アンタッチャブル・ツインズ ~転生したら双子の妹に魔力もってかれた~

歩楽 (ホラ)

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覚醒編

57話 実験よりも大切な物。

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四条のSPである2人の男性が
紫音に向けて左右に別れ走り出す
紫音にしてみれば、だからどうした?と言わんばかりだ
そして、2人の足元を指差し、デバイスを使い魔法を発動させる

「ロック・バインド」

指差す事で、魔法発動場所の、仮想三次元計算方式を省略し
デバイス交互位置指定方式に切り替えたことで
発動速度を早め、使用魔法量を少なくした事が、裏目に出る
2人の足元に、魔法陣が出現し魔法が発動する、コンマ0数秒
だが、紫音が腕を動かし指差す1秒に満たない時間で
2人の男は、その意図を読み取り
紫音の魔法発動の瞬間いっきに、紫音に向けて跳躍し
手持ちのダガーを数本投げつける

紫音はその場から、後ろに飛びのき
おそってくるダガーを、鉄板入のグローブで叩き落とす

そして2人の男は着地と同時に、体制を整え
前に出て構えを取る背は若干低いが体格がいい短髪の男は
自身に強化魔法を掛ける

そして、後ろに位置するは、背の高い体格はいいが
前に居る男より少し細めな男、髪をオールバックにした男は
前にいる男に防御魔法を掛ける

それを見た紫音は

「オォーーースゲーーーーーヤルジャン!」

右手を前にだし親指を立て、ナイス!と鼓舞する

そんな事お構いなしにと、後ろの男から受け取ったナイフで
前方にいる男は、2刀となり、紫音に襲いかかる
そして、後ろの男は支援に回り
前方で攻撃する男の動きに合わせ
紫音に中距離から、風系統魔法【エアカッター】で攻撃する

この時の紫音の意思加速は、格闘戦に向けて、約5倍
肉体加速は、先ほど限界を超え、疲労した為2倍程度が限界である
紫音にとってみれば、これも想定内で実験の内でもある

空気を圧縮し回転させ円盤状にした物を、楕円の軌道で投げつける
【エアカッター】自体は初級魔法でもあるが
その連続で発動、いや同時発動も行ってもいる事からマスタークラス
最低でもツヴァイマスターだろう
そして計算された楕円の軌道
それは、初心者の使い方ではない、上級者だからこその使い方
パワーのある魔法では、周りに被害を出すかも知れないため
最小限での魔法攻撃
いや、恐るべきは、訓練された2人の連携である

紫音は2刀の男の攻撃を捌きながら
飛んでくるエアカッターを器用に避ける
そして2擊3擊と10数度打ち合っているうちに
誘導されたかの用に、回避不能のエアカッターが弧を描き、紫音の両脇から襲いかかる

紫音に同時に襲いかかる、ナイフ2本と、左右からの魔法攻撃
意思加速した紫音には、それが回避不能だと言うことが手に取るように分かる

意思加速それは、反則級の裏ワザでもあるが
体がソレに共わなければ意味は成さない
辛うじての肉体加速、瞬間的加速ではあるが
同じ速度であれば、速度強化に劣るのだ
そう、今の紫音の瞬間的2倍の速度より
常時2倍の、速度強化のほうが、どう考えても早いのだが
意思加速での、アドバンテージで、どうにか
2刀の攻撃と、後方からの魔法攻撃を凌いでいるのだが
SPの洗礼された連携に、紫音はチェックメイトを迎えるはずであった

だが、紫音の身体は、その体制からからは、考えられない方向へ曲がる
意思加速でならではの動き、意思の力で無理やり身体を曲げる

1つ目のナイフを左手で弾き
2つ目のナイフを右手で軌道を変える
そして、右方向から来た、魔法は身体を無理やり曲げて避ける
だが、左から来る魔法だけは避けきれない軌道で飛んでくるため
1つ目のナイフを弾いた勢いで
飛んできた魔法を、左手の鉄入りグローブで叩き落とす

だが、紫音のそれと、エアカッターの魔法は、相性が悪すぎた
これが、炎か水か氷系統の魔法であるなら、叩き潰せただろう
そう、紫音は分かっていた、だからこそ、今まで避けてきたのだが
最小限のダメージで、この連携攻撃をやり過ごすため、左手を犠牲にする

そう、エアカッターを左手の鉄入りグローブで円盤状の面を叩きつける
だが、左手は実体のないエアカッターを潰す形で、魔法の中に入り
その圧縮され高速で回る魔法で、ズタズタに切り裂かれる
魔法は破裂し、紫音の手は、肉が弾け、血が噴き出した

「イッテェーーーーーーーーーーーーーー」

叫びを上げるも、2人のSPの攻撃は続く
左手の盾を失った紫音は、徐々に押されていく

『シオン様、大丈夫ですか?私がその2人を殺しましょうか?』

『コン?』

『あぁ、邪魔をするな、わからないのか?俺は楽しんでいるんだ
 弱くなることで、こんなにも戦いが面白くなるとは思わなんだ
 まぁ、戦闘技術では、勝てないのは分かったから、次は・・』

