余命数日の公爵令嬢の影に転生した俺、毒を喰らって最強の影の大精霊になる

もふもふ隊

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亜成体

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「お父様、私、お家の中だけじゃなくて、学校に行ってみたいわ」

突然のセレナの宣言に、公爵(グレン)がティーカップを落としそうになる。 俺も影の中で「マジかよ」と声を上げそうになった。

きっかけは、一通の手紙。 セレナが病床にいた頃から唯一、文通を続けてくれていた友人—— フィオナ・エバート伯爵令嬢からの招待状だった。

『学院には素晴らしい図書室と、美味しいカフェテリアがあるのよ。早く貴女と一緒にお茶がしたいわ』

セレナは期待に胸を膨らませているが、俺は知っている。 貴族の学校なんて、アリスみたいな「悪意」を持った奴らの巣窟(そうくつ)だってことを。生前、ラノベで見た。

(……やれやれ。学校かよ。影の仕事が増えそうだな)

ジークが「学校へ行くなら、私が魔法的護衛(影の調査)を継続しましょう」とついてくると意気込んだ時は、「やめろ!」と泡吹いて倒れそうになった。

「それはいいな、執事として着いていってくれ」

「ねえ、ジークさんがいれば安心よ」

両親の言葉に二人の影は不憫そうに俺を見た。ジークの影は「またまた宜しくね」とウインクをしてきた。

【2年後。王立ラピス学院、入学式当日】

馬車から降り立ったのは、かつて「病弱で長く持たない」と噂されていた公爵令嬢、セレナ・フォルテス。 その瞳は健康的な輝きを放ち、足元には以前よりもさらに深く、濃い影が寄り添っている。

「さあ、セレナ様。背筋を伸ばして。……おや、足元の『呪いの残滓』も、相変わらず元気がよろしいようで」

執事服を完璧に着こなしたジークが、鋭い視線を俺(影)に投げかけてくる。

(……当たり前だ。この2年、ジークのスパルタ教育と鑑定攻勢を耐え抜いてきたんだ。レベルも、スキルも、あの頃とは違うぜ)

種族:影の大精霊(幼成) レベル:18 新スキル:【影の隠れ家(シャドウ・シェルター)】獲得

なんと同調率は30%まで上昇!

「フィオナ様、どこかしら……!」

期待に胸を膨らませるセレナ。だが、俺は【鑑定】を広範囲に展開し、学院のあちこちから立ち上る「嫉妬」と「権力欲」のどろりとした影を捉えていた。

(…さて。どこのどいつから喰ってやろうか)

舌舐めずりをする。ここは、俺の餌場だ。

【セレナ・フォルテス(12)】

MP: 4,800(影の恩恵と成長により爆増)

状態: 極めて健康

スキル: 「影の縫い糸」が「影の束縛領域」へ進化の兆し。

【俺(影の大精霊:幼成)】Lv.18

MP: 8,500

新スキル:影の隠れ家(シャドウ・シェルター)

影の中に自分以外の「実体(セレナなど)」を引き込み、一時的に完全に物理世界から隔離・保護する。緊急回避用。
 
(ジーク様々だよな最高に「美味しい」カモだぜ)

なぜ良好な共生関係が成立しているかというと、暗殺回避のためにジークが毒に耐性を作っていた。その裏で俺が「あ、いい飲み物あるじゃん。いただきます」と拝借していたからだ。
 
新スキル:影の分身(シャドウ・パペット)
MP:50
自分の影の一部を切り離し、ネズミなどの小動物の形にして偵察に放つ。

【毒のソムリエ(常時発動)】
効果: 近くにある毒素の「種類」「致死性」「味」を判別できる。

備考: ジークが摂取する「プロ仕様の毒」を長年食べてきたため、並の毒では満足できない体質になっている。
 
ジークが毒を飲む → 「俺」が影からその毒を濾し取る→ジークは「最近、毒への耐性がつきすぎているな。もっと強い毒にするか」と勘違いして毒を強める → 「俺」がさらにレベルアップの好循環!棚からぼたもちだぜぃ!

 
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