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きぐるみ幼女編
16話 1年前・鉄雄・・・謝る・・・。
しおりを挟む蓮が、1年のクズクラスを覗く、少し前
「うぜぇ、いい加減倒れろよ、大文字先輩」
「うるせぇ、くそが、そんな虫も殺せない蹴りで俺が倒れる訳がないだろうが!」
哲雄は、すでに、何十発も蹴りを入れては入るが
倒れない大文字にイラついてきていた
哲雄も哲雄で、微妙なのだ、手加減するのがイヤなってきたのだ
その気になれば、動きが鈍った大文字など相手ではない
ピンポイントで足の骨を折ることもできる
頭部を蹴って、意識を刈り取る事も出来るが
足の骨を折れば、完治するのに数ヶ月かかるだろう
頭を蹴ってもいいが、この大文字が下手にうごいて
当たり所が悪いかったときの事を考えると・・・
鉄雄のできることは、急所に入らないように
足を削っていくだけであるのだ
それでも、時間稼ぎには、ちょうど良かったのも事実でもある
隼人は鉄雄の初撃を躱せなかった事を悔やんでいた
油断は無かったはずだと、右足の中段蹴り
それは左肘で確実に止めた筈だった
そう、止めたはずだったのだ、だが左肘に何の感触も無く
痛みが走ったのは、左膝だった
隼人には、鉄雄が繰り出した、蹴りの変化がわからなかった
いや、分かるハズがない、そういう蹴りなのだから
鼓道場、ここで教わる基本の戦闘態勢は、少し斜に構え
身体の中心線を相手から隠す形である
その前足の膝を壊されたのだ
正確には、膝自体には、ダメージが少なく
膝を動かす筋肉の付け根に、一番痛みが走る角度で蹴りを入れたのだ
そんな事は分からない隼人は、考えないようにするが
体は、左膝を庇おうと、動きがぎこちなくなる
そして、その痛みから隼人の踏み込みは、微かに遅くなるのだ
格下相手なら、それでも勝てただろう
だが、鉄雄にとって、それで充分
隼人の攻撃の隙を付いて鉄雄の蹴りが、隼人を襲う
そして、すでに、隼人の足は、動かない
立っているだけで、精一杯の隼人
一度でも、バランスを崩せば、倒れ立ち上がれないだろう
隼人は、すでに自分の置かれた状況は理解できていたが
だが
年下に舐められたまま、終われない
それ以上に、一発も入れずに負けたとなれば
後で何を言われることか・・・
そんな思いを胸に隼人の血液は、どんどん頭に登っていき
感情が口から漏れる
「クソクソウクソクソクソクソクソクソクソ」
自分では気づいていない、頭に血が登りすぎて
いや、まだまだ登っていくのだが、鉄雄は、それに拍車をかけるのだ
隼人が、ぶつぶつと、つぶやき始めた頃
鉄雄が、教室を覗き込む、赤い頭の人間に気が付く
「・・・・やっぱきたか・・・・・」
鉄雄は隼人に対し正面を向き
両手をズボンのポケットに入れたまま、肩幅より少し広く足を開く
そして胸を張り首を少し傾げ、隼人を見下すように
「大文字先輩、もう代われよ、時間の無駄だ」
そして、上半身を前に倒し、一度舌をだし
「俺は、大文字先輩とちがって、弱いものイジメをする趣味はねぇし
手加減するのも疲れた、それに、やっと、ラスボスが釣れたしな」
それは、完全なる侮辱である
だが、反論は出来ない
隼人達は、ここに騒がしい1年をリンチにしに来たのだが
鉄雄の、【弱い】言う言葉と、【手加減】と言う言葉に
とうとう隼人は、キレた
「殺す」
そして、右手を鉄雄に向け手のひらを広げ
右手の手首を左手で掴む
「火《カ》・火可《カカ》・火可《カカ》・火可《カカ》・火可《カカ》・・・・・・・・」
隼人の右手の前に、赤い塊が出現し
徐々に大きくなっていくのだった
それは、炎系、広範囲炸裂魔法【ファイヤーボム】
そのボールの様な球体を打ち出し、目標物に当たると、炸裂し燃え上がる
その込める魔力によって、威力が増すというものだ
隼人は、ありったけの魔力を込めていく
力で勝てないなら、魔法で勝つ
オールラウンダーと言うのは簡単だが、器用貧乏である
その分、何でも出来るのだ、そう、大文字隼人は
格闘技において、優秀でもあるが、魔法全般に対しても優秀であった
そして今、隼人は魔法を使う
それは、正解なのだ、決まったルールも無く、戦っているのだ
最後に立っていた者が勝ちである
そして、鉄雄は、攻撃系の魔法が苦手であり
防御系は、もっと苦手であるのだから
そして、そのことも、隼人や、蓮達は知っていたのだ
機動力の高い、鉄雄を確実に倒すため
広範囲の攻撃系魔法を用意していた
これは隼人が、鉄雄と対峙した時に
もしもの切り札として用意していたものだが
使うつもりはなかった、威力よりも
その範囲攻撃で出る被害が予想できなかったからだ
だが、ブチギレた隼人には、関係なかった
隼人の頭にあるのは、宮守鉄雄を殺すことだけなのだから
隼人の魔法の発動
鉄雄は、その魔法を見も、何の魔法か分からなかったが
徐々に大きくなる、赤い塊に、それが範囲系の炎魔法である事を理解した
「間に合わんか」
そう、すでにある程度大きくなった、塊は
その魔法を発動させた、隼人の意識を狩っても、消滅する事はない
ただ、暴発するだけである
そして、鉄雄は、隼人と距離を取るため、後ろに下がる
そこには、隼人の魔法が何であるか理解した、先程まで、リンチを受けていた7人が
青い顔をして震えていた、そして、一番最初に蹴られ意識をなくした奴が転がる
そして机に腰をかけ、楽しそうに鉄雄を迎えた真っ赤な魔導帽を被る女性がいた
「おかえりなさい」
「ただいま、カレラ、見せ場を残しといたぞ」
「嘘おっしゃい、逃げてきたんでしょ」
「知ってんだろ、俺は、あの手の魔法が苦手なんだ」
「知ってるわ、だから逃げてきたんでしょ?」
「そうだけど、そこを突っ込むなよ」
「で、どうするつもりなの?」
「だから、見せ場を・・・悪かった、助けてくれ」
「はじめから、そう言えばいいのよ
だけど、彼のファイアボム程度だと、私の見せ場にもならないのよね
ほんと・・・何か、いい方法はないかしら」
そう言って彼女は首を傾げ、本気で悩むのだった。
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