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二章.サロン・ルポゼのクリスマス
二章 サロン・ルポゼのクリスマス①
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今日は十二月二十四日。
街はカップル達で賑わい、商店街は夜になったらキラキラ光輝くであろう、イルミネーションの装飾品で溢れていた。
とはいっても、年に一回だけの幸せイベントとはかけ離れているみなみからしたら、こんな日は普通の日と一緒だ。
いつもと同じように受付に立ち、十三時からのご予約様をただただ待っていた。
こんな日は飛び込みのお客様なんて来るわけもなく、店番状態だ。
「あーあー、まだ十二時半かぁ」
思わず独り言がこぼれてしまう。
クリスマスの日だというのに、時間の流れが遅い。
きっと、今頃デートしている幸せ者の体感速度は、音速以上なのではないか……みなみは心の中で、しっかりとやさぐれていた。
「なーに独り言言ってるの。聞こえたよー?」
「あ、オーナー! 聞こえちゃいましたか!」
バックヤードから、江頭オーナーが忍び足でみなみのもとへ近づいた。
江頭オーナーは店長も兼任していて、とっても面倒見が良いベテランのセラピストだ。
年齢は五十代くらいで、スイもみなみも正確な年齢は把握していない。
長い髪を束ねたキリッとした佇まいは、みなみが憧れる理想的な女性像だった。
「そうかそうか、井手っちも寂しいのかぁ」
「オーナーくらいですよ、私のこと井手っちって呼ぶの」
「まあまあ、わかるよ。私も二十代前半の頃は、仕事なんかより彼氏と居たい、あ、なんならもう結婚したい! って感じだったもん。しかもクリスマスだったら尚更よね」
絶妙に噛み合わない会話を、みなみは何故か心地良いと感じてしまう。
江頭オーナーとみなみが二人っきりの時は、こんな調子でゆるゆるとした会話になる。
いざとなった時は頼れる一声をかけてくれる江頭オーナーを、みなみは心から尊敬していた。
今も、みなみの寂しさをすぐに察知した江頭オーナーが、前向きな言葉を送ろうとしているところだ。
街はカップル達で賑わい、商店街は夜になったらキラキラ光輝くであろう、イルミネーションの装飾品で溢れていた。
とはいっても、年に一回だけの幸せイベントとはかけ離れているみなみからしたら、こんな日は普通の日と一緒だ。
いつもと同じように受付に立ち、十三時からのご予約様をただただ待っていた。
こんな日は飛び込みのお客様なんて来るわけもなく、店番状態だ。
「あーあー、まだ十二時半かぁ」
思わず独り言がこぼれてしまう。
クリスマスの日だというのに、時間の流れが遅い。
きっと、今頃デートしている幸せ者の体感速度は、音速以上なのではないか……みなみは心の中で、しっかりとやさぐれていた。
「なーに独り言言ってるの。聞こえたよー?」
「あ、オーナー! 聞こえちゃいましたか!」
バックヤードから、江頭オーナーが忍び足でみなみのもとへ近づいた。
江頭オーナーは店長も兼任していて、とっても面倒見が良いベテランのセラピストだ。
年齢は五十代くらいで、スイもみなみも正確な年齢は把握していない。
長い髪を束ねたキリッとした佇まいは、みなみが憧れる理想的な女性像だった。
「そうかそうか、井手っちも寂しいのかぁ」
「オーナーくらいですよ、私のこと井手っちって呼ぶの」
「まあまあ、わかるよ。私も二十代前半の頃は、仕事なんかより彼氏と居たい、あ、なんならもう結婚したい! って感じだったもん。しかもクリスマスだったら尚更よね」
絶妙に噛み合わない会話を、みなみは何故か心地良いと感じてしまう。
江頭オーナーとみなみが二人っきりの時は、こんな調子でゆるゆるとした会話になる。
いざとなった時は頼れる一声をかけてくれる江頭オーナーを、みなみは心から尊敬していた。
今も、みなみの寂しさをすぐに察知した江頭オーナーが、前向きな言葉を送ろうとしているところだ。
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