35 / 42
造られた獣
しおりを挟む
屋敷を揺らす程の衝撃は、何度となく繰り返される。
まるで屋敷自体を、大きな巨人に揺らされているような感覚だった。
ミアが怯えた様子でレイに寄り添う。「お兄ちゃん、怖いよ……」
レイとエステルが顔を見合わせる。
「大丈夫だ、ミア」レイが呟く。
「ただ事ではありませんね」エステルは冷静に状況を分析していた。
すると、マグナスが緊迫した様子で辺りを見回した。
「くそっ…まさかあいつが!?」
「兄様、何が起きているんです?」ダリウスが問いかける。
マグナスは一瞬たじろいだが、すぐに態度を取り繕った。「お前たちは早くここから出ろ」
しかし、レイは鋭く追及する。「お兄さんには、何か心当たりがあるんですね?」
マグナスの表情が歪む。「黙れ!」
そのとき、さらに大きな衝撃が走り、書架から本が落ちてくる。その混乱に乗じて、マグナスは急いで書庫を出て行った。
「追いかけるぞ!」レイが叫ぶ。
四人は書庫を飛び出し、マグナスの後を追う。廊下の壁の至る所に大きな亀裂が入っていて衝撃の凄さを物語っている。
「いったい何が?」ダリウスが呟く中、マグナスは地下の突き当たりにある部屋の扉を開いた、そこには信じられない光景が広がっていた。
部屋の中央には魔法で強化されているらしき巨大な檻が置いてあり、その中に見た事のない大きな獣がいた。
「なんだ、あれはケルベロスか?」レイの表情が険しくなる。
三つの頭を持つ巨大な獣が、魔法の檻の中で暴れ回っていたのだ。その体からは濃紺の毛皮が星空のように輝き、目は赤、青、緑と異なる色で光っている。
「兄様、これは一体……」ダリウスが震える声で問いかける。
マグナスは苦々しい表情で答えた。
「ケルベロスなんて、そんな生易しいもんじゃない。生物合成魔法を繰り返して俺が生み出した特別な魔獣だ」
「なんて事を…」ダリウスの顔が青ざめる。
その時、魔獣の暴れが激しくなり、魔法の檻が軋むような音を立て始めた。
「まずい、制御が効かなくなっている!」マグナスが叫ぶ。
まるで彼の言葉に応えるかのように次の瞬間、魔法の檻が粉々に砕け散った。解き放たれた魔獣は、轟音と共に自由を得たのだ。
解放された魔獣は、凄まじい咆哮を上げる。その声は部屋を揺るがし、壁に亀裂を走らせた。
「みんな、下がれ!」レイが叫ぶ。
エステルは瞬時に反応し、剣を抜いて前に出る。
「私が食い止めます」
彼女の剣が青白く光り、魔獣に向かって斬りかかる。しかし、剣が獣の体に触れた瞬間、驚くべき事が起こった。
攻撃を受けた部分が一瞬半透明になり、剣が通り抜けてしまった。
「なっ…!」エステルの驚きの声が響く。
マグナスは説明する。「無駄だ。あいつは物理攻撃を無効化する能力を持っている」
ダリウスが歯を食いしばり、自らの剣に魔力を込める。
「なら、これはどうだ!」と、彼の剣から氷の刃が放たれ魔獣に向かって飛んでいく。
しかし、その体の側面にあるエラのような構造が開き、霧状の魔力を放出。
氷の刃は途中で溶けてしまった。
「くっ…」ダリウスが唸る。
「おい、魔法も効かないのかよ!」レイは困惑していた。
その時、家主の【ハロルド・アイアンフィスト】が部屋に駆け込んできた。「何が起きている!マグナス」
その途端、目の前にいる魔獣が視界に入り、ハロルドは怒りに満ちた表情でマグナスを睨みつける。「お前、勝手なことを!」
しかし、今はそんなことを言っている場合ではなかった。魔獣がゆっくりと彼らに近づいてくる。
「父上、私たちで何とかします!」ダリウスが叫ぶ。
ハロルドは冷ややかな目でダリウスを見た。「お前に何ができる。邪魔だ、下がっていろ」
彼は前に出ると、強力な魔法陣を展開する。「灼熱の業火よ、我が敵を焼き尽くせ!」
巨大な炎の渦が魔獣を包み込む。それはかなり強力な魔法だった。
しかし、魔獣は炎の中から無傷で現れた。それどころか、魔法攻撃を受けた部分がより強固になっているように見えた。
「まさか、魔力を吸収しているのか!?」レイが気づく。
