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エピローグ

エピローグ②

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 戸部君が続けて、入来ちゃんに話を振る。
 卒業証書を大事にしまいながら、入来ちゃんも現状について話してくれた。

「うん、もうバリバリ働いてるよ。整体よりも私のリフレクソロジーコースの方が人気出てきて。お父さんも毎日悔しがってる」

「そっかー、いいな、みんな進んでて」

 戸部君が私たちの話を聞き終えると、何やら肩を落としてしまった。

「戸部君は、まだ決まってないの?」
 
 傷つけないように気をつけて聞くと、沈んでいた表情が演技だったみたいに明るい顔をした。
 この顔は、何か光明があるみたいだ。

「なんちゃって。実は、救世主となる求人が現れたのだ!」

 机の上にドンと置かれた紙は、急募と大きく書かれたサロンの求人広告だった。

「え、いいじゃん。サロンスタッフ欠員のため、資格を有する者であれば、経験問わずに面接可能……だって」

 入来ちゃんが読み終えると、私と入来ちゃんからは落胆の声が広がった。

「え、何で? 何で呆気にとられてるの?」

 私たちの反応が思っていたものと違ったのか、戸部君は不思議そうな顔をしてこちらを見ている。

「だってさ……まだ決まってないんでしょ?」

 鼻で笑うかのような入来ちゃんの声に、戸部君は今にも猛反論しそうだ。
 こればっかりは入来ちゃんと同感の私も、合わせて声を出す。

「そうよ、決まってから報告してよね」
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