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獣国編
44 雷の洞窟 ③
しおりを挟む広がった空間にある景色は…
眩しいほど光った後に大きな音をたてて落ちていく幾数の雷
それはとても人が通ることが出来るような場所ではなかった…
「なんなのこれ」
「凄いですね…上と下の雷の魔石が共鳴しあい雷を生んでいます」
「セバスさんこれは…」
「ええ、これも今までになかった事です。元々この空間は採掘する方々の休憩場となっていたようです」
「何かいる気配はないが面倒だな」
どう渡るか私達が考えていると足元で影が動き込みなりが落ちているその空間へと歩いていった。
「ノーム、待ちなさい !!」
「え、ノーム ??」
暫くするとズゴゴゴと音をた真ん中に二人並んで通れる大きさの道のような屋根付き通路が作られていく。
パッと見た感じ学園の渡り廊下のような形になっている。無駄に細かい…
唯一違うところといえば…屋根の上に所々避雷針らしにものがあること、そしてその避雷針が上からも下からも発する雷を引き付けていく
…のーん、これで誰も怪我せず通れるの
…楽チン楽チン
そう言ってシルフとノームはその道を足取り軽く通っていく。私達はその光景を呆れ半分戸惑い半分で後を追いかけ進んでいった。
「簡単にすんでしまいましたね」
「ゲーム…物語みたいに雷の解除するための陣を探したりアイテム探したり…を期待していたのに…」
「リアは意外と冒険好きだな」
「前世でそういう物語やるの好きだったから」
「そうか、叫び媚びる女よりもいい」
「でも黒光りする虫とかなら叫ぶと思う」
「ああ、ブラックゴキーですか」
「え、いるの !! それになにその名前 !?」
「ええいます。全身黒く、光に当たると反射して光り素早く動き敵に向かって飛んでくる一㍍ぐらいの虫型魔獣です」
「ふええ !!(ゴキ⚪リがいるの !? この世界にも !! しかも一㍍サイズ !! むりむりむり !!)」
「リアはブラックゴキーが無理なのか」
「それでは見つけたらすぐにマリアン様の視界に入る前に消さねばなりませんね」
「そうだな」
「あ、ありがとう」
冒険好き等の話からまさかの一生会いたくはないゴキ⚪リの話になり私はテンションが駄々下がりになった。だけどもそんな私の様子を見て視界に入らないようにしてくれると言う、リオンとセバスさんに私は感動して尊敬の視線を送ったのだった。
…のーん、次についたの
…扉があるけど開けないよ
…のーん、精霊文字なの、んーの
…ノームこれは契約者になる者への試練だから僕等が手を出すのはダメだよ
…のーん、分かったの
…キール
「ええ」
私達が辿り着いた場所は壁や天井の全てがバチバチと音をならし雷の魔石により明るく輝いている空間だった。
真ん中にあるひし形の石には文字が書いてありそれは私達には読めない文字で、シルフが言うには精霊文字でキール様の世界の一部のエルフが読むことの出来る古代文字なんだとか…
シルフに呼ばれてキール様はひし形の石に近付いていき、てで触れ文字を読んでいく。
その横でノームが落ち込んでいるけど…知れんなら答えを出しちゃダメだからシルフのいっていることは正しいと思う。
そんなことを考えているとキール様の声が空間に響いた。
「『雷は光なり 求めるは闇なり 先導くは影なり』…ですね」
「どういう意味でしょう」
「雷の魔石は今光っている、それを消せと言う意味か」
「そうすると影はなくなります」
「数個残せば影が出来るだろう」
「闇を求めるのに光を残しては意味がないのでは」
キール様とセバスさん、リオンがお互いに意見を言い合っている間私はそのひし形の石を回り観察していた。
(ただの石っていうよりも…ゲームキューブのFFとかに出てくるクリスタルみたい。あれってたしかファイアとか当てると光ったよねー)
そんなことを考えていたらふと何かが浮かんできた気がした
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