アンタッチャブル・ツインズ ~転生したら双子の妹に魔力もってかれた~

歩楽 (ホラ)

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覚醒編

35話 ・・・。

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「ハッハッハッハハ、死んだ死んだ、ボロクソだぁあ
 すげぇなぁーーーいままでの、3本指に入るくらいの、ボロクソ具合
 イヤァーー写メ取っときたかったなぁーーーー
 あ、、、写メって、うわぁ脳が現代事情に犯されてるぅぅ」

そこには、大笑いしている、男の子が一人

すでに、幽体となったシオンは、宙を泳ぎ
動きを止めた紫音自身の身体を見て、大笑いする
それは数十回または百数十回死に
今と同じように、その姿を見てきたシオン
その中でも、今回の死に様を
いや、その残った残骸を

それを見た者は、その残骸から視線を外さずにはいられない程に
ボロボロに朽ちていた、いやまさに、活動を停止した、その肉体は
今も尚、朽ちていっている
そう、そうの物体は、死んだ後ですら、呪は続き
その、ボロボロとなった身体を、ドス黒いモヤがおおっていた


「それにしても、すごいな
 流石、元俺様の魔核
 その鱗片ですら、あの力か
 我ながら呆れるくらい、無駄魔力!!」


シオンは、霊体となっているが、その魂はまだ肉体に有り
意識が霊体となって抜け出ている状態、幽体離脱と言っても良いだろう
どれだけ、ボロボロの肉体であろうと、その機能が止まっていようと
重要機関である、心臓と脳は呪に犯されているが存在している
そう心肺停止状態、シオンはまだ死亡していないのだ

だが、応急処置をしようにも、その肉体は魔法でも修繕不可能なほどに、壊れていた

心の蔵の動きを止めた、肉塊は足元から崩れ落ち地上約20メートル
【北狐亜種|(シルバーフォックス)】の背中からずり落ちるが
その瞬間【北狐亜種|(シルバーフォックス)】は
すかさず空を蹴り活きよい良く飛び出し空中で反転し
落ちていく紫音の身体の下に潜り込み、空中で、その身体を受け止めた


空を舞う、15cmほどの少女は、その小さな身体を震わせながら
シオンの名を、大きく叫ぶ
少女にとって、その消し炭となった少年は
自身の命より、自分のその身より、大切な存在であった

その少年に・・・・・・

いや、少年の前世であった、その男性に、その少女は救われたのだから
救われた・・・・それは語弊がある
少女は、とある日常の中で、ただ生きていた
他人から見れば、それが地獄であろうと、少女にとって平穏な日々であった

シオンとの出逢いは、それを、その平穏を壊すものだった
その男と出会わなければ、少女は人を愛することを知ることはなかった
その苦しみに、その身を焦がすことも無かっただろう
そして、最愛の相手の死に、その悲しみに絶望を感じる事もなかった
最悪にも、今、2度目の最愛の人物の死に直面する
それは、心の蔵を潰すような苦しみ悲しみに、その少女は涙を流し
その男の名前を、叫んだのだった

少女にとって、平穏な日々から
苦しみと悲しみを与えたシオンとの出会いは
地獄の入口だったのかもしれない
それであっても、少女にとって
その男こそが唯一の絶対的存在
その男こそが世界
その男こそが全てであった・・・・


少女は【北狐亜種 (シルバーフォックス)】と
その背中にいるシオンを追いかけた
そして、シオンの身体の元に、たどり着くと
その震える両の手を、シオンにかざし回復魔法を使う


それは・・・・

どんな魔法だっただろう

何度使っただろう

どれだけ魔力を注いだだろう

いくらくかの時間が立っただろう

だが、一切紫音の体には変化はない・・・

その一方で、リルの涙は止まらない
全身は、細かく震え、鼓動は加速し、呼吸は大きくなり
詠唱する魔法は、感情の起伏で度々途切れる
それでも、少女は回復魔法を、止めようとはしなかった

心肺停止、その直後ならば
蘇生魔法の使えない、リルでも
回復魔法による蘇生は可能である
それを、リルが知るかと言えば、知らない
だが、掛けずにはいられないのだが
そのタイムリミットは心肺停止から約3分
それ以上は、酸素不足によって、脳に回復不可能なダメージが起こる
そのタイムリミットも、すでに残り2分となっていた

その震える手に魔力を込めながら回復するリル・・・
その思いが、今、吐き出されていく

『シオン様、戻ってきてください、生きてください
 お願いします、お願いします、シオン様、どうかお戻りください
 シオン様の居ない世界に、何の価値が有りましょう
 シオン様の御側に居られない私に、何の意義が有りましょうか 
 世界よ、何故シオン様を拒む
 運命よ何故に、シオン様に死を、連続する運命の中で
 数度、数百度の人生を歩ませる
 数百の死を持って何とする
 そんな運命の輪、ウロボロスの蛇に取り込もうとする
 何故に終わりなき、シオン様の運命を弄 (もてあそ)ぶ

 何故に・・・・
 
 なぜに・・・・
 
 なんで・・・・

 私から・・・・
 
 シオン様を取り上げるの・・・・・
 
 私が幸せになる事は許されないのかもしれない
 生まれる前から定められた運命であり神事でもあった決め事
 それに、逆らった罰なの、それでも、ダメ

 シオン様を殺すことは、許されない
 私の罰の為に、シオン様が死ぬことは許されない
 
 私のシオン様、私の愛するシオン様
 だからこそ、生きてください、戻ってきてください
 もし、その身がダメであるなら、私の身体をお使いください
 私の全てを捧げます
 
 生きてください

 シオン様 』


だが、回復魔法を何度使おうとも、シオンの体は回復しない
その憤りは、より、リルを追い詰め
最愛の人を失う事に恐怖する


そして、それを地上から見ている数人の人物達
 
自分達を救ってくれた人物の死に、言葉がでなかった
現実で起れえる、創造しえる事柄を超えて、目の前で起こった事実
その事に数人は付いてこれず、放心状態でもあった

一番理解できていたのは、西神虎亜 (にしがみこあ)だけである
いや、それでも、その事実の1割も理解できていなかっただろう
ただ理解できたのは
鈴と言う少女の、計り知れない魔力の暴走
それは、核に匹敵する、あるいはそれ以上の爆発を起こしうる物であった
それを、あの紫音と言う少年が封印し押さえ込んだと言う事だ

核以上の魔力、そんな力は、現代に置いて有り得ない
その力の存在すら、創造すら出来なかった
だが虎亜の高速演算処理能力は、それを、その力の大きさを弾き出したのだ
いや、正確には、核以上の力だと、計算不能だと導きだした
そして、その能力によって、数分後の自分の死すら弾き出した

そして、それを人の身で押さえ込んだ、少年その力の源は何処にあるか解らない
虎亜の能力をもってすれど、その少年は、普通の人間以下の魔力であった
それでも、その力は、その存在の大きさは分かった理解できた
それは、虎亜の能力ではない、人間としての本能、それが、判断を下したのだ

そして、その子供が、その身を犠牲にして自分達を守ったことも
計り知れない、虎亜の知る由もない力を使ってだ
守ったのも自分達ではない、その子供の家族を母親と妹をだ
だが、結果、両腕を失い半身は焼かれ
半身は黒い影を纏朽ち死んでしまった少年が守ったものは
自分達であり、日本であり、世界であった
それを魂で感じとる虎亜
その目には、涙が溢れていた
その事すら気づかない程に
死した少年と、それを回復しようとする妖精に心を奪われていた


蘭は悲鳴をあげ、泣け叫んでいた
コレ程までに、心を乱した事は無かっただろう
コレ程までに、全身が震え、悲鳴を上げたことも鳴き叫んだことも無いだろう
それが、今盛大に泣き叫ぶ
それは、我が子の死に直面したからだ

数分前、自分も死にそうではあった、紫音は倒れ、鈴も苦しんでいた
それでも、楽天家な蘭は、全員が助かると、心の何処かで思っていたのかもしれない
事実目を覚ました時は、鈴は危ない状況であったが、紫音は地に足をつけ立っていた
そして、紫音は鈴を助けるといったのだ
昔から幼少の時から、紫音の言葉には説得力がある
なら、鈴の無事に帰ってくるのだろうと
親子3人で、無事帰れると確信した・・・・が
今、それは、紫音の死によって、打ち消された

上空にいる紫音の姿はハッキリと見えた

両腕はなく、意識無く倒れ落ちる、ボロボロで燃え朽ちる姿を見れば

その人間の命が無いことは、誰しもが理解できた

我が息子の死、それも、壮絶な死、その姿に

蘭は気が狂う程に悲鳴を上げた


 
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