夫だ。
今までだって上手くやって来たから、これからだってどうにでもなる。
最悪ユーリに捕まって王宮に送られても、その後だって、一生出られないとは限らない。
諦めなければ、勝機はある。
「お、いい顔になってきたねミツリちゃん。」
シリルがそう言った時だった、玄関側のドアが開き、ローブを纏ったユーリが現れた。
「ミツリ?‥。あぁ、君の事か。まだ居たのか。」
ユーリは私に一瞥を送ると、シリルとリチャードに向き直った。
「もう、外は暗くなっている。夜遅くまで女の子を引き留めておくのは感心しないな。家まで送って行ってあげたらどうだ?」
「ユーリお帰りっ。あのさ、彼女はリチャードの助手もしてくれるから、4階に住んでもらうんだよ。前に話したの忘れた?」
「えっ?あぁ、そうだったか?何だか頭にモヤがかかったようでスッキリしないんだ。疲れているのかもな。そうか、だとしてもリチャードと一緒のフロアに住むなんて、彼女は大丈夫なのか?親子ほど歳の差はあるが、若い女性だろう。余り、感心しないな。」
(お前が言うな‥。)
シリルもリチャードも、同じ事を心の中で思ったに違いない。
″チリリーンッ、チリリーンッ‥″
また、異世界門が開いた。
おそらく今度はカイゼル殿下だ。
「あぁ、向こうでカイゼルという兄弟にあった。シリルに言われたように、いきなり殴られるような事はなかったが、無性に私が彼を殴りたくて堪らなくなった。今までこんな事は一度も無かったのに‥、何故だろうな‥?」
「えーっ‥?分からないなっ。小さい時にでも、何かあったんじゃないの?」
シリルはとぼけて答えるが、きっとユーリの中でカイゼル殿下の存在は、印象深い記憶と結びついているのだろう。それが、どんな嫌な記憶だったとしても。
カイゼル殿下の方が、私よりもユーリに思い出してもらうのは早いかもしれないな。
″ピンポーンッ″
インターフォンの音が室内に響く。
室内設置のモニターを見ると、やはり、カイゼル殿下が映っていた。
「チッ、彼奴も来たか。まぁ、来てくれないとシードがどこにいるか分からないからな。仕方がない、入れてくれ。」
品の良くないブラックユーリが出てくるのは、やはりカイゼル殿下に対してなんだな。
ユーリが記憶を無くしても特別なままのカイゼル殿下が、少し羨ましいな。
◇◇◇
リビングにカイゼル殿下がやってくると、一気に部屋が狭くなったような気がする。
暑苦しい筋肉の鎧が、覇気が、穏やかな居住空間には強過ぎる。
「貴様だけ、ベランダにでも出たらどうだ?暑苦しくて敵わん。」
やっぱりユーリはカイゼル殿下にだけ塩対応なんだ‥。
「クックックッ、その返しは変わらんな。思っていたより普通じゃないか。」
「何がだ?無駄口聞いていないで、早くシードを出せ。まさか閉じ込めてはいないだろうな。」
「お前じゃないし、そんな事はしない。そうだな、ヒントは年齢だな。大体の年齢は分かっているだろ?15~16歳くらいか。お前が日本で出会った人の中に、実はシードが居る。既にユーリはシードに会っているんだよ。気づかなかったか?」
!!!
カイゼル殿下が凄いヒントを出してしまった。
一体全体、どういうつもりなんだろう?
もしかして、ここで私をシードだとバラし、イシュタニア王宮へ送った後に、魔導具を完成させて救出してくれる、とか?
無駄な衝突を避けられる作戦だし、カイゼル殿下にはそれが可能だ。
「そうか‥。全く気が付かなかった。私とした事が‥とんだ道化だな。」
「ほうっ、やはり気づいたか。意外と近くに居ただろう?」
「あぁ、そうだな。異質な力を持っているとも分かっていたのに。どうして気が付かなかったか‥。
‥ステラ、私だ。‥塾の帰り道の護衛?そうか、良かったらそのまま連れて来てくれ。遅い時間なのにすまないな。事情は後で話す。」
ま、待って!?
ユーリはもしかして、凄い勘違いをしてるんじゃ?
