上 下
39 / 166
学園

26 陛下

しおりを挟む
「父上」
「おお、レインハルトどうしたのだ?」
「父上にご紹介したい者をお連れしました」
「ほう?」


現在私は王子が父上…と呼んでいる者の前につれてこられた。

…って皆様御機嫌よう‼️現在私は大ピンチの状態でございます!いま横にいる糞王子になんだかんだと結局陛下の前まで連行されました!ちょっとマジ勘弁状態です!NOーーーーー‼️


「この度はお招き…」
「よい顔をあげよ、そなたが…話しは聞いておる…ふむ」


ーほう、この娘が最古の黒猫を使役しとる者かそれに…ふむアヤツの執着が面白いのー
陛下はマリアンを頭の先から足の爪先までゆっくりと見下ろし己に感じる殺気と魔力を面白いと感じていた。


「父上彼女はマリアン・カーリヒルト嬢です、そして私の…」
「そうか話は聞いておる、なに心配するな今宵は楽しむといい」


陛下は笑顔でマリアンを見ると手で下がれと小さく合図をした、王子は満足そうに一礼し私をエスコートしたまま踵を翻した

…え?何が心配するななの!?ちょ!へいかーーー!

私は内心絶叫をしながら淑女の礼をしながら王子にエスコートされながら静々とその場から離れた、歩きながら王子はものすごく眩しい笑顔で私を見つめ話しかけてくる


「父上も認めた、これでマリアンそなたは私の婚約者だな」
「殿下…本日はもう体調がよくありませんのでお帰りしてもよろしいでしょうか…」
「そうか…いや、それならばこのまま本日は王宮に止まれば良い」
「いえ、明日は自領で朝早く用がございますゆえそろそろ失礼させて頂きます」


マリアンはエスコートの途中で手を放し淑女の礼をした後王子が何か言い出す前にさっさとセバスの元へ逃げていった
その後ろ姿をレインハルトは淋しげにだが満足気に見つめている。
そしてそれはこの場に来ている多くの貴族の者達はレインハルトが直々に陛下の元へ挨拶に連れて行ったことからマリアンが婚約者であると知らしめる行動となったのだが…





※※※※※※※

(おいエイザルよ)
(なんですか陛下)
(先の娘がお前のとこの息子の嫁か)
(さようです)
(いやなかなかに…聡明で美しく清い魔力を持っておるな、それに会話しておるだけでものすごい殺気と魔力をお前の息子にぶつけられたぞ)
(それは申し訳ありませんね)
(全然そんなこと思っておらんだろ)
(はっ、この後リオンから来る洗礼の方が心配だよ私は)
(口調が崩壊したの念話だから構わんが)
(はいはい、それでなにか様か?)
(いや、あれだけの魔力と殺気をぶつけられ我が息子はそれすらも感じず一人舞い上がっておるなと)
(まあ、愚息ですからね)
(その通りでなにも言えん、あやつの頭は何故ああも花畑なのだ…)
(王族とは思えないですね)
(いずれ何か起こさぬか心配だ)
(仕方ないな愚息だから)
(二度言うたなそなた…)
(真実だから仕方ない)
(ううむ……お、おおそうだ、儂はエイザルの息子と先の娘が婚姻する事認めるぞ、先の娘には我が息子では釣り合わぬしの、なんなら明日婚姻の書類を作成するかの)
(婚約ではなく婚姻ですか⁉️)
(ん?不服なのか?その方があの馬鹿が何か仕出かしたとしても娘の方は関係ないと言えるしの、本人たちに伝えるかはエイザルに任せるそれと学園を卒業するまではカーリヒルトのまま過ごせばよかろう、卒業後に名前を名乗り変えるのは構わんからの早くに越したことはない、それにもうすぐで先の娘も十三になるのだろ?十三ならば婚姻しても構わんからの)
(それならばマリアン嬢が卒業したら二人には報告とするか!そのほうがリオンの驚いた顔も見れるだろうしな!」
(エイザルは相変わらずだの…)
(そうとすれば…、よしではまたなジース)


エイザルは陛下と念話を終わらすとそっさと会場から出ていった、仮にも陛下の護衛魔術師にも関わらずそれを放置して去っていくのを誰も止めずとがめないのはエイザルがマギアモール家の現領主であり血縁者であるため、そして陛下であるジードルス・エル・トヤムールがなにも言わないからである、リオンの父エイザル、マリアンの父カーマナルク、第二王子レインハルトの父ジードルスは幼少の頃より王太子と側近候補として関わりがありなかがよく親友と言えるほどの仲だなのだ。

(レインハルトには適当な娘でもつけてどこか領主とするか、継承者でもなければ側近にもできぬからの)

そしてそんな仲のエイザルを見送ったジードルス陛下は再びまだ会場にいるリオンとマリアンに視線を向け口角をあげたのだった。
その頃マリアン達と別れた後近くにいるエイザルと念話しリオン達の今後を勝手に決めているなど、そしてそれがどんな影響を与える事になるか等ということも…誰も知ることはないのだった。
そして後日エイザルとジードルス陛下の手によって内密に婚姻書類が作成され十三になった日に神殿へと提出し認めらてるなとこの二人以外知る者はいないのだった。 

※※※※※※



「セバスさん…疲れました」
「お疲れ様でございますマリアン様」


カチャカチャ…
あたりには陶器の音とミントの紅茶の香りが広がっている、そう今マリアン達がいるのは学園の研究室だ。


「今回の挨拶でですが多くの方々には私が王子の婚約者と見られましたよね」
「休みがあければ学園ではかなりの話題となると思われます」
「そうですよね、やっぱり…」
「休みがあければ坊っちゃんも学園には居られませんので何かあればこちらへ避難されればよろしいかと」
「そうですね…セバスさんありがとうございます」
「お気になさらないでください」


マリアンはセバスに出された紅茶を飲みながら目の前に置かれたクッキーをサクサクと食べこのまま残りの休みをこの研究室で過ごすのである
その日の夜戻ってきたリオンに足腰に力が入らないような濃厚なキスをマリアンはされるのだった。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ここ掘れわんわんから始まる異世界生活―陸上戦艦なにそれ?―

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:809

謹んでヤり逃げさせていただきます

恋愛 / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:943

10年もあなたに尽くしたのに婚約破棄ですか?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:355pt お気に入り:2,849

普通の公爵令嬢じゃ勝てませんから!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:85pt お気に入り:97

側妃が欲しいのですか? 言い訳は聞きたくありません

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,441pt お気に入り:518

【R18】僕たちの全ての愛を、聖女様に捧げる

恋愛 / 完結 24h.ポイント:440pt お気に入り:665

誰もシナリオ通りに動いてくれないんですけど!

BL / 連載中 24h.ポイント:30,991pt お気に入り:1,860

私、竜人の国で寵妃にされました!?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:99pt お気に入り:1,192

処理中です...