ハロルドとマグナスは次々と魔法を放つが、どれも魔獣には効果がない。それは徐々に彼らを追い詰めていく。
「このままでは……」レイは焦りを感じ始めた。
その時──「誰か、いないの!?」上の方から微かに女性の叫ぶ声が聞こえた。母、セレナの声だった。
「母上!」ダリウスが叫ぶ。
状況は刻一刻と悪化していく。魔獣は声に反応するように、再び暴れだした。
レイたちは、なすすべもなく、この危機的状況を見つめるしかなかった。
魔獣が部屋から飛び出し、状況は一気に緊迫した。
「母上が危ない!」ダリウスは叫び、魔獣を追おうと部屋を飛び出す。
ハロルドがそんな彼に叫びかける。「まて、お前では無理だ!」
一瞬振り向いたダリウスの顔には、屈辱の色が浮かんでいた。レイはその様子を見て、胸が締め付けられる思いがした。
「エステル、一階の状況を確認出来るか?」レイが聞くと。彼女は無言で頷き、部屋の外にいる魔獣の脇をすり抜け、一瞬で見えなくなった。
ハロルドとマグナスも部屋を飛び出し、魔獣に向かって次々と魔法を放つ。
上階へ上がらないように抑え込もうとした。しかし、魔獣の適応能力は彼らの予想を遥かに超えていた。
「くそっ、なぜだ!」マグナスが歯ぎしりする。
ハロルドは冷静さを保とうとしているが、額には汗が滲んでいる。「こんなはずでは……」
そんな事をしていると、直ぐにエステルが戻ってきた。
「二階への階段が崩壊してますが、二階東側の部屋に、僅かな人の気配を感じました」
ダリウスの顔が青ざめる。「そこは母上の……」
彼が動こうとした瞬間、魔獣が大きく飛び上がり。天井を突き破る。その天井の一部が崩れ落ちてきた。
「危ない!」レイが叫び、ダリウスを突き飛ばした事で、二人とも無事だった。
「このままでは屋敷が崩壊する」ハロルドが状況を分析する。「これはチャンスだ!我々も一階に上がり、そのまま外に退避するぞ!」
「避難?母上がまだ!」ダリウスが必死に訴える。
マグナスが冷たく言い放った。「あの化け物が二階に気を取られてる今しかない。犠牲は避けられん」
その言葉にダリウスの目に怒りが宿る。「兄様!どうしてそんなことが!」
叫んだ後、ダリウスは、一階への階段を駆け上がった。
つられるようにマグナス、ハロルド、そしてレイ達も全員が一階へと上がる。
その間もレイは必死に考えを巡らせていた。このままでは誰も救えない。何か方法はないのか……。
そのとき腕の違和感に気づいた。メリッサからもらった腕輪が付けられている。
「そうだ。そもそも俺の魔力は……」レイが小さく呟く。
決意を固め、レイは一階から二階へ向かう方法を模索しているダリウスに頼んだ。
「ダリウス、もう一度だけ俺に付与魔法をさせてくれ」
ダリウスは困惑した表情を浮かべた。「は?それは上手くいかなかっただろ!」
「いや。俺自身の条件を忘れていた!」レイはエステルの剣を借り、自分の手のひらに小さな傷をつける。
「何をする気だ?」ハロルドが驚いた感じで尋ねる。
レイは答えず、ダリウスに向かって言う。
「信じてくれ。これが最後のチャンスかもしれない」
同意するように、エステルも頷く。
ダリウスは一瞬躊躇したが、レイの真剣な眼差しに、何かを感じ取ったようだった。
「わかった。やってみろ」
レイは深く息を吸い、再び詠唱を始めた。今度は、血の流れと魔法が共鳴するのを感じた。
まるで屋敷自体を、大きな巨人に揺らされているような感覚だった。
ミアが怯えた様子でレイに寄り添う。「お兄ちゃん、怖いよ……」
レイとエステルが顔を見合わせる。
「大丈夫だ、ミア」レイが呟く。
「ただ事ではありませんね」エステルは冷静に状況を分析していた。
すると、マグナスが緊迫した様子で辺りを見回した。
「くそっ…まさかあいつが!?」
「兄様、何が起きているんです?」ダリウスが問いかける。
マグナスは一瞬たじろいだが、すぐに態度を取り繕った。「お前たちは早くここから出ろ」
しかし、レイは鋭く追及する。「お兄さんには、何か心当たりがあるんですね?」