「あのさ、ユーリ。もしかして今のは、使い魔の猫と話してた?」
「あぁ、シリルも気がついたか。そう、彼、蓮くんはシードだったんだよ。あんなに違う力を持っていたのに気が付かないなんて、私は愚かだった。これでは番人失格だ。」
シリルが息を飲み、青ざめた顔をしている。
リチャードは目を見開き小さな声で「えぇーっ‥。」と言い、カイゼル殿下は「仕方がないっ、バレたか。」と言って、頭を掻いている。
蓮くんがシードだと勘違いしているのは明らかだけど、ユーリは確かに、
「番人」と言った。
これでは「番人失格」だ、って。
今までの事ごとが結びつき、腑に落ちてくる。
何故、ユーリがシードに会う事に強くこだわっているのか。
過去、ユーリが、ずっと待っていると言っていたのは誰だったのか。
ユーリを待たせて、素知らぬ顔で自分勝手に生きて来たのは誰だったのか。
ユーリは、私の全てを知った上で、受け入れて守ってくれていたのだ。
番人として。
「はぁーっ。」
馬鹿でっかいため息を吐いて、高い天井を見やりながら両手で目と額を覆う。
今までの事ごとの種明かし。
私から見えていた世界とユーリから見えていた世界は、まるで違っていたのだ。
「ミツリちゃん‥。」
シリルがこちらにやってきて、私を隠すように斜め前に立つ。
「道化は私だよ。何も知らずにいてさ‥。ユーリの気持ちも考えずに、無理言ってばかりだったよ。ユーリも、言ってくれたら良かったのにね。」
シリルにだけ聞こえるような声の大きさで愚痴を言う。
「彼の立場で番人だって言える?羊に自分が狼だって、バラすような物でしょう?怖がらせないように、馬のふりでもしてた方が賢明だよ。言わなかったのはきっとユーリ自身の為、だから。」
「そう‥。よくわからないけど、ユーリの判断だから間違いはなさそうだね。シリルは‥、知ってたの?ユーリが『番人』だっていうこと。」
「あぁ、あの時『水竜』を出したでしょ?水中に光の召喚陣を描いて。あんなこと、今の時代に出来る人間は『番人』くらいしかいないんだよ。シードを生きたまま永き眠りにつかせる秘匿魔術を習得した、水魔術の最高上位者だ。」
そうか、そうなんだ。シリルは知っていたんだ。
だからこそ、ユーリの記憶から私を消した。
「それにしても、凄い執着だよね。自身のアイデンティティみたいな物も絡んでいそうだよ。ずっと、番人として育てられて来たんだろうなぁって、凄みを感じた。」
「私は‥、そう言うことも知らないふりして、自分だけ楽に生きようとしてたんだよ‥。」
「わぁー、珍しくネガティブなミツリちゃんだね。そんなミツリちゃんも可愛い。」
シリルに慰められているのが痛い程分かる。
部屋が妙な空気感だ。
蓮くんをシードだと勘違いしているユーリ。
そもそも、この話を持ち出したカイゼル殿下は蓮くんに会った事は無いし、今の状況が分かってはいないのだろう。
ユーリが私をシードだと知って納得したのだと、こちらも勘違いだ。
リチャードとシリルは、全て知った上で、「蓮くんに任せた。」とか言ってるし。
時計を見ると、もう夜9時を過ぎている。
全てを早く終わらせて、蓮くんを帰してあげたい。
″ピンポーンッ″
来たっ!モニターに映るのは蓮くんだ。
スピーカー越しに「こんばんわーっ」と聞こえてくる。
ユーリが帰って来たんだ‥。
シリルもリチャードも、私の顔を見て様子を確認してくる。
「私は大丈夫、上手くやるよ。」
2人に心配を掛けている事が分かって申し訳なくなるが、私はきっと大丈夫だ。
今までだって上手くやって来たから、これからだってどうにでもなる。
最悪ユーリに捕まって王宮に送られても、その後だって、一生出られないとは限らない。
諦めなければ、勝機はある。
「お、いい顔になってきたねミツリちゃん。」
シリルがそう言った時だった、玄関側のドアが開き、ローブを纏ったユーリが現れた。
「ミツリ?‥。あぁ、君の事か。まだ居たのか。」
ユーリは私に一瞥を送ると、シリルとリチャードに向き直った。
「もう、外は暗くなっている。夜遅くまで女の子を引き留めておくのは感心しないな。家まで送って行ってあげたらどうだ?」
「ユーリお帰りっ。あのさ、彼女はリチャードの助手もしてくれるから、4階に住んでもらうんだよ。前に話したの忘れた?」
「えっ?あぁ、そうだったか?何だか頭にモヤがかかったようでスッキリしないんだ。疲れているのかもな。そうか、だとしてもリチャードと一緒のフロアに住むなんて、彼女は大丈夫なのか?親子ほど歳の差はあるが、若い女性だろう。余り、感心しないな。」
(お前が言うな‥。)
シリルもリチャードも、同じ事を心の中で思ったに違いない。
″チリリーンッ、チリリーンッ‥″
また、異世界門が開いた。
おそらく今度はカイゼル殿下だ。
「あぁ、向こうでカイゼルという兄弟にあった。シリルに言われたように、いきなり殴られるような事はなかったが、無性に私が彼を殴りたくて堪らなくなった。今までこんな事は一度も無かったのに‥、何故だろうな‥?」
「えーっ‥?分からないなっ。小さい時にでも、何かあったんじゃないの?」
シリルはとぼけて答えるが、きっとユーリの中でカイゼル殿下の存在は、印象深い記憶と結びついているのだろう。それが、どんな嫌な記憶だったとしても。
カイゼル殿下の方が、私よりもユーリに思い出してもらうのは早いかもしれないな。
″ピンポーンッ″
インターフォンの音が室内に響く。
室内設置のモニターを見ると、やはり、カイゼル殿下が映っていた。
「チッ、彼奴も来たか。まぁ、来てくれないとシードがどこにいるか分からないからな。仕方がない、入れてくれ。」
品の良くないブラックユーリが出てくるのは、やはりカイゼル殿下に対してなんだな。
ユーリが記憶を無くしても特別なままのカイゼル殿下が、少し羨ましいな。
◇◇◇
リビングにカイゼル殿下がやってくると、一気に部屋が狭くなったような気がする。
暑苦しい筋肉の鎧が、覇気が、穏やかな居住空間には強過ぎる。
「貴様だけ、ベランダにでも出たらどうだ?暑苦しくて敵わん。」
やっぱりユーリはカイゼル殿下にだけ塩対応なんだ‥。
「クックックッ、その返しは変わらんな。思っていたより普通じゃないか。」
「何がだ?無駄口聞いていないで、早くシードを出せ。まさか閉じ込めてはいないだろうな。」
「お前じゃないし、そんな事はしない。そうだな、ヒントは年齢だな。大体の年齢は分かっているだろ?15~16歳くらいか。お前が日本で出会った人の中に、実はシードが居る。既にユーリはシードに会っているんだよ。気づかなかったか?」
!!!
