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# 夏
二人きり②
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「まあ、わかる気がするわ。夏が嫌いな理由も」
力ない声で話を続けると、戸部君は不思議そうに私を見ている。
「え、ナオちゃんも嫌いなの? それは意外だな」
「どうして? 夏が好きそうに見える?」
「いや、だって夏はいっぱいイベントがあるじゃん。夏祭りに海水浴、それに花火大会だって! そういうの好きなのかなって」
「全然好きじゃないよ。ていうかあんまり行ったことないし」
「ええ!?」
その驚いた顔に、微量のムカツキを覚える。
何だかバカにされているように感じたから。
まあ普通の十八歳だったら、夏のイベントの話は大盛り上がりするはずなんだろうけど、生憎私は家に籠るのが好きなタイプ。
今までお祭りとか花火大会とか、友達と行ったことなんて片手に収まる程度しかない。
戸部君の驚いた顔が、形状記憶のようにキープされている。
「そんなに驚くこと? そういう人もいるのよ。人混みとか具合悪くなるしね」
「あ、ごめん。そうだよね、俺も苦手だわ。夏祭りとか、混み過ぎると満足に屋台とか見れないしね。わかるわかる」
夏が嫌いで、人混みも嫌い。
共通点が増えていくのが、信じられなかった。
戸部君と私は、正反対の人間だと思っていたから。
他愛もない話で盛り上がっていると、どんどんとクラスメートが席を埋めていく。
時間を忘れて話していたせいで、周りがあまり見えていなかった。
いつもと何か違うことに気づいたのは、先生が朝の号令をかけた時。
力ない声で話を続けると、戸部君は不思議そうに私を見ている。
「え、ナオちゃんも嫌いなの? それは意外だな」
「どうして? 夏が好きそうに見える?」
「いや、だって夏はいっぱいイベントがあるじゃん。夏祭りに海水浴、それに花火大会だって! そういうの好きなのかなって」
「全然好きじゃないよ。ていうかあんまり行ったことないし」
「ええ!?」
その驚いた顔に、微量のムカツキを覚える。
何だかバカにされているように感じたから。
まあ普通の十八歳だったら、夏のイベントの話は大盛り上がりするはずなんだろうけど、生憎私は家に籠るのが好きなタイプ。
今までお祭りとか花火大会とか、友達と行ったことなんて片手に収まる程度しかない。
戸部君の驚いた顔が、形状記憶のようにキープされている。
「そんなに驚くこと? そういう人もいるのよ。人混みとか具合悪くなるしね」
「あ、ごめん。そうだよね、俺も苦手だわ。夏祭りとか、混み過ぎると満足に屋台とか見れないしね。わかるわかる」
夏が嫌いで、人混みも嫌い。
共通点が増えていくのが、信じられなかった。
戸部君と私は、正反対の人間だと思っていたから。
他愛もない話で盛り上がっていると、どんどんとクラスメートが席を埋めていく。
時間を忘れて話していたせいで、周りがあまり見えていなかった。
いつもと何か違うことに気づいたのは、先生が朝の号令をかけた時。
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