マグナスの表情が歪む。「黙れ!」
そのとき、さらに大きな衝撃が走り、書架から本が落ちてくる。その混乱に乗じて、マグナスは急いで書庫を出て行った。
「追いかけるぞ!」レイが叫ぶ。
四人は書庫を飛び出し、マグナスの後を追う。廊下の壁の至る所に大きな亀裂が入っていて衝撃の凄さを物語っている。
「いったい何が?」ダリウスが呟く中、マグナスは地下の突き当たりにある部屋の扉を開いた、そこには信じられない光景が広がっていた。
部屋の中央には魔法で強化されているらしき巨大な檻が置いてあり、その中に見た事のない大きな獣がいた。
「なんだ、あれはケルベロスか?」レイの表情が険しくなる。
三つの頭を持つ巨大な獣が、魔法の檻の中で暴れ回っていたのだ。その体からは濃紺の毛皮が星空のように輝き、目は赤、青、緑と異なる色で光っている。
「兄様、これは一体……」ダリウスが震える声で問いかける。
マグナスは苦々しい表情で答えた。
「ケルベロスなんて、そんな生易しいもんじゃない。生物合成魔法を繰り返して俺が生み出した特別な魔獣だ」
「なんて事を…」ダリウスの顔が青ざめる。
その時、魔獣の暴れが激しくなり、魔法の檻が軋むような音を立て始めた。
「まずい、制御が効かなくなっている!」マグナスが叫ぶ。
まるで彼の言葉に応えるかのように次の瞬間、魔法の檻が粉々に砕け散った。解き放たれた魔獣は、轟音と共に自由を得たのだ。
解放された魔獣は、凄まじい咆哮を上げる。その声は部屋を揺るがし、壁に亀裂を走らせた。
「みんな、下がれ!」レイが叫ぶ。
エステルは瞬時に反応し、剣を抜いて前に出る。
「私が食い止めます」
彼女の剣が青白く光り、魔獣に向かって斬りかかる。しかし、剣が獣の体に触れた瞬間、驚くべき事が起こった。
攻撃を受けた部分が一瞬半透明になり、剣が通り抜けてしまった。
「なっ…!」エステルの驚きの声が響く。
マグナスは説明する。「無駄だ。あいつは物理攻撃を無効化する能力を持っている」
ダリウスが歯を食いしばり、自らの剣に魔力を込める。
「なら、これはどうだ!」と、彼の剣から氷の刃が放たれ魔獣に向かって飛んでいく。
しかし、その体の側面にあるエラのような構造が開き、霧状の魔力を放出。
氷の刃は途中で溶けてしまった。
「くっ…」ダリウスが唸る。
「おい、魔法も効かないのかよ!」レイは困惑していた。
その時、家主の【ハロルド・アイアンフィスト】が部屋に駆け込んできた。「何が起きている!マグナス」
その途端、目の前にいる魔獣が視界に入り、ハロルドは怒りに満ちた表情でマグナスを睨みつける。「お前、勝手なことを!」
しかし、今はそんなことを言っている場合ではなかった。魔獣がゆっくりと彼らに近づいてくる。
「父上、私たちで何とかします!」ダリウスが叫ぶ。
ハロルドは冷ややかな目でダリウスを見た。「お前に何ができる。邪魔だ、下がっていろ」
彼は前に出ると、強力な魔法陣を展開する。「灼熱の業火よ、我が敵を焼き尽くせ!」
巨大な炎の渦が魔獣を包み込む。それはかなり強力な魔法だった。
しかし、魔獣は炎の中から無傷で現れた。それどころか、魔法攻撃を受けた部分がより強固になっているように見えた。
「まさか、魔力を吸収しているのか!?」レイが気づく。
ハロルドとマグナスは次々と魔法を放つが、どれも魔獣には効果がない。それは徐々に彼らを追い詰めていく。
「このままでは……」レイは焦りを感じ始めた。
その時──「誰か、いないの!?」上の方から微かに女性の叫ぶ声が聞こえた。母、セレナの声だった。
「母上!」ダリウスが叫ぶ。
状況は刻一刻と悪化していく。魔獣は声に反応するように、再び暴れだした。
レイたちは、なすすべもなく、この危機的状況を見つめるしかなかった。
魔獣が部屋から飛び出し、状況は一気に緊迫した。
「母上が危ない!」ダリウスは叫び、魔獣を追おうと部屋を飛び出す。
ハロルドがそんな彼に叫びかける。「まて、お前では無理だ!」
一瞬振り向いたダリウスの顔には、屈辱の色が浮かんでいた。レイはその様子を見て、胸が締め付けられる思いがした。
