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獣国編
45 雷の大精霊
しおりを挟む私はキール様の声が聞こえクリスタルの側へ行きクリスタルの影を見ると…
クリスタルの影から階段が見えてきたのだ。
「これが『先導くは影なり』ですか」
「影のなかに次の道があるのね」
「行くぞ」
リオンの言葉に私達は頷きクリスタルの影へと足を進めた。
するりと入る不思議な感覚にしっかりと感じる硬質な石の感覚…
一歩踏み入れた瞬間私達は何か塔の中にある螺旋階段らしき場所に立っていた。
「これは…」
「転移ですね」
「帰るときはどうするの ?」
「分かりません」
「とりあえず先に行くぞ」
「精霊の気配がかなり強いです。上の方から感じますので行きましょう」
キール様の言葉に私達が進む場所は今いる塔の最上階部分だった。
途中私達は敵がでないか警戒しながら進んでいった
「ここだな」
「開けます」
「ああ」
「はい」
「うん」
セバスさんが重そうな扉を開けていくと中は暗くなにも見えない…
【ライト】を使おうかと考えながら少し進んでいくと、全員入ったところで扉がひとりでに閉まった。するとバチバチと音をならしながら真っ暗の空間の中心部から雷が発し明るくなり始める。
「あれは…」
「あれが…」
私とキール様の声が重なり見ていた先は紫で透けていて丸く、中に雷がはしっており、目がやや鋭めで近付くのが難しい感じの雰囲気をだしている。それはあるゲームに出てくる精霊に似ていた
「ヴォルト…」
…のーん、よく知ってるの
…ほんと君ってすごいね、そうだよアイツはヴォルト
…のーん、雷の大精霊なの
私の声にシルフ達が答えた。
前世の記憶に出てくるのに似てるからですと言おうかなと迷っていたら途切れ途切れに電子音に近い声が聞こえた。
…ここ…に…なに…をも…とめる
…もっとハキハキ喋ろよ
…シル…フ…
…のーん、シルフヴォルトに怒ったらダメだの
…ノーム
…おいこら、何でノームにはノームなんだよ
精霊達が喧嘩しているのを聞いて何でシルフが嫌うのか少し分かった気がした。
「喋り方か」
「だね」
…そ…れで…なに…し…にき…た
「私はキール・フェルト・ユグドラシル、自分の世界に帰るためにこちらの世界の貴方の大精霊の力を借りたく来ました」
…ユグ…ドラシ…ル…ウンディーネ…
…こいつ…ふん、ウンディーネはここにいないよ
…あえ…るな…ら…
「契約はしていますので向こうに戻ればあえるかと」
…ちから…かす
「え、ありがとうございます」
「…………」
「戦わなくてよかったのね ?」
「今までは戦っていたのですが…」
「汝の力を示してみせよ とか言われましたか ?」
「 !? そうですね、今まで向こうでは契約する前に必ず戦いました」
「そう(テイ⚪ズのゲームみたい)」
私がキール様にそう声をかけると驚いた顔をした後にやっぱり闘っていたと教えてくれたけど…
一人で戦っていたとしたらキール様ってやっぱりものすごく強いよね…
そう思いリオンに負けないんじゃと考え遠い目をしてしまった。
そして遠い目をしていた間にキール様はヴォルトと契約を結び終わったらしく私達はヴォルトがいた場所に書いてあった転移陣で地上、洞窟の外へとへと戻っていったのだった
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