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8、成敗‼︎②

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いろいろ解決したあの日から、クラスのみんなと友達になれました!
まりあも、あの日から改心したみたいで、今ではクラスの人気者!元、取り巻きたちは、私とまりあが仲良くなったのが未だに気に食わないようで、クラスから浮き気味。他の人が話しかけても素っ気ないのが原因だと思うけど。


そして今は、帰りの会が終わったところです!

「遥香、また明日ねー!」

「うん、バイバーイ!」

友達が声をかけてくれるのが、すごく嬉しい。
女子だけじゃなくて、男子の友達もできた。

「オレ、最近鈴村に会うために学校来てる感じなんだけど。」

「うん、学校っていいよね!毎日みんなの顔見られるんだもんね!」

「……あー、通じなかったのか……」

?なんのこと?

「遥香はドンカンだから、遠回しに言っても通じないよー。」

「あ、まりあ!って、ドンカンって何よー!」

まりあも、みんなと仲良くなったのだ!

「はーるちゃんっ!帰ろー!」

「ほら、お迎えだよ。また明日ね!」

「うん!またね!」

学校ってやっぱり、楽しい!あの時星くんに出会えて良かった!

「お待たせ、星くん!」

「オイ星夢、オレらのことは無視かよ?」

後ろから、伶くんたちが来た。

「いや、お前らなら来るだろうと思って。」

「まぁそうだけどな。」

この3人の仲の良さは、誰にも越えられない気がする!信頼関係すごい!


学校の門を出たら、私と伶くん、陸人くんは左、星くんは右にそれぞれ分かれる。ホントは、一緒に帰りたいんだけど………。

「じゃあ星くん、また___」

「俺もこっちから帰ろっと。」

「え?」

「はるちゃんと一緒に帰りたい!」

こっちから一緒に帰ってくれるの⁉︎え、すっごい嬉しい!

「星夢ならそうすると思った。」

「じゃあはるちゃん、はい。」

星くんは、手を差し出した。これって、手を繋ぐってことだよね……?
私が手を重ねると、星くんはにっこり笑った。

しばらく歩いていると、先輩らしき人が話しかけてきた。

「あなた、鈴村さんよね?」

「あ、はい……」

「ちょ~っと、お話ししても、いいかな?」

「少し、なら……」

私はチラッと星くんを見た。
すると、意味ありげに

「あ、じゃあ俺たち、先に帰ってるね。」

と言って、私にしか聞こえない声で

「待ってるから。気をつけてね。」

と言った。伶くんと陸人くんも、

「じゃあ、また明日な。」

と言いつつ、

「自信持って。」
「オレたちがついてるから。」

と言ってくれた。私はうなずいた。

星くんたちが歩き始めたところで、

「じゃあ、こっち来て。」

と先輩に言われた。ついていくと、人気のない場所に着いた。そこには、仲間らしき人たちが6人くらいいた。話って___

「ねえ、アンタさ、矢神くんたちとどういう関係なの?」

__やっぱり。
でも、付き合ってるってバレてないってことは、さっき手を繋いでたのは見えてなかったみたい。

「えっと、私は星くんと付き合ってて___」

「やめなよ。見苦しいよ?」

「どうせ、ウソでしょ?」

「しかも、名前呼びとかウケるんだけど。」

「何、夢見ちゃってんの?」

「ちょっと優しくされたからって、浮かれてんじゃねーよ。」

……ここで弱気になっちゃダメだ。
__待ってるから__
__自信持って__
__オレたちがついてるから__
3人が、心配してくれてる。

「本当です。ウソだと思うなら、星くんに__」

「やめろっつってんだろ‼︎」

私は怯んで、何も言えなくなった。

「浮かれすぎとか、マジウケる。」

「っていうか、イケメントップの3人が、アンタみたいな地味ブス女、相手にするわけないに決まってんじゃん!」

悔しい………!

「あれぇ~?泣いちゃったぁ~?」

「夢から覚めたんだろ。」

「大丈夫?鈴村さん。」

先輩が急に優しく話しかけてきて、思わず顔を上げてしまった。

「__なぁ~んて、心配するとでも思ったぁ?」

……え……?

「泣けば許されるとでも思ってんだろうけど、アタシはそんなに甘くないんだよ!バーカ!」

え……っ⁉︎違う……!

「ウソつきさんには、お仕置きしなくちゃ__」

先輩は、手をパーにして振り上げた。
私は怖くてギュッと目をつぶった。

__バチンッ‼︎‼︎


私の頬に、先輩の平手打ちが炸裂し………てない⁉︎

そ~っと目を開けると、そこには__

「星……くん……。」

__彼の姿があった。
先輩の手は、星くんの頬に当たったまま、停止している。そして先輩は、目を見開いている。

「やっ、矢神……くん……」

「何してるんですか?」

「……そ、そいつが、ウソをついたから__」

「どんなウソですか?」

「コイツが矢神くんと付き合ってるとか。」

「あと名前呼びなんかしてね、迷惑でしょ?」

星くんは、大袈裟に、ため息をついた。

「……そっちの方まで、ちゃんと行き届いてなかったんですね。はるちゃんは、ウソなんてついてないですよ。」

「……え?ちょっと、冗談はいいから__」

「冗談なわけあるか!俺は、正真正銘、はるちゃんの彼氏だ!俺から好きになって、俺から告白して、名前呼びだって俺からだ!全部俺から始まってんだ!」

「……そ、そんな………」

先輩たちは、青ざめていった。
そこに、伶くんと陸人くんが来てくれた。

「ちなみに、オレらは2人のボディーガードなんです。」

「遥香がイジメられるようなことがあったら、………わかりますよね?」

「も、もう行こ………!」

先輩たちは、慌てて逃げて行った。

「………あの、星くん……ほっぺ……」

さっきの平手打ちは結構強かったみたいで、星くんのほっぺは赤くなっていた。

「はるちゃんを助けるためだから、どうってことないよ。気にしないでいいよ。」

星くん………!優しすぎるんだよ……もう……っ!
私は、もう無我夢中で星くんに抱きついた。
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