「エステル、一階の状況を確認出来るか?」レイが聞くと。彼女は無言で頷き、部屋の外にいる魔獣の脇をすり抜け、一瞬で見えなくなった。
ハロルドとマグナスも部屋を飛び出し、魔獣に向かって次々と魔法を放つ。
上階へ上がらないように抑え込もうとした。しかし、魔獣の適応能力は彼らの予想を遥かに超えていた。
「くそっ、なぜだ!」マグナスが歯ぎしりする。
ハロルドは冷静さを保とうとしているが、額には汗が滲んでいる。「こんなはずでは……」
そんな事をしていると、直ぐにエステルが戻ってきた。
「二階への階段が崩壊してますが、二階東側の部屋に、僅かな人の気配を感じました」
ダリウスの顔が青ざめる。「そこは母上の……」
彼が動こうとした瞬間、魔獣が大きく飛び上がり。天井を突き破る。その天井の一部が崩れ落ちてきた。
「危ない!」レイが叫び、ダリウスを突き飛ばした事で、二人とも無事だった。
「このままでは屋敷が崩壊する」ハロルドが状況を分析する。「これはチャンスだ!我々も一階に上がり、そのまま外に退避するぞ!」
「避難?母上がまだ!」ダリウスが必死に訴える。
マグナスが冷たく言い放った。「あの化け物が二階に気を取られてる今しかない。犠牲は避けられん」
その言葉にダリウスの目に怒りが宿る。「兄様!どうしてそんなことが!」
叫んだ後、ダリウスは、一階への階段を駆け上がった。
つられるようにマグナス、ハロルド、そしてレイ達も全員が一階へと上がる。
その間もレイは必死に考えを巡らせていた。このままでは誰も救えない。何か方法はないのか……。
そのとき腕の違和感に気づいた。メリッサからもらった腕輪が付けられている。
「そうだ。そもそも俺の魔力は……」レイが小さく呟く。
決意を固め、レイは一階から二階へ向かう方法を模索しているダリウスに頼んだ。
「ダリウス、もう一度だけ俺に付与魔法をさせてくれ」
ダリウスは困惑した表情を浮かべた。「は?それは上手くいかなかっただろ!」
「いや。俺自身の条件を忘れていた!」レイはエステルの剣を借り、自分の手のひらに小さな傷をつける。
「何をする気だ?」ハロルドが驚いた感じで尋ねる。
レイは答えず、ダリウスに向かって言う。
「信じてくれ。これが最後のチャンスかもしれない」
同意するように、エステルも頷く。
ダリウスは一瞬躊躇したが、レイの真剣な眼差しに、何かを感じ取ったようだった。
「わかった。やってみろ」
レイは深く息を吸い、再び詠唱を始めた。今度は、血の流れと魔法が共鳴するのを感じた。
0
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
「お前の代わりはいる」と追放された俺の【万物鑑定】は、実は世界の真実を見抜く【真理の瞳】でした。最高の仲間と辺境で理想郷を創ります
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の代わりはいくらでもいる。もう用済みだ」――勇者パーティーで【万物鑑定】のスキルを持つリアムは、戦闘に役立たないという理由で装備も金もすべて奪われ追放された。
しかし仲間たちは知らなかった。彼のスキルが、物の価値から人の秘めたる才能、土地の未来までも見通す超絶チート能力【真理の瞳】であったことを。
絶望の淵で己の力の真価に気づいたリアムは、辺境の寂れた街で再起を決意する。気弱なヒーラー、臆病な獣人の射手……世間から「無能」の烙印を押された者たちに眠る才能の原石を次々と見出し、最高の仲間たちと共にギルド「方舟(アーク)」を設立。彼らが輝ける理想郷をその手で創り上げていく。
一方、有能な鑑定士を失った元パーティーは急速に凋落の一途を辿り……。
これは不遇職と蔑まれた一人の男が最高の仲間と出会い、世界で一番幸福な場所を創り上げる、爽快な逆転成り上がりファンタジー!
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる