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19.『マカロン』
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え、まずいわ、第三王子が既に来ている!まだ、十分前なのに....十分前行動が普通じゃないの??何分前に来たんだろう....いいや、それよりも走らなくちゃ!
「あ、エナ、走らなくていいよ。」
そう言うと、第三王子がこちらに歩きだした。
「いえ、第三王子様を待たせた挙句こちらに歩いてもらうだなんて...。」
「僕は全く気にならないよ。それじゃあ、行こうか。あ、その前に、それ、なんとかならないかな。」
「それ....??」
「僕への呼び方。」
「第三王子様ですか??」
「そうそう。これはいわばお忍びみたいなものだから、そんなふうに呼んでは意味が無いよ。」
「とは言いましても、これ以外の呼び方は...。」
王子を名前で呼ぶなんてこの世界ではありえないしなあ。あ、偽名とか??
「分かりました!」
「おっ、本当?」
「はい!偽名ですね。何にしますか??」
「え、そっちかあ。うーん、これじゃあ、到底名前呼びにまでならない....。」
何か第三王子がボソッと言ったけど、何を言ったんだろう??
「第三王子様??」
「エナ、僕のことはティアって呼んでね。フォティアのままだとそのままだし、愛称のほうがいいと思うから。」
「えぇ、そんな、第三王子様を愛称呼びだなんて無理です。絶対、無理です!」
「エナは.....そんなに僕の愛称を呼ぶの嫌い??」
うっ、だから、その顔でそんな風には言われたら...(以下略
「ティ、ティア.....様。」
「惜しいね。あと一歩だ。頑張って。」
いきなり愛称だなんてハードル高すぎー!
「様付きなのは許してくれませんか??さすがに厳しいんですよー。」
「ごめんね、頑張ってくれてありがとう。様付きなのは一万歩くらい譲って良しとするよ。」
「ありがとうございます。」
でも、一万歩って.....ははっ。
「容姿を少し変換したいから待っててくれる?」
「容姿を変換.....??」
「うん。ルリもやってたはずだけど知らない?あ、もしかしてまた言ってないのか。いつもルリは何か言ってないな。」
「あ、確かに学園へ来る前のルリは髪も瞳も色が違っていました。」
「そうそう。王族にのみ伝えられてるらしいもので容姿変換魔法って言うんだよ。」
「容姿変換魔法....。」
ゲーム内には出てこなかった....。うーん、なんでだろう。やっぱり、ゲーム内が全てってことではないのかなあ。
「はい。できたよ。」
「え、早いですね。」
「そうかな?行こうか。はぐれると困るから手を繋いどこう。」
「はい。」
やっぱり、第三王子は優しいなあ。あ、ティア様だった。
因みに、容姿変換魔法の前のティアの姿はこれまたルリと一緒で、クリーム色の髪に瞳は金色と青色のオッドアイ。
魔法使用後は明るい茶髪に明るい茶色の瞳。ルリも同じだったし、必ず茶色になるのかもしれない。
とことこ歩き、それなりにティア様と話し、目的地に着き中に入ると姉がいた。
「あら、愚妹じゃない。なんでこんなところにいるのよ。」
え、姉って愚妹という言葉知ってたんだ....。
「なんとか言ったらどうなのよ。あたしと同じ適正なんておかしいでしょ?何か不正をしたんだわ。あぁ、こわいわ、こわいわ。」
姉の状況を説明すると、男の子が一人と姉。デート中だったのかな。
「そこの人、こんな愚妹と一緒にいるなんて格が下がりますわあ。ナツキとぉ、お茶しましょぉ?」
えぇ!姉はぶりっ子になってたのか。全くこの何年間か会わなかったから知らなかった...。
しかも、格が下がるだなんて、王子に何を言ってるの。不敬罪で殺されるわよ?
