40 / 51
39.夢に向かって
しおりを挟む
「ぐっ、ひぐっ……うぐっ…」
美菜は手術室の外で泣いている。
彼女の頭の中は、真っ白だった。
憲斗にやっと会えたのに…。一瞬だけの奇跡だったの…?
それでも幸せだって…感謝しないといけない?……。
ああ…、ああ…分かんないよ……。何も…もう何も……。
扉が開いて、お医者さんが出て来た。
美菜は、胸に深く何かが刺さった気がした。
答えを聞くのが恐い。
まだ、全く心の準備ができていない。
どうしよう…どうしよう……。
顔を背けた美菜を横目に、お医者さんがさらっと結果を伝える。
「大丈夫だよ。取り敢えずはね。お疲れさん」
美菜が顔を上げると、もう1人の女性のお医者さんが目の前にいた。
「心配しないで。やることはやったから。
まあ、目を覚ますのは何日か掛かるだろうけど。
薬だって開発中らしいから、間に合えば…。
でも、大事な人なら、ふたりの時間を大切にね。じゃっ」
今のところは大丈夫なのだと知った美菜は、荒い呼吸の中、涙を拭う。
「そうだ…よね。奇跡の時間…。本当はなかった…奇跡の…」
美菜は何度も頷く。
「よかった……。とにかく…よかった…。ありがとう…」
看護師さんや色んな人が去った後、美菜は静かな廊下を歩いている。
頭の中では、感謝と悲しみとこれから先の真っ白がぐるぐる回っている。
はっとした彼女は、顔を上げ、大きく息を吸う。
「みんな、頑張ってるんだ…。憲斗も、皇真さんも、お医者さん達も。
そして、今の奇跡は、この人達が…」
廊下の先にいる看護師達を見て、美菜はまた頷く。
「…私も、夢に向かって、頑張らないと…。うん!みんなのために頑張ろう。
憲斗が目覚めたら、そういう輝く私を見せよう!こんな俯いてちゃだめだ。
キラキラした私を見てもらおう!」
美菜は胸を張って、歩き出した。
美菜は手術室の外で泣いている。
彼女の頭の中は、真っ白だった。
憲斗にやっと会えたのに…。一瞬だけの奇跡だったの…?
それでも幸せだって…感謝しないといけない?……。
ああ…、ああ…分かんないよ……。何も…もう何も……。
扉が開いて、お医者さんが出て来た。
美菜は、胸に深く何かが刺さった気がした。
答えを聞くのが恐い。
まだ、全く心の準備ができていない。
どうしよう…どうしよう……。
顔を背けた美菜を横目に、お医者さんがさらっと結果を伝える。
「大丈夫だよ。取り敢えずはね。お疲れさん」
美菜が顔を上げると、もう1人の女性のお医者さんが目の前にいた。
「心配しないで。やることはやったから。
まあ、目を覚ますのは何日か掛かるだろうけど。
薬だって開発中らしいから、間に合えば…。
でも、大事な人なら、ふたりの時間を大切にね。じゃっ」
今のところは大丈夫なのだと知った美菜は、荒い呼吸の中、涙を拭う。
「そうだ…よね。奇跡の時間…。本当はなかった…奇跡の…」
美菜は何度も頷く。
「よかった……。とにかく…よかった…。ありがとう…」
看護師さんや色んな人が去った後、美菜は静かな廊下を歩いている。
頭の中では、感謝と悲しみとこれから先の真っ白がぐるぐる回っている。
はっとした彼女は、顔を上げ、大きく息を吸う。
「みんな、頑張ってるんだ…。憲斗も、皇真さんも、お医者さん達も。
そして、今の奇跡は、この人達が…」
廊下の先にいる看護師達を見て、美菜はまた頷く。
「…私も、夢に向かって、頑張らないと…。うん!みんなのために頑張ろう。
憲斗が目覚めたら、そういう輝く私を見せよう!こんな俯いてちゃだめだ。
キラキラした私を見てもらおう!」
美菜は胸を張って、歩き出した。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
2026.1.4 73話見直した際、瑛士の台詞《本音/懺悔》を加筆しました。😇
☘ 累計ポイント/ 200万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる