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第2章 宿屋
教会再び
しおりを挟む冒険者ギルドでの出来事があったので、問題にならないうちに早めに出発したかったのだが、やり残したことを探してるうちに教会にしばらく行ってないことに気が付いた。
転生した日以来だから、しばらくどころではないのだが。
エルピスは元気にしてるかなー。
ん?
怒ってたりしないよね…?
教会に着いて『女神様に祈りを捧げたい』と伝えたら奥の祭壇に通された。
そこには本物?!よりも美しいんじゃないかと思われるエルピスの像があった。
早速少しだけ事情を知るセレナと2人で祈りを捧げる。
俺が転生してから、こうやって暮らしていけるのはエルピスのおかげであることに間違いない。
そんなことを思ってるうちに俺の体が何かに包まれてどこかに飛ばされたような感覚に襲われた。
恐る恐る目を開けると、そこには転生前と同じ光景が広がっていて、エルピスもいたのだ。
でも、ふと隣りを見るとセレナがいない。
「あれ?セレナは?どこに行った?」
「おやおや、目の前に私がいるのに別の女の子の心配ですか?」
そりゃ心配するだろ。
婚約者だし。
「あぁそうでした。婚約者でしたね。分かっていても私を蔑ろにされると妬けちゃいます。
あと、あちらの世界の時間は止まってますので、セレナさんも祈りを捧げたままです。」
エルピスは女神様じゃん。
妬いたってしょうがなくない?
あの世界に来れるわけでもないし。
まぁセレナが無事なら何でもいいや。
「私があの世界に…ですか。それも悪くないかもしれませんね。ココの後任を探せば…」
いやいやそんなに真剣に考えなくても…。
それよりも、俺がまたココに来た理由を知りたい。
「守さん、じゃなくて今はシーマくんか。あなたがココに来た理由は、私が呼んだからです」
えっ?
俺、呼び出されるようなことしたっけ?
「なぜ全然教会に来なかったんですか?」
いや、それはいろいろと忙しかったからで…。
「セレナさんとイチャイチャしてる時間がいっぱいあるのにも関わらず、教会に来れる時間はなかったと!」
どんだけ俺らのこと覗いてんだよ。
もういいや。開き直ろう。
実際忙しかったんだし!!
「そんなシーマくんにはこれをお渡しします」
そう言ってエルピスは小さい像を渡してきた。
エルピス像だ。
よく見るとスゴく良く出来ている。
目の前の本物と比べても遜色ない。
「今後はこの像に祈りを捧げて下さい。わざわざ教会に行く必要も無くなるはずです」
確かに。
教会に行かなくても良くなるのは助かるな。
ありがとう。
「いえいえ。そろそろ時間なので戻る準備はいいですか?」
あぁ。
この像があるからまた近いうちに会えるかもな。
「私の神力のこともあるので毎回は無理ですけど、多少時間が開けば会えるかもしれません」
そりゃそうだよな。
神の力がなければ無茶な話だ。
俺もそんな無理を言う気もない。
「これからは出来るだけ祈りを捧げて下さい。それが私の神力になりますので」
わかった。
そうするよ。
「それじゃあ、また会える時まで」
目を開くと俺は教会に戻っていた。
手にはエルピス像が握られている。
隣りではセレナが祈りを捧げたままだ。
俺はエルピス像をアイテムボックスに収納してセレナに声をかける。
いよいよ出発だ。
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