紫音は、気づかれないように、ある細工を施し、大きく後ろに飛び退くと
右手を上着のポケットにツッコミ、先程拾った小石を床にばらまく

それを見た2人の男は足を止めた
目の前に、ばらまかれたアイテムに、どんな魔法が掛かっているか分からず
このまま、突っ込むのは悪手だと踏んだのだ

紫音は足を止めた前に居た男の足元を指差す

ソレに男は反応し、また魔法が来ると飛び退くのだが

「チェーンロック」

叫ぶと同時に右手を広げ上に挙げる
先程後ろに下がりながらも、設置していた魔法を発動させる
飛び退いた男の足元に3つの魔法陣が湧き上がりそこから
6つのチェーンが飛び出し、その先には手錠の様な輪っかが付いており

飛び退いたことで、空中で動きが制限された男に襲いかかる
そして、チェーンの付いた輪っかは男を拘束し地面に引っ張り
男が地面に縛りつけられるかと、思われた瞬間
後ろの男の魔法が飛ぶ、エアカッター先ほどとは違い魔力が多めに込められたそれは
紫音が張ったチェーンを断ち切り、男を助ける
そして、チェーンを断ち切った、3つのエアカッターと
同時に放たれた、1つのエアカッターが、紫音を襲うが

紫音は、それを察知し、怪我した左手を大きく左から右に振り
左腕にあるデバイスの魔法を発動させる

「マジックウォール」

紫音の正面に鈍い色の半透明な壁ができ、魔法を受け止めるはずが
すでに、魔法力が尽き、半分以下の強度となった【マジックウォール】は
エアカッターを遮る事ができず、エアカッターは、紫音に襲いかかる

「マジカァァ コリャァァァァ!」

その叫びに
SPの2人は、威力を挙げた、エアカッターが
魔法の障壁を打ち破った、驚きの叫びと叫びと取る

だが、紫音にとって
マジックウォールが、相手の魔法を防ぎきれなかった事に驚いたのではない

ここに来るまで、つかった魔法は、束縛系の魔法【ロックバインド】その回数7回
この場でSP対して最初に使った、2回
そして、今つかった、設置型の【チェーンロック】3つに、【マジックウォール】
とくに、防御系の【マジックウォール】は、
思いのほか紫音の魔力量を奪っていったのだ

肩には、魔力吸収蓄積型使い魔の【ギン】が居る為
残り魔力を考えないで使っていたとは言え

これらの魔法は、すでにシオンによって魔法式を書き換えられ
極限まで消費魔法料を抑えた魔法であり
本来の半分以下の魔力で発動していたに関わらず
予想以上速く、魔力が切れた事に
シオンは自分自身の魔力量の無さに驚き叫んだのだ

その叫びと共に、飛んできた魔法を避けるため、紫音は横に飛び退いた

飛び退いた紫音に、2人のSPの男は、動きを止める
それは、紫音がクローン生成用機材を背にしたからだ
1機、数百万はする機材を背にした侵入者を
おいそれと魔法攻撃できないSPの2人
そして、接近しようにも足元にばらまかれた、アイテム?の存在
または、先程の用に設置型の魔法が仕掛けられていないかと
身動きができないでいたのだ
2人のSPは、デバイスを通し小声で作戦を練るが、一歩踏み出せないでいた

そんな2人を見た紫音は、両手を挙げ

「ココマデダナ、コレ以上ノ、戦闘ハ、ドッチノ利益ニモナラナイ
 コレ以上戦ウナラ、施設ノ崩壊ヲ意味スルゾ」

ハッタリである、ばら撒いた小石もハッタリである
実際、紫音は、魔力も切れ
左手は魔法に潰され、小指と薬指は、動かなくなっていた
その痛みで、叫びたいのを我慢し
仮面の下では涙を流し、歯を食いしばっていたのだから

そうなのだ、今SPに襲いかかれたら、紫音は確実に負ける
いや、すでに負けている、だからこそ、戦いを辞め、逃げる裁断を始める

その言葉を聞いても構えを崩さない2人
その後ろから、近づいてきたのは四条慎二

「殺されたくなけば、質問に答えろ」

「答エレル、事ナラ、答エテヤロウ」

「ここへ何しに来た?目的はなんだ?」

その言葉に、紫音は自分自身に問い
右手で、頭を掻きながら、首を傾げ

そう、目的と言われても
紫音の頭の中に浮かんだ事は

1つ・この身体に慣れたとはいえ、実戦の戦闘経験を積みたかった事
1つ・この世界の銃火器相手の戦闘経験を積みたかった事
1つ・クローン技術、その研究を見たかった事
1つ・蘭さんを襲った組織の、責任者であろう四条慎二の顔が見たかった事
1つ・四条慎二に、これ以上、蘭さんに手出し無用と忠告する事

