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第4話 災難
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「へへっ。お嬢ちゃん、こんなところに一人でどうした?」
後ろから優しい声が聞こえて、私はほっとして、後ろを振り返った
「……っ」
しかしその男はスキンヘッドの頭に、目に大きな傷のある、見るからにマトモな人ではないと解る容貌をしていた
それに、目付きもガラも悪い二人の子分も連れている
「兄貴、早く捕まえちまいましょうぜ?」
子分の一人、細身の男が莉奈を睨みながら兄貴と呼ばれるスキンヘッドの男に訴える
「あぁ、そうだな。…ほら、そんなに恐がらないで。痛いことなんてしないからよぉ」
スキンヘッド男は下品な笑みを浮かべながら、私に手を差し出した
絶対嘘だ!と思った私は、咄嗟に男の手を振り払い、来た道を引き返すように逃げた
「なんで…こんな目に遭わなくちゃいけないの!…あの人たち何?何で追いかけてくるのっ!」
そんなことをブツブツ呟いていると、後ろから怒声が聞こえてくる
「逃げても無駄さ!俺たちの方が足が速いからな!」
私は今までこんな速く走ったことない!と思うほど、スピードを出していた
「これが…火事場の馬鹿力というものかっ…ってそんな感傷に浸ってる暇ないし!」
いくら今までで一番速く走っているといっても、所詮、普通の女子高校生の足だ。大人の男になんて敵うわけがない
ついに、壁際に追い詰められて、囲まれてしまった
…これは、やばい。
私の身体から尋常じゃないほどの汗が流れ、自分のではないと勘違いしてしまうほど、ガタガタと体が震えてしまう
…どうしようどうしようっ。逃げ場はない?…ない!完璧に囲まれてる!絶体絶命だよ…どうしよう…誰か助けてっ
…怖くて声が出せない。頭をフル回転させて、どうにか逃げる方法がないか考えるが、心臓の音がうるさすぎて、集中できない
「つーかーまーえたぁああ」
男の手が私の腕に伸びてくる
「いやぁぁああ!」
…これは夢。絶対に夢!そろそろ目を覚ましてもいい頃だ。覚めて!覚め…覚めない!?
男の手が腕に触れた時、私の目に、真っ黒い何かが写る
「ぐっ…!?」
「お前はっ…!!」
その瞬間、男達が地面に倒れた
「へ……?」
驚きで茫然としていると、フードで顔を隠し、全身を黒い服で包んだ男が現れた
「……大丈夫か。」
男達がすぐに立ち上がらないことを確認すると、男は私にそう聞いた。しかし、答えようと思った刹那、目の前が闇に包まれ、何も考えられなくなった
後ろから優しい声が聞こえて、私はほっとして、後ろを振り返った
「……っ」
しかしその男はスキンヘッドの頭に、目に大きな傷のある、見るからにマトモな人ではないと解る容貌をしていた
それに、目付きもガラも悪い二人の子分も連れている
「兄貴、早く捕まえちまいましょうぜ?」
子分の一人、細身の男が莉奈を睨みながら兄貴と呼ばれるスキンヘッドの男に訴える
「あぁ、そうだな。…ほら、そんなに恐がらないで。痛いことなんてしないからよぉ」
スキンヘッド男は下品な笑みを浮かべながら、私に手を差し出した
絶対嘘だ!と思った私は、咄嗟に男の手を振り払い、来た道を引き返すように逃げた
「なんで…こんな目に遭わなくちゃいけないの!…あの人たち何?何で追いかけてくるのっ!」
そんなことをブツブツ呟いていると、後ろから怒声が聞こえてくる
「逃げても無駄さ!俺たちの方が足が速いからな!」
私は今までこんな速く走ったことない!と思うほど、スピードを出していた
「これが…火事場の馬鹿力というものかっ…ってそんな感傷に浸ってる暇ないし!」
いくら今までで一番速く走っているといっても、所詮、普通の女子高校生の足だ。大人の男になんて敵うわけがない
ついに、壁際に追い詰められて、囲まれてしまった
…これは、やばい。
私の身体から尋常じゃないほどの汗が流れ、自分のではないと勘違いしてしまうほど、ガタガタと体が震えてしまう
…どうしようどうしようっ。逃げ場はない?…ない!完璧に囲まれてる!絶体絶命だよ…どうしよう…誰か助けてっ
…怖くて声が出せない。頭をフル回転させて、どうにか逃げる方法がないか考えるが、心臓の音がうるさすぎて、集中できない
「つーかーまーえたぁああ」
男の手が私の腕に伸びてくる
「いやぁぁああ!」
…これは夢。絶対に夢!そろそろ目を覚ましてもいい頃だ。覚めて!覚め…覚めない!?
男の手が腕に触れた時、私の目に、真っ黒い何かが写る
「ぐっ…!?」
「お前はっ…!!」
その瞬間、男達が地面に倒れた
「へ……?」
驚きで茫然としていると、フードで顔を隠し、全身を黒い服で包んだ男が現れた
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