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王都に行きましょう
カレースパイス買いました
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異世界ものでよく出てくる有名料理のひとつ。
それはカレー。
どんな種族でも身分でも関係なく、夢中で貪り食べる食べ物、それがカレー。
・・・でもねぇ、私は前世でカレーはスパイスから作ったことはない。
家族で食べるときは市販のカレールーを買って作ってたし、社会人になってひとり暮らしを始めたらレトルトカレーで済ませていたし。
だから、スパイスが売られたのを見て興奮したけど、私の目的は別になります。
私だってカレー食べたいわよっ。
こんなことなら、もっと真面目に料理を習っておくんだった。
ひとり暮らしのアラサー女子の食事なんて、コンビニ飯とレンチン時短料理に限るし、ほとんど米と肉だったしなぁ・・・。
そんな後悔を胸に、スパイスの出店に寄って、お菓子作りに必要なバニラビーンズとシナモンを購入。
これも、パウダー状にして売って欲しいなぁ・・・。
肉料理にあるといいナツメグと、煮込み料理に入れるローリエと、香草焼きに使うローズマリー。
ついでにアイスとかお茶とかに使うミント。
大人のおつまみ用にチリペッパーを買って、ピリ辛料理を作ってやろう。
アルベールとセヴランも興味津々にいろいろなスパイスを覗いているが、リュシアンだけは両手で鼻を押さえて少し離れた場所で待っている。
・・・匂いが苦手なのか?
セヴランは平気なのか尋ねたら、商品として扱ったことがあるのでスパイスの雑多な匂いには馴れているそうだ。
いろいろなスパイスをそれなりの量を買ったので、屋台のおっちゃんがミントキャンディーをくれた。
私はお礼を言って商品を受け取って、未練がましくターメリックやクミンを見てため息を吐く。
「あー、カレー食べたい」
ボソッと欲望のままに呟いたら、屋台のおっちゃんがおや?と私の顔を見て、言った。
「なんだ、お嬢ちゃん。カレースパイスも買っていくかい?」
「へ?」
「カレー食べたいんだろう?あるよ、ほら」
ポイッと投げ渡された小瓶には、黄土色した粉を中心に数種類のスパイスが混ざったものが入っている。
「こ・・・これは!」
「子供には辛いかもしれないけどなー」
ポンと小瓶のコルク蓋を開けて、クンクン。
「ゴホッゴホッ。・・・カレーの匂い」
思わず瓶を捧げ持って、涙ぐむよね?日本人なら!
感動!と私が打ち震えていると、アルベールが不思議そうに。
「ヴィー。カレースープが食べたかったんですか?私はあんまり好きじゃないんですよねぇ、薄味で」
・・・。
・・・はい?
アルベール!あんた、カレーの存在を知っていたの?
しかも好きじゃないってなんなの?カレーは国民食と謳われるほどの人気メニューなのよ!
しかも、三軒隣の家のカレーが匂ってくるほどの強烈な料理が、薄味なんて聞いたことないんですけどー!
「ああ。カレースパイスはあんまり売れないねぇ。辛いだけだし、薄味だし」
「えっ?」
薄味って・・・スパイスの量と水加減の問題でしょ?
辛いならヨーグルト入れるなり、蜂蜜入れるなりしなさいよ。
「・・・スープにしか使えませんしねぇ」
アルベールがしみじみと言う。
「え?いやいや、鶏肉とかにかけて焼けばいいじゃん」
他にも野菜炒めとか、カレー味のチャーハンとか、フライドポテトにかけても旨いぞよ?
しかし、私の発言に屋台のおっちゃんとアルベールたちがショックを受けたように固まる。
もしかして・・・スープ以外の料理法を試したことなかったの?
・・・バカじゃないの?
その後、屋台のおっちゃんからあるだけのカレースパイスを買い占めた。
どうやらカレースパイスは商業ギルドで販売しているらしく、大抵はどこの国でも町でも買えるそうだ。
いいこと聞いた!
屋台のおっちゃんには、お礼にタンドリーチキンの作り方だけ教えてあげた。
レシピ代としてカレースパイスは無料になりました。
ちなみに、手っ取り早く串焼きの肉にかけてみたらとアドバイスしたら、屋台を閉めて肉を買いに走ってましたよ、わははは。
カミーユさんはギルマスに呼ばれているので私たちとは別れて冒険者ギルドへ行き、カレーを作りたい私は観光を引き上げてカミーユさんの屋敷へと戻る。
スパイスからカレーを作ったことないからね。
とにかく試行錯誤して作るわよ、カレーライスを!
必要な物を買い出しして屋敷へと戻る私に、リュシアンたちはブーブー文句を言ったけれど、カレーライスできても食べさせないわよ?
いいの?カツカレーとかハンバーグカレーとか、カレーライスに目玉焼きを乗せただけでもテンションが上がるのに?
そうニヤニヤした顔で告げると、ニュアンス的にカレーは「旨い物」と感じたらしく、大人しく買い物に付き合って屋敷に戻ることになりました。
カツカレーもそそられるが、今日はとりあえずフォレストブラックブルの肉を使ってビーフカレーにします。
・・・でも福神漬けはないのよ、らっきょうもないの・・・。
薄焼きパンは作れるけど、ナンってどうやって作るのかな?
そんなことを思いながら、スキップして帰りました。
え?お前アラサー女子なのにスキップする姿はキツイ?
