幸運の歌姫

歩楽 (ホラ)

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第1章・聖騎士

魔女

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 シャルロットは
ラオウの飛んでいった方向を睨む・・・。

 徐々に遠のいていく、背筋を刺すような驚異・・・。

 だが、未だに感じる、嫌な感覚
ピリピリとした何かが未だに背中に感じた。

 うしろ?
振り向く先には、あ3が、ライブをしている街があった
それを、視界に入れると、一気に全身に悪寒が走る

「あ3?」
 
 もしかして、あ3になにか・・・・・

 シャルロットは、酒場に向けてはしりだした。

 あそこには、アッコや、キョン
多くの冒険者がいる・・・
何かあっても、大丈夫なはずだ・・・
あ3、何事もなく、無事で・・・・いて・・・・。

 シャルロットは、青い顔で走り出したのだった。



********************



 シャルロットが酒場から出て行って少し経った頃


 あ3は、ギターかき鳴らし
恥ずかしさを心に隠し、大声で歌っていた。

 そんな時いきなり、酒場の扉が空き
お店の中に風が吹き荒れ、すこしたち風が止む。

 びっくりして、歌を止め
目をつぶった・・・
そして、恐る恐る目を開けた僕
その目の前にいたのは
全身を黒いローブで包む人間が立っていた
風で、幾つかの光源が消え
薄暗くなった室内では、フードの中の顔は見えなかった。

 そして、黒いローブの人物が綺麗な声で

「あなた・・・・NPCね・・でもなんで、その歌を知っているの?」

 「え?・・・・あの・・・。」

 「まぁいいわ、面白そうな小鳥ね、持って帰るとしましょうか。」

 僕に向けられ、手が伸びる・・・
綺麗な声と、細く白い綺麗な手・・・女性?
なんで?僕?

 「ハァァァァァーーーーーーーーー!!!!!」

 黒いローブにいきなり襲いかかったのは
両手剣を持った女性、アッコさんである
だけど、ローブの女は、何かの魔法をつかうと
アッコさんは
地面から生えた植物の蔓に手足を縛られ動きを止められる
泣きじゃくっていた魔法使いのお姉さんの魔法が飛び
アッコさんを縛った蔓は消えたが・・

「遅い!」

 黒いローブの女性が叫ぶと同時に
風の塊が、アッコさんを襲う

 吹き飛ばし系だった、その魔法は
両手剣を盾にして受けた、アッコを吹き飛ばす
ダメージは小さいが
黒いローブの女性は
彼女にとって一番やっかいな存在との距離を開けたのだった。

 魔法使いのお姉さんが叫ぶ
「アッコ、わかってると思うけど
 精霊使い系統のプレイヤーよ。」

「あぁ、わかってるよ、キョン
 みんな!あれは、リンゴの森の【最悪の魔女】
 Aランク以上の精霊使いだ、気を抜くなよ!」

「「「「「おう!」」」」

「最悪の魔女って、いわれてもねぇ・・・
 まぁ、貴方達に好かれようとも思わないから
 最悪って言われようとも構わないし
 では、この小鳥を盾にでもして
 もっと悪名をあげようかしらね。」

 アッコさんの仲間の泣きじゃくっていた魔法使いの女性は
【キョン】と言う名前だと、アッコさんが教えてくれた
そして、シャルや、アッコさんと、同じく異世界の人間
レベル100超えの冒険者だとも、シャルが教えてくれた。
 
 そしてキョンさんが口にした【プレイヤー】とは
シャルと同じく、レベル100超えの存在を示す言葉だった
そして、この黒ローブの女性こそが
吟遊詩人の歌にもなるほど、悪名が名高く
リンゴの森の人攫い【最悪の魔女】と呼ばれる存在だった。


 そこからは、黒いローブの女性の一方的な魔法攻撃が始まった。

僕は、すでに肩を掴まれ、全身が動かなくなっていた・・・・。
そう、僕がいるから、皆は本気で攻撃ができなかった
僕を盾にして、僕の後ろから攻撃魔法を繰り返す
ローブの女性に、皆が攻撃が出来なかったんだ。

 僕を傷づけないために
皆が傷ついていく・・・・
そんな、地獄のような光景を
見せられていく
何かの魔法で拘束され
声は出ないが、涙だけはとめどなく流れていく。


 そこからは・・・・・酒場の冒険者が
やられても、やられても、何度も何度も僕を助けるために立ち上がる。

それでも、何度も吹き飛ばされても、向かっていくアッコさん達の姿

ローブの女性の魔法で、ボロボロになっていく酒場


僕は・・・・泣くことしかできなかった・・・・。



 たった数分だった


どうにか立っているのは
アッコさんと、キョンさん2人だけとなった


「さすがに、一方的に攻撃出来ると言っても
 PC (プレイヤーキャラ)の2人を倒しきるのはきついわね・・・・。
 でも、もういいわ、みんな寝なさい
 この小鳥は貰っていくわね
 カゴに入れて歌わしたら面白そうね
 ふふ、いい音楽プレイヤーを手に入れたわ
 ふふふふふふふ・・・・・・・・・
 音楽鑑賞が趣味の私には
 この世界は味気がなさすぎなのよ 
 それに、あの子達も・・・・・・」






 僕は、彼女の笑い声を耳にしながら、意識がうすれていく・・・・






 シャルロットは、息も切らさず
酒場まで走りきった・・・・・。

 酒場が静かな事に嫌な予感が増してくる

 開けっ放しのドア・・
いや、ドアは壊れていた。

 ドアの近くで、倒れている冒険者・・・
踏まないように、酒場に入ると、誰1人意識がない。

「あ3!!!
 どこ、あ3!」

 シャルロットの叫びだけが、響き渡り
その叫びに答える人物はいなかった。

 目に入ってきたのは
派手な赤い鎧を着込む女性だった。
 意識が無い今でさえ、その両手剣を右手に握る女性をみつけた
回復魔法をかけ、体を揺らす。

「アッコ、大丈夫?
  何があったの?あ3は??」

 「グ・・・・シャルロットか・・・
 すまない・・・・
 最悪の魔女に・・・
 あ3が連れて行かれた・・・・・」

 「そ・・・そんあぁぁぁ!!!
  私が・・・離れたばっかりに・・・
 あああああああああああああああああああああああああああああ」


シャルロットの叫びだけが
ボロボロになった、酒場で
床に転がる、冒険者達の無念と共に木霊する・・・・。



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