「ナニッテ・・・・・?
 目的?・・・最先端ノ、クローン技術ヲ、コノ目デ見タカッタカラナノカナ?
 ツイデニ、四条慎二、オ前ガ此処ニ来ル情報ヲ掴ンダカラナ、顔ヲミニキタ
 アトハ、忠告?、今後三千風蘭博士ニ、危害ヲ加エルナラ、オ前ラヲ潰スト
 ダガ、ソンナ事ヨリ、ナゼコノ施設ニハ、女性ノ試験体ガ居ナインダ?」

当初の目的は、自身の実験であり
この世界での戦闘経験をその身で体験することである
それは、入口での銃撃戦と
思いもよらぬ、四条のSPが強かった為
予想以上の格闘戦闘・魔法戦闘の経験を得たことは確かである

そして、実に今日この場所で、その実験をしたのは
井門の情報で、今日四条慎二が、ここを訪問すると知り
ついでに、忠告と顔を見るため、施設見学を数日ずらし、今日にしただけである
そう、ただ単に、タイミング的に、合っただけである、それ以外の意図はないのだ

そして、紫音はこの施設に入ってから
女性のクローンを1体も見ていない
だからこそ紫音の興味は、女性型クローンに移っていた

「・・・・・そんな事は、どうでもいい、こいつを捕まえろ
 知っていることを全て吐かせろ!」

「ですが・・・」

その言葉に、2人のSPは・・・・動かない、動けない
未だ余裕のあるように見える、仮面の少年に対して、動けないでいる
大きな魔法を使えば、少年を抑える事も出来るが
それは、ここの設備を壊すことに成りかねない
2人の男は、すでに確認していた、仮面の少年が幾つものデバイスを持っていることに
それは、まだ幾つもの、魔法を保有していることに他ならないのだ
そして2人の前でつかった魔法の回数は数回、なら魔力はまだ有るのだろう
そう、1人で侵入してくる位なのだから
それなりの実力者・魔力保有者なのだろうと

そして、紫音も同じく確認していた、2人の男の事を
さすが、十士族の1つ、当主ではないが、四条の名前を持つ男の専属SP
紫音の予想を超える強さであった
それも後で魔法を使っていた、オールバックの男が使用した魔法は数個
その男のデバイスの量から考えても、保有魔力量は通常の人間の倍以上
所持魔法の数も、紫音に匹敵すると、もしこの場が外ならば
周りを気にせず戦えたなら、圧倒的な力で紫音は秒殺されて居たのかもしれない
だからこそ・・・

『よし、とりあえず逃げるか?』

『では、どこかに転移しますか?ここを破壊しますか?』

100倍を超える意思加速で、周りを置き去りにして会話を始める

『それよか、リル、お前知ってただろ?』

『何をですか?』

『ここに男性のクローンしかないことをだ』

『・・・・・・・き・・気づきませんでした』

全く嘘が下手である

『なら、女性のクローンの場所はどこにある?となりの建物とかか?』

『わ・・・わかりません、し、しりません』

『そういえば、もう一箇所、クローンの実験場があったはずだな』

『・・・・・・・・・』

『オイ、リル!』

『えっ・・・聞こえませんでした、なんの事でしょう?』

『もう一個の実験場だ、井門の資料にもあったはず
 お前はもう視察しているはずだよな?』

『わすれました・・・・』

『そうか、そこに女性型のクローンがいるんだな
 お前が言わなくても、井門に聞くから、リルお前はもういい』

『シオン様・・・だって、あんなオッパイだらけの場所にいったら
 私を見てくれなくなるじゃないですか!!
 数十体の裸の女が有るんですよ
 巨乳大好きなシオン様の鼻の下が伸びるのは確実・・・
 こんな事なら、シオン様に知られる前に
 私の手で闇に葬る去るべきでしたか・・・』

『裸の女だと!よし行こう、今すぐ行くぞ』

『・・・・シオン様・・・・・』

『コン・・・・・・・』

テンションが上がる紫音に、呆れかえる、リルとギン

「ククク・・・スマナイナ、急ギノ、用事ガ出来タノデナ
 コレデ、失礼スル」

「おい!」

四条慎二は、仮面の少年を引き止めるように
右手を前に出しながら、叫んだ瞬間

施設の中に閃光が走り、そこにいた全員の目を潰す
リンによる、光魔法、要は目くらましである
そして、紫音とリル・ギンは、転移していく

そして、10数秒後、視力がもどった、男達の前に残るは、床に広がる青い炎だけであった





床に広がる青い炎
その炎の元の姿は、紫音の左手の肉片と、血である
紫音の痕跡を消すため、その飛び散った血・DNAすら残さないため
ギンが独自に判断をくだし
魔法の炎で、床に飛び散った、肉片と血を残さず燃やしたのだ
そう、青い炎は、全てを隠滅した後、
その炎が、燃え尽きる寸前に青く燃えあがった姿


四条慎二と、数人の男達は、言葉もなく
消えゆく青い炎を、ただずっと眺めていた


 
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