128 / 186
八章.サヨナラ
八章 サヨナラ③
しおりを挟む
自分の弱い部分は必死に隠して、周りに迷惑をかけないように明るく接する。
これが、みなみの特技になってしまった。
自分が傷つくよりも、相手に傷つけたと思ってほしくない。
みなみ自身も、我ながら損をしている性格だと実感している。
”カランコロン”
濃い話に一区切りがついたところで、思わぬ来客者が現れた。
「今日は空いているのね」
「ユア!? どうしたんだよ急に?」
外は暑いはずなのに、汗を一つもかいていない。
日傘をゆっくりとたたみ、ユアは涼しい顔で挨拶を始めた。
「お久しぶり。今日は休みって言ったでしょ? たまたま近くを通ったから来てみたのよ」
「休みとは聞いていたけど、また飛び込みで来ちゃってさ」
「今日は平日でしょ? どうせそんな混んでいないと思ってね」
「何だよそれ」
前よりもスムーズな会話が目の前で展開されて、みなみは少しホッとできた。
お通夜の時から、二人が上手くいっているか密かに心配していたけど、ちゃんと進んでいるみたいだ。
みなみも、何で応援しているかはわからないけど、スイの母の死をきっかけに関係が壊れるのは、どうにも居た堪れないと思っていた。
そんな感情が、みなみの中に存在しているのだ。
「みなみさん、こないだはありがとう。施術は慣れてきた?」
「はい! 施術回数も増えてきたので、徐々に慣れてきました」
「それは良かった。これから繁忙期だからね、頑張りましょうね!」
ユアが丁寧に話を振ってくれて、みなみも清々しく答えられる。
ユアのその余裕を、みなみは何度羨ましいと思ったことか。
これが、みなみの特技になってしまった。
自分が傷つくよりも、相手に傷つけたと思ってほしくない。
みなみ自身も、我ながら損をしている性格だと実感している。
”カランコロン”
濃い話に一区切りがついたところで、思わぬ来客者が現れた。
「今日は空いているのね」
「ユア!? どうしたんだよ急に?」
外は暑いはずなのに、汗を一つもかいていない。
日傘をゆっくりとたたみ、ユアは涼しい顔で挨拶を始めた。
「お久しぶり。今日は休みって言ったでしょ? たまたま近くを通ったから来てみたのよ」
「休みとは聞いていたけど、また飛び込みで来ちゃってさ」
「今日は平日でしょ? どうせそんな混んでいないと思ってね」
「何だよそれ」
前よりもスムーズな会話が目の前で展開されて、みなみは少しホッとできた。
お通夜の時から、二人が上手くいっているか密かに心配していたけど、ちゃんと進んでいるみたいだ。
みなみも、何で応援しているかはわからないけど、スイの母の死をきっかけに関係が壊れるのは、どうにも居た堪れないと思っていた。
そんな感情が、みなみの中に存在しているのだ。
「みなみさん、こないだはありがとう。施術は慣れてきた?」
「はい! 施術回数も増えてきたので、徐々に慣れてきました」
「それは良かった。これから繁忙期だからね、頑張りましょうね!」
ユアが丁寧に話を振ってくれて、みなみも清々しく答えられる。
ユアのその余裕を、みなみは何度羨ましいと思ったことか。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる