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第1章 少女とアクマ

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※※※

 ラビリスは、優しくティアの頬に触れた。

 そして,撫でる。

 ティアの腕を持ち、手を自分の口に持っていく。

 ティアが言ったことは契約だ。

 自分がそれを実行すれば自分がティアと契約を結ぶことになる。

 それでも構わない。

 そうすれば自分もティアもう純粋じゃなくなる。

 それでも,一緒に明日を迎えられるなら問題ない。

 そんな気がするのは自分だけだろうか。

 でも、もし、自分だけなら、ティアは自分にそれを告げないだろう。

 だから、俺は受ける。

 そして,口の中に入れ、自分の牙で噛みちぎった。

 すると,口の中だじんわりの血が広がり、甘い味がした。

 そして、もう片方の手も齧った。

 美味しい。

 久々の人間の肉が何故かとても美味しく感じる。

 あぁ、自分はここまで飢えていたのか。

 そして,手では満足しきれずに、腕まで持っていく。

 両腕齧ったところでラビリスは満足した。

 そして、体の中で消化していく。

 優しく、自分の中の闇とティアの血を同化させる。
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