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石を見つけましょう
門番に止められました
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「はあ?町に入れない?」
なんと!ディナールの町の門番に、私たち一行は入町を拒否されてしまった。
どうして?この冒険者ギルドカードは正規な物よ?
逃亡中に使っていた偽造の身分証じゃないのよ?
そんな私たちを横目に町の住人たちは顔パスで、門を出入りして行く。
再度、リュシアンが交渉をしてみる。
しかしふたりのドワーフの門番は厳しい顔して顔を左右に振って拒否の意志を示す。
ぐぬぬぬ。
ドワーフの門番は身長こそルネと変わらないぐらいなのに、横幅はルネの3倍ぐらいあって、ひとりはバトルアックスという両側に斧刃を持つ武器を掲げていて、もうひとりは三又槍を持っている。
うむ、怖くて文句を言いたくても躊躇するわ。
しかも、この門番たちが私を見ている、つーか睨んでいる。
え?私、まだ何もしていないわよ?
そろーっと目を反らすと、私の背後からアルベールが前へと出てくる。
「私のせいですかね」
やれやれ困ったという風に苦笑しながら。
あ!そうだった。
ドワーフってエルフと仲悪いんだっけ?
じゃあ、あの門番たちが睨んでいたのは、私じゃなくて後ろに立っていたアルベールか。
「ちっ、エルフ野郎がこんな所までしゃしゃり出やがって」
ドワーフの門番たちが、小声で悪口まで言ってるし・・・。
「ちょっと、いいですか?」
アルベールは私たちに「まかせなさい」とバチコーンとウィンクをかました後、ドワーフふたりの肩を抱いて奥へと連れて行く。
んん?
なんか門番とアルベールの体の隙間から見えたのが、瓶?
あれは・・・一升瓶ではないでしょうか?
あれあれ?他にも四角いお洒落な瓶も渡している。
その瓶の中身は、綺麗な琥珀色をしていた。
「・・・セヴラン?」
「あははは」
私がボーヌの町でアルベールとふたりきりで買い物したセヴランを問い詰めようとしたら、アルベールがいい笑顔で戻ってきた。
「通っていいそうですよ」
私たちは、とりあえずドワーフの門番たちの気持ちが変わらない内にと、スタコラサッサとその場を後にしました。
町は、山の裾野に広がっている所と山間の谷間の部分とに分けられていた。
裾野の部分には、町に住む人の住宅とお店が立ち並び、谷間の町は宿屋と冒険者ギルドがあるらしい。
「冒険者ギルドには、ほとんど鉱山ダンジョンの依頼しかないので、別名鉱山ギルドとか鉱夫ギルドと呼ばれてます」
「ほえーっ」
つまり、鉱山に入る冒険者しかいないから谷間の町にギルドはあるのね。
同じ理由で、宿屋を利用するのも鉱山ダンジョンに潜る冒険者しかいないから、谷間の町に集中していると。
町に入ったら通りを歩くのは、ほぼドワーフ!
チラチラと獣人とか人族もいるけど、圧倒的にドワーフ!しかも全員がお酒を飲んだ赤ら顔。
「ねぇ、アルベール。あんた、あの門番に・・・」
「ええ。ボーヌの町で仕入れた賄賂を渡しました」
こいつ、悪気もなく言い切りやがった!
どうもアルベールは、前回ディナールの町を訪れたときも、今回と同様に入町を拒否されたそうだ。
そのときは、アルベールに鉱山での護衛を依頼した冒険者パーティーにドワーフがいたので、仲介してもらい無事に入町できたとか。
そのドワーフから「賄賂は酒で!度数が高いか、珍しい酒なら、なお、よし!」と教えられたそうな。
「なので、セヴランに珍しいお酒を聞きながらいくつか買ってきたのです。まだまだドワーフを懐柔する場面はありそうですし」
エルフ族と仲が悪い話はガストンさんからも聞いていたけど、そのガストンさんとアルベールが普通に付き合っていたから忘れていたわ。
じゃあ、ディナールの町にエルフ族はあまりいないのね。
リュシアンみたいに自分だけの武器が欲しくて運命の鉱石が欲しくなったら、エルフ族はどうするのかしら?
「そんなもの欲しくないですよ?ドワーフが打つ武器なんて。運命の鉱石にも興味無いですね。エルフ族は魔法が主ですし、弓を使うのが多いですし」
「そう、なの?」
「ええ。どうしてもなら、ここじゃない鉱山で探せばいいでしょう?気持ちのいいドワーフの鍛冶師は探せばいますし」
そんなものなの?
どうしても運命の鉱石で自分だけの武器が欲しいリュシアンは、苦虫を嚙み潰したような顔をしているけれども。
「ドワーフはまだいいですよ。賄賂で許してくれて同朋の執り成しで許してくれますもの。エルフ族ではこうはいきません」
「え?」
「エルフ族の里では、もっと厳しいですよ?ドワーフは勿論、例え同族でも余所者には」
「そうなんだ・・・」
「ええ。だから、私のように外にいるエルフは変わり者なんですよ」
アルベールはニコッと笑ってそう言った後、そのまま大通りを直進してガストンさん紹介の宿屋に行くようにセヴランに告げる。
宿屋もドワーフが営んでいるのかな?