「あ、あの、だいさ....」
物凄い目で見られて、
「あ、ティア様、申し訳ありません!姉が、すみません!」
「エナ、そうか本当に君の姉なんだね。」
「はい...。」
実際は姉と血は繋がってませんけど、これでも公爵の娘なんです。
「今回はエナに免じて何もなかったことにしてあげる。二度と僕に話しかけるな。」
ティア様?目が、目が凍てつくような感じで、姉が凍りついてます。
「じゃあ、エナ好きなだけマカロン食べていいよ。僕が奢ってあげるから。」
ぱっと笑顔で振り返って、さらっと凄いことを言われたような...奢る!??
「いやいや、私の分は私が払いますから。」
「僕に奢られるのそんなにいや??」
うっ、でも、今回はそれに騙されない!だって、
「ティア様が今持ってるお金は国民が納めている税金ですから私のような平民に使うべきではありません。」
そう。それを忘れてはないけない。ゲーム内のヒロインはバンバン奢られていたけど、私はそこが引っかかっていた。
ここはゲーム内であるんだろうけど現実だ。怪我をすれば痛いし、夜になれば眠くなる。
「そっか。エナはしっかりしてるね。でも、大丈夫だよ。今僕が持ってるお金は自分で得た収入だから。」
「ええ?ティア様が...??」
「うん。だから、問題ないよね。奢っていいよね?」
王族って王族以外の仕事して大丈夫なの...。と頭がプチパニックになってる中話しかけられて、
「は、はい!お願いします。」
と答えてしまった。
結果から言うと、ティア様とのお出かけは楽しかったし、マカロンはとても、とーっても美味しかった。ああ、今度はルリとも行ってみたいなあ。
ティア様は、
「僕はいいから。」
と言ってずっとこっちを見てるからちょっと食べずらかったし、もしかしてだけど本当は甘いのが好きじゃないかもしれない。
なんでついてきてくれたんだろう。いや、こちらからお願いしたわけじゃなかったはず.......?
私からお願いしたんだっけ??ううん。気がついたら約束してたからよく分からない。
考えてもよく分からないし、なんでもいっか。
姉に遭遇したのは驚いたけど、ほとんど何もなかった。ううん、なかったことにしてくれたから大丈夫。うん。その言葉を信じるしかない。
「あ、エナ、走らなくていいよ。」
そう言うと、第三王子がこちらに歩きだした。
「いえ、第三王子様を待たせた挙句こちらに歩いてもらうだなんて...。」
「僕は全く気にならないよ。それじゃあ、行こうか。あ、その前に、それ、なんとかならないかな。」
「それ....??」
「僕への呼び方。」
「第三王子様ですか??」
「そうそう。これはいわばお忍びみたいなものだから、そんなふうに呼んでは意味が無いよ。」
「とは言いましても、これ以外の呼び方は...。」
王子を名前で呼ぶなんてこの世界ではありえないしなあ。あ、偽名とか??
「分かりました!」
「おっ、本当?」
「はい!偽名ですね。何にしますか??」
「え、そっちかあ。うーん、これじゃあ、到底名前呼びにまでならない....。」
何か第三王子がボソッと言ったけど、何を言ったんだろう??
「第三王子様??」
「エナ、僕のことはティアって呼んでね。フォティアのままだとそのままだし、愛称のほうがいいと思うから。」
「えぇ、そんな、第三王子様を愛称呼びだなんて無理です。絶対、無理です!」
「エナは.....そんなに僕の愛称を呼ぶの嫌い??」
うっ、だから、その顔でそんな風には言われたら...(以下略
「ティ、ティア.....様。」
「惜しいね。あと一歩だ。頑張って。」
いきなり愛称だなんてハードル高すぎー!
