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その25
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子供達を捕らわれの身から解放させたサージはその後も地下通路を黙々と歩んでいた。降り立った当初に感じた勘は正しく、地下施設は幾つのもの分岐点があり広大で複雑だった。
扉を見つける度に中を調べるが、どれも大した収穫はなく、空になった簡素な棺桶を何個か見つけただけだ。これらはおそらくジェダの眷属の寝室なのだろう。
探索を続けるサージだったが、やがて無残に破壊された扉を見つけると一つの答えに行き着いた。『どうやら、この地下施設は正しいルートを知らない者が通路を進めば、堂々巡りさせるように作られているらしい』と、何しろその壊れた扉は自身が蹴り開けた扉なのだから。
「どこかに更に奥に通じる隠し扉があるはず・・・くそ・・・さっきのあいつに口を割らせれば・・・」
事実に辿り着いたサージは後悔の念を口にする。あいつとは子供達を収容していた監獄の番人と思われるレッサーバンパイアのことである。今更だが情報を聞き出してから始末するべきだった。
「まあ、しかたがない・・・それらしい場所は・・・」
だが、サージは一瞬で気持ちを切り替えると、これまで調べた地下施設の構造を頭に思い浮かべて、隠し扉の候補地を割り出す。過去にいつまでも捕らわれるほど彼は繊細ではなかった。失敗は事実として受け入れつつも、さっさと忘れて最善の行動を起こすのがこの男の信条なのだ。
やがて、サージは記憶の中からそれらしい地点を割り出すと、踵を返して後戻りを始めた。
候補地に戻ったサージは通路の壁に向って、軽く拳を二回ほど叩きつける。その打撃音は予め叩いて確認した床よりも遙かに長く闇の中に響いた。内側が空洞になっている証拠である。
「当たりだ! さすが俺!」
笑みを浮かべながらサージは自画自賛する。普通に探索している最中には気づけなかったが、隠し扉のことを前提にした今では、この地点の扉と扉の間隔が不自然に離れているように思えたのだ。
「じゃ、開けるか・・・」
そう呟くとサージは、今度は本気で壁に向って己の拳を振り被る。本来なら隠し扉を開けるための細工やギミックを調べるべきだろう。
部外者を遠ざけるための隠し扉ではあるが、ジェダとその配下にとっては日常的に使用する施設である。場所と正しい手順さえ知っていれば簡単に開くようにされているはずなのだ。
だが、サージは最も単純な発想を選ぶ、それは壁自体を壊してしまうことである。細工を見つける洞察力やギミックを作動させる技術がなくても確実に隠し扉を開ける、あるいは通過する確実な方法だった。
「うらぁ!!」
サージの〝錬体術〟で強化された一撃を受けた壁は放射線状に亀裂を作るが、それでも止まらない圧倒的な力を逃がすため内側に吹き飛んでいった。
「ふん!」
地下全体に鳴り響いたと思われる爆音と震動の中、サージは自身が作り出した穴を広げるためダメ押しのように下部の壁を蹴り壊す。今更だが、隠密行動とは全く縁のない男なのだ。
人が通れるだけの穴を石壁に開けたサージは、自分で生み出した埃を手で払いながら隠し通路へと踏み込む。しばらくの間、この盛大なノックの反応を窺うが迎撃に現れる敵の気配はなかった。
「ふう・・・まあいい。こっちから行ってやるよ!」
期待が裏切られたサージは溜息を吐くと、再び闇に包まれた通路の先を目指して歩き始めるのだった。
扉を見つける度に中を調べるが、どれも大した収穫はなく、空になった簡素な棺桶を何個か見つけただけだ。これらはおそらくジェダの眷属の寝室なのだろう。
探索を続けるサージだったが、やがて無残に破壊された扉を見つけると一つの答えに行き着いた。『どうやら、この地下施設は正しいルートを知らない者が通路を進めば、堂々巡りさせるように作られているらしい』と、何しろその壊れた扉は自身が蹴り開けた扉なのだから。
「どこかに更に奥に通じる隠し扉があるはず・・・くそ・・・さっきのあいつに口を割らせれば・・・」
事実に辿り着いたサージは後悔の念を口にする。あいつとは子供達を収容していた監獄の番人と思われるレッサーバンパイアのことである。今更だが情報を聞き出してから始末するべきだった。
「まあ、しかたがない・・・それらしい場所は・・・」
だが、サージは一瞬で気持ちを切り替えると、これまで調べた地下施設の構造を頭に思い浮かべて、隠し扉の候補地を割り出す。過去にいつまでも捕らわれるほど彼は繊細ではなかった。失敗は事実として受け入れつつも、さっさと忘れて最善の行動を起こすのがこの男の信条なのだ。
やがて、サージは記憶の中からそれらしい地点を割り出すと、踵を返して後戻りを始めた。
候補地に戻ったサージは通路の壁に向って、軽く拳を二回ほど叩きつける。その打撃音は予め叩いて確認した床よりも遙かに長く闇の中に響いた。内側が空洞になっている証拠である。
「当たりだ! さすが俺!」
笑みを浮かべながらサージは自画自賛する。普通に探索している最中には気づけなかったが、隠し扉のことを前提にした今では、この地点の扉と扉の間隔が不自然に離れているように思えたのだ。
「じゃ、開けるか・・・」
そう呟くとサージは、今度は本気で壁に向って己の拳を振り被る。本来なら隠し扉を開けるための細工やギミックを調べるべきだろう。
部外者を遠ざけるための隠し扉ではあるが、ジェダとその配下にとっては日常的に使用する施設である。場所と正しい手順さえ知っていれば簡単に開くようにされているはずなのだ。
だが、サージは最も単純な発想を選ぶ、それは壁自体を壊してしまうことである。細工を見つける洞察力やギミックを作動させる技術がなくても確実に隠し扉を開ける、あるいは通過する確実な方法だった。
「うらぁ!!」
サージの〝錬体術〟で強化された一撃を受けた壁は放射線状に亀裂を作るが、それでも止まらない圧倒的な力を逃がすため内側に吹き飛んでいった。
「ふん!」
地下全体に鳴り響いたと思われる爆音と震動の中、サージは自身が作り出した穴を広げるためダメ押しのように下部の壁を蹴り壊す。今更だが、隠密行動とは全く縁のない男なのだ。
人が通れるだけの穴を石壁に開けたサージは、自分で生み出した埃を手で払いながら隠し通路へと踏み込む。しばらくの間、この盛大なノックの反応を窺うが迎撃に現れる敵の気配はなかった。
「ふう・・・まあいい。こっちから行ってやるよ!」
期待が裏切られたサージは溜息を吐くと、再び闇に包まれた通路の先を目指して歩き始めるのだった。
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