カイゼル殿下が凄いヒントを出してしまった。
一体全体、どういうつもりなんだろう?
もしかして、ここで私をシードだとバラし、イシュタニア王宮へ送った後に、魔導具を完成させて救出してくれる、とか?
無駄な衝突を避けられる作戦だし、カイゼル殿下にはそれが可能だ。
「そうか‥。全く気が付かなかった。私とした事が‥とんだ道化だな。」
「ほうっ、やはり気づいたか。意外と近くに居ただろう?」
「あぁ、そうだな。異質な力を持っているとも分かっていたのに。どうして気が付かなかったか‥。
‥ステラ、私だ。‥塾の帰り道の護衛?そうか、良かったらそのまま連れて来てくれ。遅い時間なのにすまないな。事情は後で話す。」
ま、待って!?
ユーリはもしかして、凄い勘違いをしてるんじゃ?
「あのさ、ユーリ。もしかして今のは、使い魔の猫と話してた?」
「あぁ、シリルも気がついたか。そう、彼、蓮くんはシードだったんだよ。あんなに違う力を持っていたのに気が付かないなんて、私は愚かだった。これでは番人失格だ。」
シリルが息を飲み、青ざめた顔をしている。
リチャードは目を見開き小さな声で「えぇーっ‥。」と言い、カイゼル殿下は「仕方がないっ、バレたか。」と言って、頭を掻いている。
蓮くんがシードだと勘違いしているのは明らかだけど、ユーリは確かに、
「番人」と言った。
これでは「番人失格」だ、って。
今までの事ごとが結びつき、腑に落ちてくる。
何故、ユーリがシードに会う事に強くこだわっているのか。
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ユーリを待たせて、素知らぬ顔で自分勝手に生きて来たのは誰だったのか。
ユーリは、私の全てを知った上で、受け入れて守ってくれていたのだ。
番人として。
「はぁーっ。」
馬鹿でっかいため息を吐いて、高い天井を見やりながら両手で目と額を覆う。
今までの事ごとの種明かし。
私から見えていた世界とユーリから見えていた世界は、まるで違っていたのだ。
「ミツリちゃん‥。」
シリルがこちらにやってきて、私を隠すように斜め前に立つ。
「道化は私だよ。何も知らずにいてさ‥。ユーリの気持ちも考えずに、無理言ってばかりだったよ。ユーリも、言ってくれたら良かったのにね。」
シリルにだけ聞こえるような声の大きさで愚痴を言う。
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「そう‥。よくわからないけど、ユーリの判断だから間違いはなさそうだね。シリルは‥、知ってたの?ユーリが『番人』だっていうこと。」
「あぁ、あの時『水竜』を出したでしょ?水中に光の召喚陣を描いて。あんなこと、今の時代に出来る人間は『番人』くらいしかいないんだよ。シードを生きたまま永き眠りにつかせる秘匿魔術を習得した、水魔術の最高上位者だ。」
そうか、そうなんだ。シリルは知っていたんだ。
だからこそ、ユーリの記憶から私を消した。
「それにしても、凄い執着だよね。自身のアイデンティティみたいな物も絡んでいそうだよ。ずっと、番人として育てられて来たんだろうなぁって、凄みを感じた。」
「私は‥、そう言うことも知らないふりして、自分だけ楽に生きようとしてたんだよ‥。」
「わぁー、珍しくネガティブなミツリちゃんだね。そんなミツリちゃんも可愛い。」
シリルに慰められているのが痛い程分かる。
部屋が妙な空気感だ。
蓮くんをシードだと勘違いしているユーリ。
そもそも、この話を持ち出したカイゼル殿下は蓮くんに会った事は無いし、今の状況が分かってはいないのだろう。
ユーリが私をシードだと知って納得したのだと、こちらも勘違いだ。
リチャードとシリルは、全て知った上で、「蓮くんに任せた。」とか言ってるし。
時計を見ると、もう夜9時を過ぎている。
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