アンタッチャブル・ツインズ ~転生したら双子の妹に魔力もってかれた~

歩楽 (ホラ)

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中等部・合宿編

39話 紫音 vs 高峰

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 名前も知らぬ
プロレスラー並の体格の男を後にし通路を進む人影がある。

 その男は、身に纏うロングコートに
似合わない、ひょっとこの仮面をつけ
表情は読み取れないが
すでに通路の奥にいる人影に興味をそそいでいた。

 そして、男の後ろを数歩あけて、付いて歩く女性
倉庫内の照明であるが
照らし出される、その姿からも、いい女だとわかるだろう
全身黒ずくめの姿、黒い狐の仮面は顔の上半分を隠すが
その仮面で隠れていない素顔は褐色の肌でもあったが
そして仮面で読み取れないが、表情は曇っていた。

 その狐面の女は、前を歩く男に、声を掛けたそうだが
その一言目が浮かばず、艶のある唇を閉ざす
そして額から汗が落ちて来る
それは、前を歩く男に関係がなく
いや関係はあるのだけれど
通路奥で、柱を背に腕を組んでいる人影に対して、脅えていた。

 フォーは、心臓の鼓動が
だんだんと大きくなるのを感じていた
今のこの瞳でもわかる、あの人物の魂は鋼で出来ている
形は、蓮が持っていた
【刀】と言う物を模した形ににているとも感じていた
近づくに連れ、額に汗が流れ
背筋に寒気がはしり、歩む速度を落としていく。

 前を歩く紫音は
フォーとは違い、何も無いように進んでゆくので
2人の距離は、少しずつ離れてゆく
まるで、忠誠を誓った紫音に対する、フォーの心のように・・・。


 紫音は
袴に赤Tシャツ、デニムのジャンバー、テンガロハットの男の前に立つ
紫音は自分で服を縫うほど、ファッションには厳しい
だからこそ、紫音はつい口に出た

「「ダサ!」」

 対峙した2人の男から出た言葉は、同じであった。

 紫音の戦闘スタイルは
基本おしゃべりから入るのだが
さすがの紫音も、相手の一言目が「ダサ!」では
その後の言葉を失った
まぁ、紫音も「ダサ!」と言ってしまったので
2人して動きがとまってしまったのは、仕方のない事なのだけれど

「「・・・・・・・・・・」」

沈黙のなか・・・紫音は。

 うわぁ、つっこみどころが有り過ぎて、有りすぎる?有り?
いや、まて、有か?
日本とアメリカの融合スタイル!?
袴にテンガロ・・・シルエット、バランスは・・・アリだ!
それに俺がダサい?どこが?
俺・完璧じゃね?ロングコート俺様デザインだぞ!


 そして、シオンと対峙した男、高峰も、言葉を失う。

 ダサイ?ワシが? と・・・。

最先端の、アメリカンファッションを取り入れた姿が
ダサイと言われ腹が立つも

 紫音の姿に、ダサイと感じつつ

西洋のコートに
日の本つ国、その伝統芸能のお面である
ひょっとこ面を組み合わせた事に

は!こ・・・こいつ、なかなかやるな!  と・・・。


 二人共、表情に出さないが
まぁシオンは、仮面をしてはいるのだけれど
【ダサ!】と言った二人、いや、言われた2人の間には
何とも言えぬ、空気がながれた。

 その、空気を破ったのは、高峰である
一度左手で、腰に付けた日本刀の位置を正すと
右手で日本刀を抜き
紫音を見据える、目は切れ長で、整った顔立ちであった

そして

構えも無く、太刀をもった右手を、だらっと下ろしたまま
音もなく、紫音に近づいてくる
それは、身体の上下はなく、まるで、氷の上を滑る用に移動する
まだ10メートル近くあった2人の距離が一瞬にして詰る。

 紫音にとっては違和感でしかない
初めての体験である
何かの映像を見ているように、何かのアトラクションのように
風景と関係なく、高峰だけが、滑る様に近づいてくるのだ
そして高峰は、ブリキのオモチャの用に
無造作に刀を振り上げ、振り下ろす
いたって速くはない、まだ小学生のチャンバラの方が早いだろう速度である。

 そんな、無造作な攻撃を・・・・
いや、無造作であったが為に
紫音も、無造作に、考えも無く、右手で持った木刀で受ける

そう考えもなく、魔法刻印の掛かった、木刀の刃の部分で受ける

普段なら、初対面の相手、それも
フォーが言っていた、強い魂を持つ人間相手に
そんな事はしない、紫音である
もし、これが、早い剣撃なら躱すであろう
躱しきれないであるなら、木刀の背の部分で攻撃を逸らすだろう
ただ無造作に、ゆっくりと繰り出される、攻撃に
あまりにも、陳腐な受けをしてしまった紫音。

 その事に、気がついたのは
攻撃を受けるため頭の前まで木刀を上げ
その上からくる日本刀を木刀で受ける瞬間である

紫音は意思加速の中
木刀で刀を受ける光景をスローモーションで見ながら・・・。

 ああ、やっちゃった、まぁいいか?
考えなしに受けちゃったな
魔法刻印の超振動で、あいつの刀を、粉砕してもうた・・・
半分アメリカが、入ってはいるから
「イッツ、アメリカンジョーク!!」
って言ったら許してくれるかな
それに、ありゃぁどう見ても剣士か侍の類のjobだろ?
今の無造作な太刀筋からは、判断できないけど、中の上、上の下か?
脇差もあるけん、まぁ太刀無くても戦えるかどうかだよな・・・
魂の強さと、戦闘力は別物だしな、所詮は人間・・・
しょせんわな・・・・・・しょせ・・・・・・お?
おおおおおお???

そう見ていたのだ
繰り出された攻撃を、木刀で受ける所を

紫音の脳裏には、すでに砕け散っていく、刀の破片が浮かんでいたのだが
目の前に起きている光景は、違っていた
意思加速の中、その、スローモーションで映し出される光景は

当たった物を粉砕する、魔法刻印・超振動が木刀を
きゅうりか、大根かと言うかの如く切断する、日本刀の姿である
そして、その日本刀は木刀を切断し、そこからみるみる加速し
紫音の顔めがけて、振り下ろされる

そして、おおおおおおお??? である。


 紫音は、意思加速の中、無理やり肉体を動かす、限界を超えた肉体加速である
予備動作を伴わない動きであり
0-100に近いであろう加速をする筋肉
その代償は大きい。

 すこし前に出し伸ばしていた、左足を足首だけで身体を後ろにそらし
つぱった左足から腰と、左腹横筋と左内腹斜筋を使って上半身を右にそらす

 そんな中、相手の日本刀は
紫音の顔の左を通り過ぎ紙一重で、振り下ろされた
勢い余った紫音は、よろけながら、数歩後退した
そして、紫音の顔が一瞬歪む、限界を超えた動きで身体が悲鳴をあげたのだった。

 そして、頭の中のスイッチを切り替え
痛みを遮断し、いや痛いものは痛いのだけれど
やせ我慢で、顔には出さず、足を踏ん張り背を伸ばし胸を張る

その瞬間

左肩から、何かが、はじけるように

左の肩から胸にかけて、服が切り裂かれ血吹雪が舞う。


 
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