「様付きなのは許してくれませんか??さすがに厳しいんですよー。」
「ごめんね、頑張ってくれてありがとう。様付きなのは一万歩くらい譲って良しとするよ。」
「ありがとうございます。」
でも、一万歩って.....ははっ。
「容姿を少し変換したいから待っててくれる?」
「容姿を変換.....??」
「うん。ルリもやってたはずだけど知らない?あ、もしかしてまた言ってないのか。いつもルリは何か言ってないな。」
「あ、確かに学園へ来る前のルリは髪も瞳も色が違っていました。」
「そうそう。王族にのみ伝えられてるらしいもので容姿変換魔法って言うんだよ。」
「容姿変換魔法....。」
ゲーム内には出てこなかった....。うーん、なんでだろう。やっぱり、ゲーム内が全てってことではないのかなあ。
「はい。できたよ。」
「え、早いですね。」
「そうかな?行こうか。はぐれると困るから手を繋いどこう。」
「はい。」
やっぱり、第三王子は優しいなあ。あ、ティア様だった。
因みに、容姿変換魔法の前のティアの姿はこれまたルリと一緒で、クリーム色の髪に瞳は金色と青色のオッドアイ。
魔法使用後は明るい茶髪に明るい茶色の瞳。ルリも同じだったし、必ず茶色になるのかもしれない。
とことこ歩き、それなりにティア様と話し、目的地に着き中に入ると姉がいた。
「あら、愚妹じゃない。なんでこんなところにいるのよ。」
え、姉って愚妹という言葉知ってたんだ....。
「なんとか言ったらどうなのよ。あたしと同じ適正なんておかしいでしょ?何か不正をしたんだわ。あぁ、こわいわ、こわいわ。」
姉の状況を説明すると、男の子が一人と姉。デート中だったのかな。
「そこの人、こんな愚妹と一緒にいるなんて格が下がりますわあ。ナツキとぉ、お茶しましょぉ?」
えぇ!姉はぶりっ子になってたのか。全くこの何年間か会わなかったから知らなかった...。
しかも、格が下がるだなんて、王子に何を言ってるの。不敬罪で殺されるわよ?
「あ、あの、だいさ....」
物凄い目で見られて、
「あ、ティア様、申し訳ありません!姉が、すみません!」
「エナ、そうか本当に君の姉なんだね。」
「はい...。」
実際は姉と血は繋がってませんけど、これでも公爵の娘なんです。
「今回はエナに免じて何もなかったことにしてあげる。二度と僕に話しかけるな。」
ティア様?目が、目が凍てつくような感じで、姉が凍りついてます。
「じゃあ、エナ好きなだけマカロン食べていいよ。僕が奢ってあげるから。」
ぱっと笑顔で振り返って、さらっと凄いことを言われたような...奢る!??
「いやいや、私の分は私が払いますから。」
「僕に奢られるのそんなにいや??」
うっ、でも、今回はそれに騙されない!だって、
「ティア様が今持ってるお金は国民が納めている税金ですから私のような平民に使うべきではありません。」
そう。それを忘れてはないけない。ゲーム内のヒロインはバンバン奢られていたけど、私はそこが引っかかっていた。
ここはゲーム内であるんだろうけど現実だ。怪我をすれば痛いし、夜になれば眠くなる。
「そっか。エナはしっかりしてるね。でも、大丈夫だよ。今僕が持ってるお金は自分で得た収入だから。」
「ええ?ティア様が...??」
「うん。だから、問題ないよね。奢っていいよね?」
王族って王族以外の仕事して大丈夫なの...。と頭がプチパニックになってる中話しかけられて、
「は、はい!お願いします。」
と答えてしまった。
結果から言うと、ティア様とのお出かけは楽しかったし、マカロンはとても、とーっても美味しかった。ああ、今度はルリとも行ってみたいなあ。
ティア様は、
「僕はいいから。」
と言ってずっとこっちを見てるからちょっと食べずらかったし、もしかしてだけど本当は甘いのが好きじゃないかもしれない。
なんでついてきてくれたんだろう。いや、こちらからお願いしたわけじゃなかったはず.......?
私からお願いしたんだっけ??ううん。気がついたら約束してたからよく分からない。
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