アンタッチャブル・ツインズ ~転生したら双子の妹に魔力もってかれた~

歩楽 (ホラ)

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覚醒編

25話 私の証明

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突如現れた、15cmほどの人形の様な生き物は

俺の名前を叫びながら、俺の顔にへばりついた

その瞬間、犬のマーキングかの如く、その小さな身体を俺の顔に、なしりつける
まぁ、大昔、あの世界で飼っていた飛龍の子供よりマシだが
あいつに舐められると、全身よだれまみれに、なったもんだ

ハッハッハッハ、と、心の中で笑う

まぁ、何故?俺の名前を知っているのか聞きたい所だが
今は相手にする時間はないし、とりあえず邪魔だ

そうして、軽くつまんで、放り投げる、シオン

後ろの方では、未だ、デブが、声を張り上げているし
あの調子では、この結界魔法も、鈴の魔核に耐えれなくなって
崩壊するのも、時間の問題だ、それまでに
魔核をどうにかしないと・・・・


頭を悩ます、シオンに対し
人形の様な生き物は、何かを願うように
シオンに問いかけた


「シオンさま、私です、リルです
 貴方様が、付けて下さった名前
 【リトル・L・アンシャン】です、覚えておりませんか?」


その名前を聞いた瞬間

俺の中にある、シオンの心に何とも言えぬ感情が湧き上がり

それとともに、苛立ちに襲われる

自分の名前を呼ぶ、生き物はよりにもよって
リルの名前を口にしたのだ、それも・・・俺が付けた、リルの名前を
それも、自分がリルだと、その本人だと名乗ったのだ

シオンの苛立ちは、言い表せないほどであった
シオンが、その本来の力を使えたなら
すでに、リルと名乗る生き物の、その存在はすでに無かっただろう

そう、この生き物が、リルであるはずがないのだ


シオンが、前世で出逢った、リル
それは、俺が付けた名前

【リトル・L・アンシャン】

ハーフエルフであろう、女性だった

最後に見た姿は
身長150cmほどで、メイド服を着ていた
その見た目からは、年齢も種族すら、わからない
それは
全身にある古傷を隠すように、いつも包帯を全身に巻き
その顔は、左目も失われ、ハーフエルフの象徴でもある耳も無く
右目以外の全てを、包帯で巻き、仮面をもつけていた
そして、リルの声帯は潰れており、言葉を話せず
会話は念話でしか出来ない

それが、リルなのだ

ただ1つ、リルと、この生き物の共通点
それは、その綺麗な薄紫の長い髪だけであった

目の前にいる、綺麗な人形の様な生き物は
自分が、そのリルだと、いったのだ・・・・

そう、俺の腕の中で死に消えていった、リルだと・・・

歯を食いしばり、握る拳に力がはいる

だが今は、この世界の家族を救うために時間が無い
2度と、家族を失わないと決めたのだから

そして、自分自身に怒りをぶつける

(何をしている、鈴を助ける方法、魔核の対処が絶対事項
 もう、こいつに構う時間は無い)

そして、小さな生き物に、俺の視界から消えるよう命令する

「知るかチビ、じゃまだ、潰されたくなかったら、消え失せろ!」


そして、シオンは再び、意思加速の中
鈴を助ける方法を探る・・・・




そして、ある不確定要素に気づくのだ
それは、今この場に出現してきた、リルの名前を語った生き物

あの生き物は、俺の名前・・・
それは、この世界でも同じ、紫音、そしてシオン
知っていてもおかしくはなかった・・・
だが、リルの、あの名前を知っていた
それは、間違いなく、あの世界の住人である事の証明であった
それならば、何かしらの力があるはず
精霊でもなく、妖精でもない、何かしらの力が!

そして、シオンは、その小さな生き物に声を掛ける

「おぃ、チビ」

いや、それよりも早く、リルは、シオンに語りかけた

「シオンさま、それくらいで
 この私が、引き下がると、お思いで?
 最愛のシオンさまを、諦めるとでも?
 私の記憶が無いのなら、思い出させるだけ
 いや、私の存在を、その記憶に、その魂に刻み付けるまで
 それをもって、私は私の証明と致すとしましょう」

その言葉の意味を半ば理解したシオンは、驚き

「まて、チビなにをするきだ」

そして、リルは昔の用に念話で答えた

『すぐに解ります』

そして数千倍であろう、意思加速で
シオンに、ある映像を送る

それは、リルの前世、前の世界での記憶
リル自身が、その命を失った、あの日の記憶
シオンが【蒼き勇者】と戦い、敗北をし
そして召喚された、6体の天使に封印され、殺される様を
そして、それに飛び込む、リルの記憶
マリアの笑顔、涙を流す【蒼き勇者】
それを見守る、勇者の仲間や
涙を流し、何かを叫ぶ、街の住人達
それは、悪魔と呼ばれていたシオンの敗北、その消滅を喜ぶ物なのか
その住人にとって、優しき天使の様な存在である
リルの死を嘆く物なのかは解らない



『これは、お前の記憶なのか、、、』


それでも、その記憶ならば、そこにいた全員が知っている事でもある
それだけでは、証明にならない事は、リルも承知の上でもある

『そうです
 そしてこれが、私が私となった記憶
 そして、私とシオンさまだけの、美しく愛しき記憶の断片』

そして、再びシオンに、ある光景をみせる


それは、今まさに、滅びようとしている都市の光景
天は曇りその雷雲は、叫び喚き、大いなる雷をその地に落とす
すでに、その巨大な都市に降り注いだ、魔法の傷跡で
各地で崩壊が始まり炎が上がり
爆発が起こり、すでに数十万人の人間が死んでいた
だが、それで終わる事はない
都市を襲う魔法は今尚続く、そこには逃げ場所もなく
多くの人間、数百万人にもなる人間の叫び声が、続いていた


そんな巨大都市の遥か上空、雷雲の中に浮かぶ影

全身傷だらけの女性を・・・
いや、すでに人の姿とも言えない存在を、その腕に抱える少年
雷が光るたび、その少年の髪は深い紫色に反射する
それは、10歳ほどの幼き、異世界のシオン姿であった

そして

シオンは、その腕に抱える女性に、名前を付ける

「・・・・・・を忘れ・・・・・・・
  ・・・・・・この・・・・・・・・
   ・・・・・・・の・・・・・・・
    リトル・_____・アンシャン・・・・・・
     そう、今からお前の名前は
      【リトル・L・アンシャン】 ・・・・・ 」



そう、それは、シオンが初めて、リルと出逢った時の記憶
そして、腕の中の女性に名前を付けた時の記憶


ソレは、二人だけの記憶であった

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