いいんです!今はまだ8歳の美少女だもーん!
それはカレー。
どんな種族でも身分でも関係なく、夢中で貪り食べる食べ物、それがカレー。
・・・でもねぇ、私は前世でカレーはスパイスから作ったことはない。
家族で食べるときは市販のカレールーを買って作ってたし、社会人になってひとり暮らしを始めたらレトルトカレーで済ませていたし。
だから、スパイスが売られたのを見て興奮したけど、私の目的は別になります。
私だってカレー食べたいわよっ。
こんなことなら、もっと真面目に料理を習っておくんだった。
ひとり暮らしのアラサー女子の食事なんて、コンビニ飯とレンチン時短料理に限るし、ほとんど米と肉だったしなぁ・・・。
そんな後悔を胸に、スパイスの出店に寄って、お菓子作りに必要なバニラビーンズとシナモンを購入。
これも、パウダー状にして売って欲しいなぁ・・・。
肉料理にあるといいナツメグと、煮込み料理に入れるローリエと、香草焼きに使うローズマリー。
ついでにアイスとかお茶とかに使うミント。
大人のおつまみ用にチリペッパーを買って、ピリ辛料理を作ってやろう。
アルベールとセヴランも興味津々にいろいろなスパイスを覗いているが、リュシアンだけは両手で鼻を押さえて少し離れた場所で待っている。
・・・匂いが苦手なのか?
セヴランは平気なのか尋ねたら、商品として扱ったことがあるのでスパイスの雑多な匂いには馴れているそうだ。
いろいろなスパイスをそれなりの量を買ったので、屋台のおっちゃんがミントキャンディーをくれた。
私はお礼を言って商品を受け取って、未練がましくターメリックやクミンを見てため息を吐く。
「あー、カレー食べたい」
ボソッと欲望のままに呟いたら、屋台のおっちゃんがおや?と私の顔を見て、言った。
「なんだ、お嬢ちゃん。カレースパイスも買っていくかい?」
「へ?」
「カレー食べたいんだろう?あるよ、ほら」
ポイッと投げ渡された小瓶には、黄土色した粉を中心に数種類のスパイスが混ざったものが入っている。
「こ・・・これは!」
「子供には辛いかもしれないけどなー」
ポンと小瓶のコルク蓋を開けて、クンクン。
「ゴホッゴホッ。・・・カレーの匂い」
思わず瓶を捧げ持って、涙ぐむよね?日本人なら!
感動!と私が打ち震えていると、アルベールが不思議そうに。
「ヴィー。カレースープが食べたかったんですか?私はあんまり好きじゃないんですよねぇ、薄味で」
・・・。
・・・はい?
アルベール!あんた、カレーの存在を知っていたの?
しかも好きじゃないってなんなの?カレーは国民食と謳われるほどの人気メニューなのよ!
しかも、三軒隣の家のカレーが匂ってくるほどの強烈な料理が、薄味なんて聞いたことないんですけどー!
「ああ。カレースパイスはあんまり売れないねぇ。辛いだけだし、薄味だし」
「えっ?」
薄味って・・・スパイスの量と水加減の問題でしょ?
辛いならヨーグルト入れるなり、蜂蜜入れるなりしなさいよ。
「・・・スープにしか使えませんしねぇ」
アルベールがしみじみと言う。
「え?いやいや、鶏肉とかにかけて焼けばいいじゃん」
他にも野菜炒めとか、カレー味のチャーハンとか、フライドポテトにかけても旨いぞよ?
しかし、私の発言に屋台のおっちゃんとアルベールたちがショックを受けたように固まる。
もしかして・・・スープ以外の料理法を試したことなかったの?
・・・バカじゃないの?
その後、屋台のおっちゃんからあるだけのカレースパイスを買い占めた。
どうやらカレースパイスは商業ギルドで販売しているらしく、大抵はどこの国でも町でも買えるそうだ。
いいこと聞いた!
屋台のおっちゃんには、お礼にタンドリーチキンの作り方だけ教えてあげた。
レシピ代としてカレースパイスは無料になりました。
ちなみに、手っ取り早く串焼きの肉にかけてみたらとアドバイスしたら、屋台を閉めて肉を買いに走ってましたよ、わははは。
カミーユさんはギルマスに呼ばれているので私たちとは別れて冒険者ギルドへ行き、カレーを作りたい私は観光を引き上げてカミーユさんの屋敷へと戻る。
スパイスからカレーを作ったことないからね。
とにかく試行錯誤して作るわよ、カレーライスを!
必要な物を買い出しして屋敷へと戻る私に、リュシアンたちはブーブー文句を言ったけれど、カレーライスできても食べさせないわよ?
いいの?カツカレーとかハンバーグカレーとか、カレーライスに目玉焼きを乗せただけでもテンションが上がるのに?
そうニヤニヤした顔で告げると、ニュアンス的にカレーは「旨い物」と感じたらしく、大人しく買い物に付き合って屋敷に戻ることになりました。
カツカレーもそそられるが、今日はとりあえずフォレストブラックブルの肉を使ってビーフカレーにします。
・・・でも福神漬けはないのよ、らっきょうもないの・・・。
薄焼きパンは作れるけど、ナンってどうやって作るのかな?
そんなことを思いながら、スキップして帰りました。
え?お前アラサー女子なのにスキップする姿はキツイ?
いいんです!今はまだ8歳の美少女だもーん!
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