ええーっ、また賄賂かよ・・・。
なんと!ディナールの町の門番に、私たち一行は入町を拒否されてしまった。
どうして?この冒険者ギルドカードは正規な物よ?
逃亡中に使っていた偽造の身分証じゃないのよ?
そんな私たちを横目に町の住人たちは顔パスで、門を出入りして行く。
再度、リュシアンが交渉をしてみる。
しかしふたりのドワーフの門番は厳しい顔して顔を左右に振って拒否の意志を示す。
ぐぬぬぬ。
ドワーフの門番は身長こそルネと変わらないぐらいなのに、横幅はルネの3倍ぐらいあって、ひとりはバトルアックスという両側に斧刃を持つ武器を掲げていて、もうひとりは三又槍を持っている。
うむ、怖くて文句を言いたくても躊躇するわ。
しかも、この門番たちが私を見ている、つーか睨んでいる。
え?私、まだ何もしていないわよ?
そろーっと目を反らすと、私の背後からアルベールが前へと出てくる。
「私のせいですかね」
やれやれ困ったという風に苦笑しながら。
あ!そうだった。
ドワーフってエルフと仲悪いんだっけ?
じゃあ、あの門番たちが睨んでいたのは、私じゃなくて後ろに立っていたアルベールか。
「ちっ、エルフ野郎がこんな所までしゃしゃり出やがって」
ドワーフの門番たちが、小声で悪口まで言ってるし・・・。
「ちょっと、いいですか?」
アルベールは私たちに「まかせなさい」とバチコーンとウィンクをかました後、ドワーフふたりの肩を抱いて奥へと連れて行く。
んん?
なんか門番とアルベールの体の隙間から見えたのが、瓶?
あれは・・・一升瓶ではないでしょうか?
あれあれ?他にも四角いお洒落な瓶も渡している。
その瓶の中身は、綺麗な琥珀色をしていた。
「・・・セヴラン?」
「あははは」
私がボーヌの町でアルベールとふたりきりで買い物したセヴランを問い詰めようとしたら、アルベールがいい笑顔で戻ってきた。
「通っていいそうですよ」
私たちは、とりあえずドワーフの門番たちの気持ちが変わらない内にと、スタコラサッサとその場を後にしました。
町は、山の裾野に広がっている所と山間の谷間の部分とに分けられていた。
裾野の部分には、町に住む人の住宅とお店が立ち並び、谷間の町は宿屋と冒険者ギルドがあるらしい。
「冒険者ギルドには、ほとんど鉱山ダンジョンの依頼しかないので、別名鉱山ギルドとか鉱夫ギルドと呼ばれてます」
「ほえーっ」
つまり、鉱山に入る冒険者しかいないから谷間の町にギルドはあるのね。
同じ理由で、宿屋を利用するのも鉱山ダンジョンに潜る冒険者しかいないから、谷間の町に集中していると。
町に入ったら通りを歩くのは、ほぼドワーフ!
チラチラと獣人とか人族もいるけど、圧倒的にドワーフ!しかも全員がお酒を飲んだ赤ら顔。
「ねぇ、アルベール。あんた、あの門番に・・・」
「ええ。ボーヌの町で仕入れた賄賂を渡しました」
こいつ、悪気もなく言い切りやがった!
どうもアルベールは、前回ディナールの町を訪れたときも、今回と同様に入町を拒否されたそうだ。
そのときは、アルベールに鉱山での護衛を依頼した冒険者パーティーにドワーフがいたので、仲介してもらい無事に入町できたとか。
そのドワーフから「賄賂は酒で!度数が高いか、珍しい酒なら、なお、よし!」と教えられたそうな。
「なので、セヴランに珍しいお酒を聞きながらいくつか買ってきたのです。まだまだドワーフを懐柔する場面はありそうですし」
エルフ族と仲が悪い話はガストンさんからも聞いていたけど、そのガストンさんとアルベールが普通に付き合っていたから忘れていたわ。
じゃあ、ディナールの町にエルフ族はあまりいないのね。
リュシアンみたいに自分だけの武器が欲しくて運命の鉱石が欲しくなったら、エルフ族はどうするのかしら?
「そんなもの欲しくないですよ?ドワーフが打つ武器なんて。運命の鉱石にも興味無いですね。エルフ族は魔法が主ですし、弓を使うのが多いですし」
「そう、なの?」
「ええ。どうしてもなら、ここじゃない鉱山で探せばいいでしょう?気持ちのいいドワーフの鍛冶師は探せばいますし」
そんなものなの?
どうしても運命の鉱石で自分だけの武器が欲しいリュシアンは、苦虫を嚙み潰したような顔をしているけれども。
「ドワーフはまだいいですよ。賄賂で許してくれて同朋の執り成しで許してくれますもの。エルフ族ではこうはいきません」
「え?」
「エルフ族の里では、もっと厳しいですよ?ドワーフは勿論、例え同族でも余所者には」
「そうなんだ・・・」
「ええ。だから、私のように外にいるエルフは変わり者なんですよ」
アルベールはニコッと笑ってそう言った後、そのまま大通りを直進してガストンさん紹介の宿屋に行くようにセヴランに告げる。
宿屋もドワーフが営んでいるのかな?
ええーっ、また賄賂かよ・・・。
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